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パテント・リザルト、3次元造形技術の特許総合力ランキングを発表
3次元造形技術、特許総合力トップ3は
米・3D Systems、独・EOS、パナソニック電工
株式会社パテント・リザルトはこのほど、日本に出願された3次元造形関連技術について、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて参入企業に関する調査結果をまとめました。
3次元造形技術はラピッドプロトタイピングとも呼ばれ、光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いた、文字通り「迅速に試作」することを目的とした技術です。近年では小型のラピッドプロトタイピングである3Dプリンターの価格が急速に下がっていることもあり、ニュース等に取り上げられる機会も増えてきました。本調査では3次元造形技術関連の特許を集計し、各個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。
その結果、「総合力ランキング」では、1位 米・3D Systems、2位 独・EOS、3位 パナソニック電工(※1)となりました(表1、図1)。
【3次元造形技術 特許総合力トップ5】(表1)
◇表1は添付の関連資料を参照
(※1)パナソニック電工は現在パナソニックに吸収されていますが、本調査ではパナソニック電工名義(旧・松下電工含む)である公報はそのまま社名を変えずに集計しております。
上位2社が外国企業となりましたが、特に総合力1位の3D Systemsは、3Dプリンター関連企業の買収も積極的で、さらには特許侵害訴訟も起こすなど、非常にアグレッシブな企業です。しかしながら、日本への出願は減少傾向にあります。逆に総合力2位のEOSは近年になり出願を増やしています(図2)。
これらの外国企業は、日本の企業と比べ活動内容が把握しづらいという点があります。そこで、ここでは総合力1位の3D Systemsについて、同社が日本で権利化を進めるにあたり、特許審査の過程でどのような企業と競合しているのか、Biz Cruncherの引用情報分析を用いて探りました。
図3は3D Systems公報が拒絶理由通知を受けた際に、どのような企業の公報が多く引用されているかを集計したものです(上位のみを表示)。一番多いのがナブテスコで、ナブテスコの11件が引用され、3D Systemsの16件が拒絶理由通知を受けています。図2からナブテスコは2005年以降の出願が見られませんが、3D Systemsにとっては自社の特許化(権利化)活動において、ナブテスコの特許が一番の阻害要因となっており、特に樹脂に関する技術で競合しています。
一方、図4は3D Systemsの公報が引用され拒絶理由通知を受けている企業のランキングです。最も多いのはEOSで、3D Systemsの9件が引用され、EOSの12件が拒絶理由通知を受けています。このことから、3D Systemsは直近で出願件数を伸ばしているEOSの特許化活動を大きく阻害していることがうかがえます。
また図3、図4から、3D Systemsから見た先行、追随企業の双方にパナソニック電工、JSRが上位に入っており、パナソニック電工とは装置・製造プロセス、JSRとは樹脂に関する技術で互いに競合してます。
(簡易コンサルレポート≪コース2≫では、同社以外の状況もより詳細に掲載しています。また、Biz Cruncherを使うとここで取り上げた上記以外の企業の状況も詳細かつ容易に確認できます。)
本分析の詳細については、簡易コンサルレポートの「特定技術分野の競合分析:拡張現実/複合現実」に掲載しています。(《コース1》税込99,800円/《コース2》税込31万5000円)。特許分析ツール『Biz Cruncher』を使うと、ご自身でも詳細な分析が可能です。
【調査対象範囲】
出願日が1992年以降で、1993年から最新2012年10月末までに公開された特許公報が対象。公開、登録、公表、再公表のすべてが対象で、登録と、公開・公表・再公表が重複している場合は、登録を優先。企業等の集計単位は権利者ベースとする。
【価格】
≪コース1≫
「全体俯瞰 競合分析」:99,800円(税込) 納期:1週間
≪コース2≫
「全体俯瞰 競合分析」+「個別企業分析(主要5社)(*)」:31万5000円(税込) 納期:2週間
*「個別企業分析」の対象企業5社につきましてはご相談に応じます。
【レポート収録内容】
[コース1、2共通コンテンツ]
3次元造形技術の分野における
・出願件数の推移
・企業別 出願件数ランキング(権利者ベース)
・ステータス状況
・パテントスコア分布
・権利者スコアマップ
・パテントスコア上位10件の特許リスト
・権利者スコアマップ経時変化
・経過情報から見た主要企業比較
・引用情報から見た主要企業の注目企業・公報
・発明者分析
[コース2]
コース1に個別企業分析(主要5社)を追加。
【納品形態】
冊子1冊。CD−ROMにレポートのPDF、分析に使った特許公報リストCSVを収録。
特許分析ツール「Biz Cruncher:ゴールド」2週間ご無料でご利用いただけます(分析母集団を使ってご自身でも調査していただけます)。
レポートのサンプルは下記を参照。
http://www.patentresult.co.jp/img/c-reportB.pdf
*個別特許の経過情報付きリストをご希望の場合は、別途お見積もりいたします。
◇図1〜図4は添付の関連資料を参照