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三菱電機、高硬度なSiC素材を同時に40枚加工可能なワイヤ放電加工技術を開発

2013-02-09

SiCスライス加工の生産性向上
SiC用のマルチワイヤ放電スライス技術を開発


 三菱電機株式会社は、パワー半導体向けウエハー対応として、硬度が高い多結晶SiC(炭化ケイ素)のインゴット(4インチ角サイズ)を40枚同時にスライス加工できるワイヤ放電加工技術を開発しました。本開発により、SiCスライス加工の生産性向上とSiC素材の有効活用が期待されます。

 *「加工サンプル」など画像は添付の関連資料「参考画像」を参照

<開発の特長>
 1.4インチ角の高硬度なSiC素材を同時に40枚加工可能な放電スライス装置を開発
  ・φ0.1mmの細線ワイヤ電極線を0.6mm間隔で周回させ、同時に40カ所でスライス加工することにより、生産性を向上
  ・熱による非接触加工のため、接触式加工に比べ、高速かつ狭い切り代でのスライスが可能(※1)
  ・同じインゴットからより多くのウエハーがとれるため、高価なSiC素材を有効活用

  ※1 加工速度80μm/min加工条件において、切断代220μm以下を達成

 2.SiCスライス加工用の専用電源を開発
  ・ワイヤ電極への40カ所の給電部を電気的に独立させ、同時に均一なエネルギーで加工可能
  ・SiCの素材特性にあわせた高周波電源の開発により、φ0.1mmの細いワイヤ電極線でも断線することなく連続加工が可能


<今後の展開>
 高硬度なSiC素材をウエハーにスライスするマルチワイヤ放電スライス加工装置は、2015年度の製品化を目指します。


特許
 国内22件、海外10件


<開発の背景>
 パワー半導体では、省エネルギーやCO2排出削減の観点から、Si(ケイ素)に比べて低損失で省エネルギー効果が高いSiCの活用が期待されています。
 SiCは地球上で3番目に硬い化合物であるため、ウエハーとしてスライス状に切り出すためには、主に砥粒を用いた接触式の研削加工が用いられていますが、加工時間や切り代幅に課題がありました。
 当社は、このたび、難切削材への加工に実績のある放電加工の原理を活用した多並列ワイヤ放電加工装置とSiC加工向けの専用電源を開発しました。素材を放電による熱で非接触に加工することで、生産性向上に必要な高速化と切り代幅の低減を両立し、SiCスライス加工の生産性向上に貢献します。


<開発担当研究所>
 三菱電機株式会社 先端技術総合研究所
 〒661−8661 兵庫県尼崎市塚口本町八丁目1番1号
 http://www.MitsubishiElectric.co.jp/corporate/randd/inquiry/index_at.html


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総合研究所 三菱電機 兵庫県 尼崎市 生産性 半導体 特許 塚口 SIC SiC

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