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三菱樹脂、水生生物が生育しやすい環境を整える土壌侵食防止ブロックマットを発売
水路を緑化し、メダカ、カエルなどの水生生物の生息環境を整え、自然との共生を促す
土壌侵食防止ブロックマット「ゴビマット(R) 水辺緑化型」を発売
三菱樹脂株式会社(本社:東京都千代田区 社長:姥貝 卓美)は、河川の護岸浸食を防ぐコンクリートブロックマット「ゴビマット(R)」シリーズにおいて、水田周辺などの小規模水路の水辺や水中を緑化することで、水生生物が生育しやすい環境を整える「ゴビマット(R) 水辺緑化型」を新たに開発し、12月21日に発売します。
日本では稲作の生産性向上のための農地整備の中で、水路が土からコンクリートに変化してきたことによって、昔は水田周辺に数多く生息していたメダカやカエル、ドジョウなどの水生生物が生息しにくい環境に変わってしまい、メダカやカエルの一部は環境省の絶滅危惧種に指定されるなど、社会問題となりつつあります。
今般発売する土壌侵食防止ブロックマット「ゴビマット(R) 水辺緑化型」は、約20cm角の多数のコンクリートブロックと耐久性に優れるポリプロピレン製不織布のフィルターシートを一体化したブロックマットです。ブロックマットの切欠き部に、水位変動への適応力が高い抽水植物(※1)のアシカキをランダムに植えることで、水田周辺などの小規模な水路の緑化を促し、水生生物の生育環境を整えます。水路に生い茂る葉や茎、根、ブロックの隙間は、魚やエビ類、水中昆虫の隠れ家や産卵場所となります。また、コンクリート製排水溝(U字溝)の場合は、土を掘り起し、排水溝の設置後に土で埋め立て固定をする必要がありますが、本製品の場合は、緩やかな水路に直接敷設し、水底と左右の側面(法面)の3面を杭で固定するのみで施工が完了するため、施工が簡易でかつ低コストで行えます。
なお、本製品を用いた水際と水中緑化における水生生物の生育状況の観察については、財団法人宮城県伊豆沼・内沼環境保全財団および「ナマズのがっこう」会員の伊豆沼・内沼ナマズ・ドジョウ研究会の協力を得て2008年から継続しており、本年6月には、水路に植生したアシカキの根元にメダカの産卵を確認しています。
当社は、本製品を自然環境との共生に取り組み農業やまちづくりを推進している地方自治体に対して、販売してまいります。今後も、お客様のニーズに基づく環境負荷の低減に貢献する資材の開発に取り組み、三菱ケミカルホールディングスグループが提唱するKAITEKI(※2)の実現を目指してまいります。
※1 水生植物のうち、水底に根を張り、茎の下部は水中にあるが、茎か葉の少なくとも一部が水上に突き出ているもの
※2 人にとっての心地よさに加え、社会にとっての快適、地球にとっての快適を併せ持ったもので、真の持続可能な状態
※下記資料は、添付の関連資料「参考画像」を参照
・施工イメージ
・緑化した水路
・切欠き部に植生したアシカキ
・水路に植生したアシカキの根元にメダカの産卵を確認(2012.6月)
【製品仕様】
標準サイズ:幅1600mm×長さ6000mm×厚み55mm
参考価格:7,000円/m2
施工方法:クレーン等重機による敷設