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伊フェラーリ、ジュネーブモーターショーで特別限定モデル「ラ フェラーリ」を発表

2013-03-09

ジュネーブ・モーターショーにて「ラ フェラーリ」を発表

「跳ね馬」を象徴する情熱、技術、唯一無二の要素を兼ね備えたネーミング

フェラーリ史上、最も高く評価されたモデルの集大成を公開



 2013年3月5日、イタリア・マラネッロ発「ラ フェラーリ」がついにベールを脱ぎました。わずか499台のみの生産となるフェラーリの特別限定モデルが、第83回ジュネーブ・モーターショーにて、世界初公開されました。

 フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長は、「このモデルを『ラ フェラーリ』と命名しました。このネーミングは、フェラーリの本質であるエクセレンスを最大限に表現しているからです。エクセレンスとは、技術的革新、性能、先見的なスタイリング、ドライビング・スリルなど、すべての面において秀でているということです。今回、コレクターの方々に向けて開発したこの特別限定モデルは、数多くの最先端技術を搭載した画期的な車輌です。これらの先進技術は、今後他のフェラーリ・モデルにも採用され、それが全自動車産業の指標となるでしょう。「ラ フェラーリ」は、F1から得た知識も含めて、フェラーリ独自の、比類なきエンジニアリングおよびデザイン・ノウハウを最大限に高めて、実現させたモデルです」とコメントしました。

 フェラーリにとって、「ラ フェラーリ」のような特別限定モデルの開発は、すべての技術的ソリューションをテストする機会であり、その中の技術が、これから先の市販モデルに活用されることを意味します。中でも重要なのは、スクーデリア・フェラーリのF1KERSに関するノウハウをフルに活用し、ハイブリッド・システムを導入したことです。このシステムにより、性能とドライビング・スリルというフェラーリの根幹的な価値を、さらに高めるソリューションが開発されました。

 このモデルに採用された「HY−KERS」と呼ばれるハイブリッド技術は、最高の性能とCO2削減の完璧なコンビネーションとなりました。実際、「ラ フェラーリ」は、エレクトリカル・モーター駆動に頼ることなく、わずか330g/kmのCO2排出量を達成しています。このエレクトリカル・モーターは、モデル本来の開発目的ではありませんが、HY−KERSシステム自体は、これからの量産車に採用する際に、エレクトリカル・モーター駆動により数キロメートルの走行も可能な設計となっています。開発段階のテストにおいても、エレクトリカル・モーター駆動仕様の「ラ フェラーリ」は、複合サイクルでCO2排出量220g/kmという数値を記録しています。

 「ラ フェラーリ」には、フェラーリのロードカーで初めて、アクティブ・エアロダイナミクスおよびHY−KERSシステムに統合された、ダイナミック・コントロール機能が装備されています。全システムを管理するフェラーリ独自のロジックにより、いかなる面においても妥協することなく、最高水準の性能と空気力学的効率、および高いハンドリング性能を実現しています。F1のシングルシーターからインスピレーションを得たHMIを含め、インテリアにも妥協しない最先端のアプローチが採用されています。


<アーキテクチャー>
 「ラ フェラーリ」のアーキテクチャーは、フェラーリ・チームにとって、設計および企画段階における最初の課題でした。容積を必要とするハイブリッド・システムを搭載しながら、理想的な重量配分(59%リア)とコンパクトなホイールベースを達成することを目的としていました。その結果、すべての重量物を、フロントとリアのアクスル間に設置し、可能な限りフロアに近付けて配置することで、重心を(約35mm)下げました。これによって、ダイナミックなハンドリングとコンパクトな大きさを達成させる構造が導き出されました。

 アーキテクチャーの設計にあたり、室内レイアウトも大きく貢献しています。ドライバーの体格に合わせ、オーダーメイドで仕上げられたシートは、フロアに固定され、ぺダルボックスとステアリング・ホイールを調整可能にすることで、ドライビングポジションを設定します。このシングルシーターのようなドライビングポジションの設定と設計には、このモデルの開発段階から積極的にその役割を果たしてくれたスクーデリア・フェラーリのドライバー、フェルナンド・アロンソフェリペ・マッサの意見が反映されています。

 「ラ フェラーリ」のシャシーには、F1カーと同じ設計および生産手法が採用されており、レーシング部門において4種類以上のカーボンファイバーを手作業でラミネートし、オートクレーブを用いて硬化・製造しています。カーボンファイバーの採用は、軽量化とともに捻り剛性(+27%)とビーム剛性(+22%)の強化を図るとともに、各種のパーツ(たとえばシートやバッテリー・コンパートメント)のシャシーへの統合など、デザイン面での最適化にも貢献しています。


