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IHIインフラシステム、コンクリート非破壊劣化診断システムを販売開始

2013-01-09

コンクリート非破壊劣化診断システム「コンクリートビュー」を開発・販売開始
〜コンクリート表面をなぞることで塩分濃度を測定可能に〜


 IHIの関係会社である株式会社IHIインフラシステム(住所:大阪府堺市、社長:麻野 純生、以下IIS)は、コンクリート非破壊劣化診断システム「コンクリートビュー」を開発し、販売を開始しました。本システムは、コンクリート表面にある塩化物イオンを、非破壊でマッピングすることを可能とする検査方法です。

 従来のコンクリートの塩害の診断方法は、(1)目視、(2)非破壊検査、(3)コア抜きによる調査の順に精度が高くなりますが、目視以外の測定範囲は限定的でした。コア抜きは、構造物より直径10cm程度のコアをサンプリングするため、測定範囲が局所的になるだけでなく、補修が必要であり、また分析に時間を要するなどの短所がありました。本システムは、果実の糖度を分類するのに使われている分光分析を応用したもので、機器内部に内蔵したハロゲンランプから、近赤外光線を、コンクリート表面に照射し、はね返った光を同じく内蔵している光ファイバーで集光して、光の波形を解析することで、表面の塩化物イオン濃度を簡易的に測定できることが特徴です。また、エンコーダーが内蔵されているため、測定に伴う走査距離が出力されるため、具体的な位置情報とともに迅速、かつ広範囲に診断することが可能です(写真1)。

 本装置は、橋梁や高架橋の橋脚、橋桁、床版等各種コンクリート構造物(特に海岸沿いや、寒冷地での凍結防止剤を使用する場所)のコンクリートの劣化診断に適しています。解析方法は、ケモメトリックス(計量化学)を用いて検量線をもとに行います。測定データは、エクセルなどで編集することが可能であるため、定期点検などに用いることも可能です。また、面的に表示される検査結果をもとに、コンクリートのサンプリング位置を同定するスクリーニングの方法としても適用できます。「プローブヘッド」と呼ばれる測定器を変えることで、スポット的な測定や目視が困難な狭隙部においても、非破壊で測定することができます(写真2)。そのため、補修範囲を限定したり、補修工法を選定するための判断基準に使用することが可能です。

 コンクリート内部の塩化物イオン濃度を推定する場合は、かぶり(※1)の設計などに用いられている拡散式を用い、セメント種類、供用年数などを入力することで求めることができます。1日で200m2程度は測定可能であり、結果は数日で求めることができます。
本装置は、既に20橋以上の実績があり、本システムは、2012年11月にNETIS(新技術登録システム)にも登録されました。本体の販売希望価格は450万円です。

(※1)かぶり:鉄筋からコンクリート表面までの最短距離のこと。かぶりは、鉄筋を腐食から守る役割を果たしている。かぶりが不足すると、鉄筋が腐食しはじめ、鉄筋コンクリートの強度を著しく低下させる。


 *写真1・写真2は添付の関連資料を参照


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