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凸版印刷、環境対応型ICカード「PETボトルリサイクルICカード」を開発
凸版印刷、リサイクルPETボトルを原料とした
環境対応型ICカード「PETボトルリサイクルICカード」を開発
凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下凸版印刷)は、このたび、リサイクルしたPETボトルを主原料とし、これまでのICカードと同等の耐久性と価格帯を実現した環境対応型ICカード「PETボトルリサイクルICカード」を開発しました。
今後、国際クレジットブランドの認定を取得し、2011年春からクレジットカードやキャッシュカード向けに販売を開始する予定です。
「PETボトルリサイクルICカード」は、日本国内で回収されるPETボトルを主原料に、クレジットカードやキャッシュカード向けに開発した環境対応型ICカードです。昨今、環境に配慮したエコロジー製品への関心が高まる中、従来のバイオマスプラスチック素材などをもとにしたエコロジー製品は、耐久性に課題のあるものが多く、キャッシュカードなど5〜10年という長期間にわたって使用されるものには適していませんでした。
今回凸版印刷は、株式会社エーペックスジャパンおよびワールド化成株式会社の協力の下、日本で回収されたPETボトルを主な原料とした材料の中から、カード化に最も適した材料を選定・配合しました。両社の材料技術と凸版印刷のカード化技術により、「PETボトルリサイクルICカード」は、カード類の中で最も耐久性の求められる金融系のICカードに必要なISO基準の耐久性を可能にし、既存のICカード(ポリ塩化ビニル)製と同等の強度を実現しています。また、ICカードへの加工に必要な接触ICチップの実装、表裏磁気テープ、ホログラム、サインパネル(カード裏面のユーザーのサインエリア)、UG印字(ユーザーのクレジット番号などを券面に印字する加工)などの加工適性にも対応しています。
※カード画像は、添付の関連資料を参照
【開発の背景】
・環境への意識が高まる中、さまざまな分野や業界でエコロジー製品が注目されており、キャッシュカードなどの製品でも環境対応が求められています。しかしこれまでエコロジー製品の主流であるバイオマスプラスチック素材の製品は、強度や加工適性などの問題で、高い耐久性を求められるキャッシュカードなどには適していませんでした。
・また、最も代表的なバイオマスプラスチック素材の材料であるポリ乳酸は、トウモロコシを原料にしています。しかし、トウモロコシは、国や地域によっては主食となるものであり、また家畜の飼料としても使われているため、樹脂材料としての利用についてはさまざまな議論があります。
・凸版印刷ではこれらを考慮し、ポリ乳酸の代わりに注目したのがリサイクル材料の利用です。一般的に、リサイクルの形態としては(1)材料の形を変えて再利用するマテリアルリサイクル (2)元のモノマー原料(※)まで分解して再利用するケミカルリサイクル (3)燃料として燃やしてしまうサーマルリサイクルの3種類があります。同じリサイクルでも、再利用するまでにかかるエネルギーや、使用時の二酸化炭素排出量に差があるため、環境負荷低減への効果にも差があり、この中で最も効率的であるのはマテリアルリサイクルであるといわれています。凸版印刷ではこのマテリアルリサイクルに貢献するための手法の検討を続けてきました。
・PETボトルは国内のリサイクル率が高く、2008年度の実績で77.9%(PETボトルリサイクル推進協議会公表値)に達しています。このため、凸版印刷では、カードの主な材料にPETボトル利用することが最も効率よく環境負荷低減に寄与できると考え、本カードを開発しました。
・本製品を開発したのは、キャッシュカードやクレジットカードという製品が、企業の「顔」という一面を持ち、環境活動への取り組みを表現しやすい商材であることもポイントでした。
【特長】
・今回、株式会社エーペックスジャパンおよびワールド化成株式会社の協力のもと、両社の材料技術と、凸版印刷のカード化技術を融合することにより、リサイクルPETボトルを主原料とし、ISO基準の耐久性を可能にし、既存のICカード商品(ポリ塩化ビニル製)と同等の強度を実現したカードを開発しました。
・ICカードへの加工に必要な接触ICチップの実装、表裏磁気テープ、ホログラム、サインパネル、UG印字などの加工適性にも対応しています。
・カードの材料はリサイクルしたPETボトルを主原料としており、その製造過程では粉砕、混練という操作を経ています。しかし化学的にモノマー原料までの分解は行わないため、本カードの素材はマテリアルリサイクルのカテゴリーに属しています。
【想定用途】
・クレジットカード会社向けのICクレジットカード、金融機関向けのICキャッシュカード
・流通企業向けのギフトカード、ポイントカード、会員証カード
・社員証、学生証 など
【今後の展開】
今後、量産工程での試作を製造し評価を行うとともに、国際クレジットブランドの認定を取得し、2011年春からの販売開始を予定しています。また、これまでにない高品質な環境対応型ICカードとして、国内販売にとどまらず、海外向けにも販売していく予定です。
※モノマー原料とは、重合物質(ポリマー)を生成する単位物質のこと。
※本カードは、2010年10月7日(木)・8日(金)の2日間、東京国際フォーラム(東京・有楽町)で開催される金融ITフェア「FIT2010」(金融国際情報技術展)トッパンブースで展示を行う予定です。
以上