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清水建設、既存クリーンルームの吊り天井を天井裏から耐震補強する工法を開発

2013-01-08

既存クリーンルームの吊り天井を天井裏から耐震補強
〜「シミズCRブレース」で生産ラインを稼働させながら補強作業〜



 清水建設(株)<社長 宮本洋一>はこのほど、既存のクリーンルーム向けに、生産ラインを稼働させながら吊り天井を耐震補強する工法「シミズCRブレース」を開発・実用化しました。この工法の特長は、天井裏での作業だけで耐震補強でき、生産ラインの稼働を維持できること、新築の場合は従来工法と同等のコストで高い耐震性を確保できることです。

 東日本大震災では、吊り天井の崩落により生産ラインの休止が余儀なくされた生産施設が多く報告されています。南海トラフ大地震等の大地震の発生が懸念されている中、吊り天井の耐震補強が生産施設のBCP上の大きな課題になっているものの、生産活動が優先され補強工事が遅れがちです。特にクリーンルームについは、室内で補強工事を行うと粉塵が発生しその処理に長時間を要することがネックになっています。シミズCRブレースは、こうした実情を踏まえて開発したものです。

 吊り天井が崩落する大きな要因は、大地震時にブレースが機能しなくなることです。理由は、天井の揺れにより、ブレース材の変形ならびに、ブレース材の両端を上階躯体あるいは天井に接合する金物の破損や変形が生じるためです。そこでシミズCRブレースでは、引っ張り力と圧縮力に耐える変形しづらい鋼製ブレース材および、ブレース材の両端を上階躯体と天井に強固に固定する新開発の接合金物を採用し、崩落要因を排除しています。技術研究所で実施した振動実験では、シミズCRブレースを40m2に1か所の割合で設置することにより、大地震に遭遇しても天井の崩落を防止できることを確認しています。

 シミズCRブレースを構成する個々の部品は従来タイプのブレースよりも割高になりますが、ブレースの設置数が従来の半数程度で済むことから、耐震補強工費を30%以上、工期を50%以上削減できる見込みです。また、施工面では、天井裏で行うブレースの交換作業だけで一連の作業が終了するため、室内作業が発生することはなく、生産ラインの稼働を維持できます。一方、新築工事に採用した場合は、工費は従来の吊り天井と同等になりますが、高い耐震性を確保できることに加え、施工期間を10〜20%程度削減できる見込みです。

 クリーンルームは、半導体やフラット・パネル・ディスプレー(FPD)などの生産施設の核となっているだけでなく、食品や医薬品などの生産環境においてもニーズが高く、手術、集中治療などの医療関係や動物実験施設、さらには冷蔵倉庫などにも広く採用されています。このため当社は、優れた耐震性や施工性を備えたシミズCRブレースを武器に、クリーンルーム耐震改修工事ならびに新築工事の受注拡大に取り組みます。


以上


≪参考≫

 ※添付の関連資料を参照

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