<パワートレイン>
 「ラ フェラーリ」は、HY−KERSシステムで駆動するフェラーリ史上初のモデルです。
 エンジンの研究開発の最高峰といえるICEは、6,262ccのV型12気筒エンジンで、出力800CV、最高回転数9,250rpmを達成しました。この数値は、同じ排気量のエンジンとしては最高の記録となります。圧縮比は、13.5:1と非常に高く、1リットル当たりの出力も128CVに達します。この高性能エンジンと120Kw(163CV)のエレクトリック・モーターの組み合わせによって、「ラ フェラーリ」の総合最高出力は963CVとなりました。

 エレクトリック・モーターにより、低速回転時に高いトルクが得られるため、「ラフェラーリ」のエンジン特性は、高速回転域で最適化されています。これにより、全回転域で一貫した高いパワーを得ることができ、900Nmを超える総合最大トルクを発揮します。

 ハイブリッド・システムは、マニエッティ・マレッリと共同で開発された、2基のモーターが採用されています。1基は駆動輪を、もう1基は補助システムをそれぞれ駆動させます。また、フロアに取り付けられたバッテリーパックは、今年のF1マシン「F138」のKERSの生産を担当している、スクーデリア・フェラーリで組み立てられたセルで構成されています。スクーデリアの専門的な技術力により、個々のコンポーネントの重量とサイズは大幅に削減されました。バッテリーは、この種の用途において最高レベルのエネルギー密度を維持しながら、重量はわずか60kgに抑えられています。

 制動時(ABSが作動する急制動時も含む)、またコーナリング時にV12が必要以上のトルクを発生させた場合、エネルギーはいくつかの方法でバッテリーに充電されます。
 特にコーナリング時に発生した余剰トルクは、駆動輪には伝達されず、エネルギーに転換されてバッテリーに蓄えられます。

 エレクトリック・モーターは、F1デュアルクラッチ・ギアボックスと統合されています。これは、重量配分を有利にするための施策です。トルクが必要な時には、瞬時に車輪にパワーを伝達し、充電の際には車輪の運動エネルギーを素早くモーターに伝達することで、エネルギーロスを少なくし、効率を高めています。


<エアロダイナミクス>
 理想的な車輌構造により、「ラ フェラーリ」は卓越した性能を発揮します。これには、アクティブ・エアロダイナミクスが大きく貢献しています。

 エンジニアたちは、CFD解析と合わせてF1のウィンド・トンネル実験における技術的なソリューションを最大限に活用して気流を細かく調整することで、CD値が3に迫る、フェラーリ・ロードカー史上最高となる空気力学的効率を実現することを目標に「ラ フェラーリ」を開発しました。

 「ラ フェラーリ」は、エアロダイナミクス効率を改善させるために、フロント(アンダーボディのディフューザーおよびガイドベーン)とリア(ディフューザーとリアスポイラー)にエアロダイナミック・デバイスを配置しています。これらのデバイスは、車輌の全般的なCD値に関して妥協することなく、必要な場合にダウンフォースを発生させます。また、これらのデバイスは、車輌のダイナミック・ビークル・コントロール機能により制御される、いくつかのパフォーマンス・パラメーターに基づいて自動的に作動し、走行条件に応じた理想的な構成を設定します。


<コントロール・システム>
 「ラ フェラーリ」のもうひとつの革新的な側面は、搭載されている他のダイナミック・コントロール・システムと統合されたアクティブ・エアロダイナミクスとハイブリッド・システムです。これにより、ドライバーのあらゆる要求に応える、かつてないほどのパフォーマンスと、比類なきドライビングエモーションのシームレスな融合を実現しました。

 フェラーリのアルゴリズムによって最適に統合されたエレクトリカル・モーターとV12エンジンにより、素早いレスポンスを提供します。たとえば、コーナリング時には、HY−KERSがV12エンジンの高回転域を維持し、コーナー脱出時の加速を的確に実施します。

 「ラ フェラーリ」のブレンボ製ブレーキ・システムもまた、ハイブリッド・システムに統合されており、冷却性能を向上させるため、特別に設計された新型の軽量キャリパー、新構造のカーボンセラミック製(CCM)ディスクのほか、新しい機能も搭載しています。

 車輌の究極のパフォーマンス性能に合わせて、タイヤはピレリP−Zeroを選択しています。サイズは、フロントが265/30R 19、リアが345/30R 20と、前後で異なるセットアップが図られています。

 あらゆる環境にあっても、最高のドライビング・スリルを提供しつつ、0−100km加速タイム3秒未満、0−200km加速タイム7秒未満、フィオラーノ・サーキットでのラップタイムは「エンツォ・フェラーリ」より5秒速く、また「F12ベルリネッタ」より3秒以上速い1分20秒以下というトップ・レベルのパフォーマンスを発揮する「ラ フェラーリ」は、フェラーリ史上最速のロードカーです。


