不動産経済研究所、２０１２年の首都圏のマンション市場動向を発表

《首都圏マンション市場動向》

−２０１２年のまとめ−



◎年間供給は２．５％増の４万５，６０２戸、年後半失速し前年並みの供給に。
◎平均価格は０．８％下落の４，５４０万円。契約率７６．３％、在庫は５，３４７戸。


（１）２０１２年１〜１２月に首都圏で供給された民間分譲マンションは４万５，６０２戸であった。
　　　前年（２０１１年＝４万４，４９９戸）に比べて１，１０３戸（２．５％）の増加。過去最多は２０００年の９万５，６３５戸。
（２）東京都区部０．１％減、都下１４．１％増、神奈川県２．０％減、埼玉県０．８％減、千葉県２２．９％増。
（３）１戸当たりの平均価格は４，５４０万円で前年比０．８％のダウン。２年連続の下落。
　　　東京都区部５，２８３万円、都下４，３１８万円、神奈川県４，１６７万円、埼玉県３，６８７万円、千葉県３，５６３万円。
（４）億ションは７７８戸。前年（６２３戸）比１５５戸（２４．９％）の増加。過去最多＝１９９０年３，０７９戸。
　　　最高額は１０億円（「パークコート赤坂　ザ　タワー」、港区、４３階建て、全５２１戸、専有面積２１８．００m2、m2単価４５８．７万円）。
（５）初月契約率は月間平均が７６．３％、前年（７７．８％）比１．５ポイントのダウン。
累積契約率は９０．０％、前年（８９．４％）比０．６ポイントのアップ。
（６）１２月末の販売在数は５，３４７戸、前年末（６，１６６戸）比８１９戸の減少。
（７）２０１３年の供給は５．０万戸程度の予測である。対２０１２年比９．６％の増加見込み。


＜２０１２年の概要＞
　１．首都圏における２０１２年年間（１〜１２月）の新規供給戸数は４万５，６０２戸である。対前年（４万４，４９９戸）比２．５％（１，１０３戸）の増加である。

　２．首都圏の都県別供給戸数は東京都区部１万９，３９８戸（シェア４２．５％）、東京都下４，８６３戸（１０．７％）、神奈川県１万１，２６２戸（２４．７％）、埼玉県５，８２８戸（１２．８％）、千葉県４，２５１戸（９．３％）である。東京都区部０．１％減、都下１４．１％増、神奈川県２．０％減、埼玉県０．８％減、千葉県２２．９％増。
　　　都区部と神奈川県、埼玉県が減少、都下と千葉県は増加となった。千葉県は年明けからの着工戸数の急回復（年間で２　倍強）で供給も大幅増に。

　３．２０１２年の分譲価格は首都圏平均で４，５４０万円である。２０１１年の平均価格４，５７８万円に比べて３８万円・０．８％のダウンであった。２年連続の下落。
　　　東京都区部５，２８３万円（２０１１年５，３３９万円）、都下４，３１８万円（同４，１５２万円）、神奈川県４，１６７万円（同４，１５９万円）、埼玉県３，６８７万円（同３，６７９万円）、千葉県３，５６３万円（同３，７５１万円）。都区部と千葉県で値下がりを見せ、千葉県が率・幅ともに下落が最も大きかった。
　　　変動率は都区部１．０％ダウン、都下４．０％アップ、神奈川県０．２％アップ、埼玉県０．２％アップ、千葉県５．０％ダウン。

　４．m2単価は首都圏平均６４．４万円で２年連続の下落。都区部８０．１万円、都下５８．０万円、神奈川県５７．６万円、埼玉県５０．３万円、千葉県４６．０万円。
　　　平均価格と同様に都区部と千葉県が下落、その他のエリアは上昇しており、上昇率が最も大きかったのは都下であった。
　　　変動率は都区部１．２％ダウン、都下４．７％アップ、神奈川県１．１％アップ、埼玉県０．８％アップ、千葉県５．５％ダウン。

　５．売れ行きは、２０１２年の初月契約率の平均が７６．３％であり、２０１１年の７７．８％を１．５ポイント下回っている。上期７７．６％、下期７５．２％。
　　　初月契約率の平均の推移＝’１０年７８．４％、’０９年６９．７％、’０８年６２．７％、’０７年６９．７％、’０６年７８．３％、’０５年８２．５％、’０４年７９．０％、’０３年７８．１％。
　　　累積契約率は９０．０％で２０１１年の８９．４％比べて０．６ポイントの上昇であった。

　６．販売在庫数は１２月末現在で５，３４７戸。２０１１年末の６，１６６戸に比べて８１９戸の減少である。２年ぶりの減少。
　　　’１０年末５，６００戸、’０９年末７，３８９戸、’０８年末１万２，４２７戸、’０７年末１万７６３戸、’０６年末８，１７３戸、’０５年末５，９８７戸、’０４年末７，９００戸。

　７．２０１２年年間の即日完売戸数は４，９６９戸（全体の１０．９％）、フラット３５　登録物件は４万１，１４９戸（同９０．２％）である。
　　　’１１年年間の即日完売戸数は４，８７２戸（全体の１０．９％）、フラット３５　登録物件は４万１，３３９戸（同９２．９％）であった。

　８．２０１３年の供給見込みは５．０万戸。’１２年に比べて９．６％増加する見込みである。



※以下の資料は添付の関連資料を参照
　・地区別供給戸数
　・販売残戸数
　・地区別価格動向
　・月別供給戸数・契約戸数・契約率
　・価格帯別供給戸数