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帝人、高耐熱性バイオプラスチック「バイオフロント」がヤブシタのメガネに採用
世界的なブランドが高耐熱性バイオプラスチック使用のメガネを展開
「キャサリン・ハムネット」のメガネに「バイオフロント(R)」採用
帝人株式会社(本社:大阪市中央区、社長:大八木 成男)が開発した植物由来の高耐熱性バイオプラスチック「バイオフロント」(*)が、このたび、メガネ業界の大手商社である株式会社ヤブシタ(本社:東京都文京区、社長:藪下守)が展開する『KATHARINE E HAMNETT』ブランドのメガネに採用されました。
全てのプラスチックパーツ(レンズ・金属パーツを除く)にバイオプラスチックが採用されたメガネの販売は世界で初めてのことです。
※製品画像は、添付の関連資料を参照
1.背景
(1)メガネ用プラスチックパーツ素材は、加工性や着色性に優れたアセテートが一般的ですが、化粧品・整髪料などによる白化現象、耐熱性不足による変形、肌のかぶれの原因になるなど、品質面でさまざまな課題を抱えていました。
(2)一方、代表的なバイオプラスチックであるポリ乳酸は、弱酸性で抗菌性が高く、肌に優しい素材とされており、これまでメガネの鼻パッド用素材としては使用されていましたが、フレームやテンプルなどの他パーツについては、要求される耐熱特性を満たすことができず、採用には至っていませんでした。
(3)こうした中、昨年、帝人(株)および帝人化成(株)は、国内のメガネ用プラスチックパーツの生産販売で約60%のシェアを有するタナカフォーサイト株式会社と共同で、高耐熱性バイオプラスチック「バイオフロント」製のメガネの開発に成功しました。
(4)これにより、メガネ用プラスチックパーツに求められる素材特性を満たすことが可能となり、「バイオフロント」を使用したメガネパーツの採用を模索していました。
2.「バイオフロント」採用の経緯
(1)ロンドンを拠点にグローバルに活躍するファッションデザイナーであるキャサリン・ハムネットは、かねてより積極的に環境保全、戦争と平和、人権問題などの問題に取り組み、ファッションを通じて数々のメッセージを発信してきました。
(2)2004年にその集大成として、倫理的・環境的に良いと証明された高品質な原料や生産工程を普及させるため、“KATHARINE E HAMNETT”ブランドを立ち上げ、これまでシューズや衣料品などを展開してきました。
(3)このたび展開するメガネフレームは、それらに続くものであり、そこに「バイオフロント」が採用されたのは、環境対応型のバイオプラスチックでありながら、メガネ用のプラスチックパーツに求められる素材特性を満たしていることが評価されたことによるものです。
(4)(株)ヤブシタは、全国のメガネ専門店、キャサリンハムネットショップなどで、本年12月上旬より「バイオフロント」製メガネの販売を開始する予定で、年間5,000万円の売上を目標としています。
3.その他
(株)ヤブシタは、本年10月18日(月)〜20日(水)に東京ビッグサイトで開催されるアジア最大級の国際メガネ展「IOFT2010」に出展することにしており、その展示ブース内で、このたびの「バイオフロント」製メガネが展示される予定です。
*「バイオフロント」
帝人が開発した高耐熱性バイオプラスチック。従来のバイオプラスチックをはるかに上回る耐熱性(融点210℃以上)や高い成形性(半結晶化時間を1/4〜1/5に短縮)を有し、耐加水分解性も兼ね備えるため、プラスチック成形材料や衣類、インテリアなど幅広い用途で採用が進んでいる。