<スタイリング>
 「ラ フェラーリ」のデザインにあたって、フラヴィオ・マンゾーニ氏が率いるフェラーリのデザインチームは、開発段階からエンジニアと密に協力し、機能とフォルムの一貫性を厳しく追求しました。ブランドが誇る伝統を継承しつつ実現した、究極の革新的なデザインが創り出されました。特に、サイドフォルムを特徴づけるボディの鋭く下向きに傾斜するノーズ、力強いホイールアーチ・デザインを強調する非常に低いボンネットなどは、かつて1960年代フェラーリのスポーツ・プロトタイプに見られた堂々たる華麗なフォルムを強く想起させるものとなりました。

 「ラ フェラーリ」のボディには、F1マシンの影響を強く受けた空気力学と、妥協を許さないスポーティなテール・セクションの彫刻的な処理が施されています。

 車内には、新たに設計されたステアリング・ホイールが、主要な操作を実施可能にしています。ギア・シフトパドルは、既存のものに比べより長く、より人間工学的な改善がなされています。F1ギアボックス機能をクラスター状に配置しているシグネチャー・ブリッジは、流線形のウィングを吊り掛けたような形状となっています。実に、インテリアの全てがレーシング・モデルにインスパイアされた引き算による魅力で構成されています。


<フェラーリ現行レンジ>
 フェラーリのブースでは、新型限定モデルのほかにも、フェラーリ史上最もバラエティ豊かで高い評価を得ているモデルがフルラインナップで展示されています。5つの車種は全て、そのパフォーマンス、ドライビング・プレジャー、そしてテクノロジーにおいて、フェラーリDNAを受け継ぎながら、社の哲学である「嗜好の異なるフェラリスタのために、異なるフェラーリを提供する」というコンセプトを具現化したユニークなモデルです。

 ジュネーブでは、フェラーリ史上初の4シーター、4WDの「FF」がフェラーリの12気筒GTスポーツカーの優れた性能を披露します。グリジオ・イングリッドのボディカラー、エレガントなグラスルーフ、さらにイロコのインテリア仕様のモデルが展示されています。「FF」は、いまやアップルの技術ともシームレスに連動し、SIRIの音声認識コマンドと連動したiPad mini 2つ分のインフォテイメント・システムによって、後部座席の乗客に多彩なエンターテイメントシステムを提供します。

 数々の受賞を誇る「F12ベルリネッタ」は、ミッド・フロントエリアに搭載されたV12エンジンによる卓越したパフォーマンスと、低速度域においても体験可能な圧倒的なドライビング・プレジャーをお約束します。ユニークなハンドリング特性や究極の空気力学、革新的かつクラシックなデザインがその象徴です。ジュネーブで展示されている車輌は、グリジオ・シルバーストン・カラーの外装にステッラ・ディ・カヴァッロのインテリアです。

 8気筒エンジン車輌の代表は、洗練されたネロ・ステラート・カラーにクレマのインテリアの「フェラーリ・カリフォルニア30」です。スポーツ性能と実用性を妥協する事なく兼ね備えたコンバーチブルGTの「カリフォルニア」は、すでにメディアや一般のお客様からご好評を頂いておりますが、V8エンジンの出力を30CV向上して490CVに、また車輌重量が30kg軽量化されたことにより、さらに人気を博しています。

 「458イタリア」もまた素晴らしいスポーツカーのサラブレッドです。「458イタリア」とその派生モデル、オープントップ・モデルの「458スパイダー」には、2011年、2012年のインターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤーにも輝いた同型のV8エンジンがミッド・リアエリアに搭載されています。このレイアウトは、この2つのモデルに受け継がれているフェラーリの輝ける伝統です。ジュネーブでご覧頂けるクーペは、アグレッシブなビアンコ・アヴュス・カラーとカーボンファイバー・トリムによるスリークブラックインテリアを装備しています。テ−ラー・メイドプログラムによって究極のカスタマイズが施されたスパイダーは、2011年にペブル・ビーチのオークションにおいて、1,600万ドルで落札された歴史的な1957年型「250 テスタロッサ」からインスピレーションを得た、赤と青のボディカラーを纏い、コンペティション・カーとしてのディテールが施されたキャビン、アルテックス・トリムとスエード仕上げのシートを装備しています。


<「ラ フェラーリ」 主要諸元>

 ※添付の関連資料を参照


フェラーリに関する最新情報はFerrari.com(日本語版)よりご覧いただけます。
http://www.ferrari.com/japanese



※製品画像は添付の関連資料を参照


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