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三菱樹脂、製造コストを約半分に低減したピッチ系炭素繊維の新グレードを発売

2013-03-12

熱伝導性に優れるピッチ系炭素繊維の超高弾性グレードにおいて
製造コストを約半分に低減した新グレードを発売


 三菱樹脂株式会社(本社:東京都千代田区社長:姥貝卓美)は、熱伝導性と剛性に優れるピッチ系炭素繊維の超高弾性グレードにおいて、炭素繊維1束のフィラメント(繊維)数を増加させ、その生産性を高めることで、製造コストを約半分に低減した新グレード「ダイアリード(R) K13C6U」を開発し、4月1日より販売を開始します。従来品は、人工衛星に搭載する電子機器の放熱部材などにその用途が限定されていましたが、製造コストの大幅低減によって、軽量・小型化が進む航空機向け電子機器部材(アビオニクス(*))、ヒートシンク、LED部材、自動車部材への拡販が期待されます。

 *アビオニクス(Avionics):航空機に搭載され飛行のために使用される電子機器

 炭素繊維には、ポリアクリロニトリル(PAN)系とピッチ系の2種類がありますが、ピッチ系炭素繊維は、剛性(固さ)や熱伝導性に優れ、かつ熱膨張率がほぼゼロの製品を生産することができるなどの特長を有しています。その一方で、高い剛性がゆえに二次加工でのハンドリングが難しく、また金属系材料やPAN系炭素繊維と比べて価格が高いことが、さらなる市場拡大における課題になっています。

 当社の「ダイアリード(R)」シリーズにおいて超高弾性グレードに位置づけられている「ダイアリード(R) K13C2U」は、最高クラスの剛性(引張弾性率900GPa)と、アルミニウムの約3倍となる600W/mKという優れた熱伝導率を有し、人工衛星に搭載する電子機器の放熱部材などに使用されてきました。しかし、ピッチ系炭素繊維においても非常に高価格な製品であることから、その用途をさらに拡げるためにはコストダウンが必須でした。そこで、当社は、優れた剛性(引張弾性率900GPa)と熱伝導率(600W/mK)を維持しつつ、繊維1束当たりフィラメント数を従来の2K(2,000本)から6K(6,000本)へと3倍に増やすことで生産効率を高め、その製造コストを約半分に低減した新グレード「ダイアリード(R) K13C6U」を開発しました。

 アビオニクスなどの電子機器部材やLED部材、自動車部材を小型化、軽量化、高機能化していくためには、放熱設計がその重要な要素となることから、軽量で放熱性、剛性に優れるピッチ系炭素繊維「ダイアリード(R) K13C6U」が、今後、放熱部材として汎用的に採用されていくことが期待されます。当社は、同じ三菱ケミカルホールディングスグループで、PAN系炭素繊維を扱う三菱レイヨン社とも連携しながら、炭素繊維事業の拡大に向けて、これからも取り組んでまいります。


※製品写真は、添付の関連資料を参照

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