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IDC Japan、国内通信事業者のクラウドサービス市場における機会と課題の分析結果を発表
国内通信事業者の
クラウドサービス市場における機会と課題の分析結果を発表
●国内通信事業者のクラウドサービスは、既存のホスティング事業やネットワーク、データセンターを武器にクラウドインフラストラクチャ領域(IaaS)に注力
●クラウドアプリケーション領域(SaaS)は、パートナーのアプリケーションによってラインナップを強化
●SaaSではインバウンド経由顧客接点で経費抑制と満足度の両立させる仕組みづくり、IaaSではコスト競争力強化や研究開発力を武器とした通信事業者ならではの差別化が課題
IT専門調査会社 IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03−3556−4760)は、クラウドサービス市場における国内通信事業者の市場機会や課題についての分析を発表しました。
2009年初頭から、国内通信事業者は相次いで新サービスを発表しており、自社の看板となるクラウドサービスを取り揃え、ラインナップや機能の拡充、協業体制の強化に取り組んでいます。国内通信事業者が提供するクラウドサービスでは、クラウドインフラストラクチャ領域(IaaS:Infrastructure as a Service)へ注力している事業者が多いことが特徴的です。背景としては、もともとホスティングサービスを提供しており、サーバーの構築/運用のノウハウがあること、ネットワークを自前で保有していることからクラウドサービスにバンドルしやすいこと、VPN(Virtual Private Network)経由でよりセキュアなクラウド環境を利用できること、データセンターを各地に保有しており、ネットワークと組み合わせることで、より冗長性の高いクラウド環境を構築できることなどが挙げられます。一方、クラウドアプリケーション領域(SaaS:Software as a Service)については、コラボレーティブアプリケーションを除けば、パートナーのアプリケーションのラインナップを強化しています。
クラウドサービス市場拡大に伴って、国内通信事業者にとっては新たな市場機会が見込まれる一方で、課題も存在しています。アプリケーション領域では、Webなどオンライン経由のインバウンドユーザーから見た場合、自社のビジネスへの適合性を判断する材料が十分ではないとIDCではみています。また、インフラストラクチャ領域では、参入事業者の急増によって急激に価格が下落しており、激しい価格競争に耐え抜くコスト競争力を求められています。言い換えると、単純な価格競争を回避するために、信頼性や付加価値の高いサービスの訴求によって明確な差別化を実現できなければ、生き残りが難しい市場になるとIDCではみています。
IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの川上 晶子は「ベンダー間の競合状況が激しさを増す国内クラウドサービス市場において、国内通信事業者は、Webなどインバウンド経由の顧客接点に関わるコストを削減しながらも顧客満足度の高い仕組みを強化する必要がある。また、主戦場となるクラウドインフラストラクチャ領域では、ファシリティとクラウドサービス運用におけるコスト競争力の強化、研究開発力を武器として通信事業者ならではの差別化を図ることが急務である」と述べています。
今回の発表はIDCが発行したレポート「2010年 国内通信事業者のクラウドサービス市場 通信事業者の市場機会と課題」(J10010107)にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内通信事業者が提供するクラウドサービスについて、ビジネス動向、市場機会や課題について分析しています。
【レポートの詳細についてはIDC Japanへお問合せ下さい】
<IDC社 概要>
International Data Corporation(IDC)は、ITおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供するグローバル企業です。46年にわたり、IDCは、世界中の企業経営者、IT専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で不可欠な、客観的な情報やコンサルティングを提供してきました。
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