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新日鉄住金マテリアルズ、二次電池用外装材用の樹脂フイルムラミネートステンレス箔を量産
バッテリーの安全性と機能向上に貢献する鉄系素材の提供
〜二次電池外装材用樹脂フイルムラミネートステンレス箔（商品名：ラミネライト(R)）の本格量産
ならびに、集電体用高強度極薄圧延ステンレス箔の商品化〜
新日鉄住金グループの新素材事業を担う新日鉄住金マテリアルズ（株）（社長：山田健司）は、リチウムイオン二次電池（LIB）（＊１）、電気二重層キャパシタ（EDLC）（＊２）などの二次電池用外装材として、樹脂フイルムラミネートステンレス箔（商品名：ラミネライト(R)）の本格量産を開始いたしました。また、集電体（＊３）用途として高強度極薄圧延ステンレス箔を新たに商品化いたしました。
１．電池外装用樹脂ラミネートステンレス箔（ラミネライト(R)）
当社では、従来より、ステンレス箔の応用商品として、非金属機能膜付ステンレス箔の開発・商品化を進めて参りました。この度、二次電池外装用樹脂ラミネートステンレス箔『ラミネライト(R)』の本格量産を開始致しました。ラミネライト(R)は、高精度箔製造技術により製造したステンレス箔をベース部材として使用し、樹脂フィルムラミネートを施したもので、従来のアルミ箔をベースにしたものに比べ、強度や剛性が高く、化学的にも非常に安定しています。そのため、突き刺しや疵付きに対して強く、二次電池の安全性や信頼性を大幅に向上することができます。また、内圧変化による電池の膨れを、従来のアルミ箔の３分の１程度に抑えることができるため、二次電池の長寿命化・小型化にも貢献することができます。また、その高い電気化学的安定性から、電解液中のリチウムと反応して変質することがないため、バリア性（＊４）に優れた安全性の高い二次電池を実現することができます。
さらに、電気絶縁性やプレス成形性、電解液や有機溶媒に対する耐性など、二次電池の外装材に一般的に要求される特性を十分に兼ね備えています。
商品ラインナップとしては、新たに開発されたステンレス箔１５μm（０．０１５mm）、総厚み５１μm（０．０５１mm）の極薄版から、より高強度・高剛性な総厚み２１２μm（０．２１２mm）まで幅広く取り揃えており、超小型・薄型品から中大型品までの様々な二次電池にご使用いただくことができます。
２．集電体用極薄ステンレス箔
電気自動車やノートブックPC、スマートフォンなど消費電力の大きい機器の普及により、よりエネルギー密度が高く、小型軽量であるLIBが求められており、活物質は従来の炭素から高容量の材料に置き換わる可能性が高くなっています。しかし、この高容量の活物質は、充放電に伴う体積変化が大きく、電池内部の集電体にも大きな応力を生じさせるため、従来の強度の低い銅箔やアルミ箔では、電池寿命が短くなってしまうという問題が生じています。そこで、当社では、高容量の活物質にも対応可能な優れた機械的特性を有する、厚み１０μm（０．０１mm）の集電体用高強度極薄圧延ステンレス箔を商品化いたしました。
高強度ステンレス箔は、従来の銅箔やアルミ箔に比べ、幅広い電圧範囲で安定的であるため正極・負極両方に適用可能である上に、過放電に強い二次電池を実現することもできます。さらに、従来の材料に比べると、耐熱性にも非常に優れています。そのため、高強度ステンレス箔の集電体への適用は、二次電池の安全性や信頼性の大幅な向上、および電池の高容量化、長寿命化に大きく貢献することができます。
なお、上記製品は、無機有機ハイブリッド絶縁膜付ステンレス箔（各種電子機器用フレキシブル基板）、アルミめっき鋼箔（反射基板、フレキシブル基板用）、耐熱樹脂コート金属箔（新規開発品、フレキシブル基板用）とともに、２月２７日（水）〜３月１日（金）まで東京ビッグサイトで行われる第４回国際二次電池展〜バッテリージャパン〜に出展する予定です。
＜語句解説＞
＊１：二次電池
蓄電池、充電式電池ともいい、充電を行うことにより繰り返し使用することが出来る電池
＊１：リチウムイオン電池（LIB）lithium−ion rechargeable battery
非水電解質二次電池の一種で、電解質中のリチウムイオンが電気伝導を担う二次電池
＊２：電気二重層キャパシタ（EDLC）Electric double−layer capacitor
電気二重層という物理現象を利用することで蓄電効率が著しく高められたコンデンサ（キャ
パシタ）
＊３：集電体
直流電力を生み出す電池における電流の取出口の電極（正極・負極）
＊４：バリア性
電池容器の外側にある水蒸気等の環境から、電池容器内側の電解液等を防壁する性能
※製品画像は添付の関連資料を参照
