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大日本印刷など、複製困難な人工DNAを含有した偽造防止向け印刷用インキを開発

2013-02-15

複製困難な人工DNAを含有した偽造防止向け印刷用インキを開発
セキュリティー製品に対する高度な真贋判定を実現


 独立行政法人理化学研究所ベンチャー企業であるタグシクス・バイオ株式会社(本社:神奈川 社長:平尾一郎 資本金:1.6億円)と大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、模倣が極めて困難な人工DNAデオキシリボ核酸)を含有した偽造防止効果の高い印刷用インキを開発しました。この人工DNA含有インキは、第三者による模倣がほぼ不可能であり、高度な真贋判定を実現するため、紙幣や金券など、強固なセキュリティーが求められる高付加価値印刷物の偽造防止を図ることができます。


【開発の背景】
 DNAは、二重らせん上のA(アデニン)、G(グアニン)、C(シトシン)、T(チミン)という4種の塩基配列により遺伝子情報を伝達するといわれています。そのDNAの仕組みを利用して、塩基配列を任意に設計することにより、正規品の認証や偽造防止などの真贋判定に利用するケースが増えています。ただし、同一の塩基配列をもつDNAは存在しないことから、高度な偽造防止技術として注目されていますが、特殊な分析装置や解析技術があれば複製が可能なため、より高度な偽造防止技術が求められていました。

 この課題を解決するためタグシクス・バイオとDNPは、DNAの特長を活かすとともに、さらに模倣が極めて困難な人工DNAを利用することで偽造防止効果を格段に向上させたDNAインキを開発しました。


【人工DNA含有インキの概要】
 今回開発したDNAインキは、タグシクス・バイオが開発した人工DNAを利用しています。この人工DNAは、基本となる4種の塩基に加えて、人工的に作り出した塩基対を組み込んでいます。人工DNAの分析には独自の特殊なノウハウを必要とするため、第三者による模倣は極めて困難です。また、人が触れたりなど外部からDNAが混入した場合でも、人工DNAには人工の塩基が組み込まれているため混入DNAとは区別ができ、誤認などを防ぎ解析精度が高いことが特長です。

 DNAのような生体分子は、光や温度、湿度などの環境条件によっては、その保存性が低下するという問題がありました。今回DNPは、光に強い塩基配列の人工DNAを使用するとともに、印刷物表面に人工DNAが露出しないよう表面を保護インキでコーティングすることにより環境条件による悪影響を受けづらくなり、DNAの保存性を改善しました。同時に、独自の技術によって、インキ内のDNAの検出を可能にしました。


【人工DNA含有インキの真贋判定について】
 人工DNA含有インキの真贋判定は次の2とおりから選べます。

 [1]簡易認証

  インキ内のDNAの有無を確認します。確認に要する時間は、最短で半日程度です。

 [2]最終認証

  インキ内のDNA塩基配列を解析し、真贋を判定します。解析に要する期間は、最短で1日半程度です。


【価格(税抜き)】
 金券などの制作費は、50万枚を作る場合で、1枚あたり、DNAインキを使用しない場合の費用に対して10〜20%程度の増加で抑えられます。


【今後の取り組み】
 タグシクス・バイオとDNPは、国内外の紙幣やパスポート、有価証券や公的文書などのセキュリティー製品向けに販売を行い、1年間で約3億円の売上を目指します。


 ※参考画像は添付の関連資料を参照

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