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東京商工リサーチ、「東日本大震災」関連倒産(11月30日現在)の調査結果を発表

2012-12-06

[特別企画]

東日本大震災」関連倒産(11月速報値:11月30日現在)
〜震災関連倒産の累計が1,000件に達する
阪神・淡路大震災」の4.4倍にのぼる〜



 2012年11月の「東日本大震災」関連倒産(速報値)は38件となり、震災発生から1年9カ月目で累計1,000件(11月30日現在)に達した。
 1995年の「阪神・淡路大震災」では、発生から1年9カ月目の累計が件数226件、負債総額1,656億7,700万円だったのに対し、今回の東日本大震災は件数が同時期の4.4倍、負債総額が8.1倍となり、その影響の大きさを浮き彫りにした。このほか、事業停止や破産準備などの「実質破綻」が33件あり、震災関連の経営破綻(倒産+実質破綻)は累計1,033件(11月30日現在)となった。


<全国規模で発生した関連倒産>
 「東日本大震災」関連倒産1,000件の地区別では、関東が490件(構成比49.0%)で最も多かった。次いで、東北158件、中部80件、九州74件、北海道68件、近畿64件、北陸40件、中国14件、四国12件の順だった。


<「間接被害型」が9割を占める>
 被害型では、取引先・受注キャンセル、消費自粛などが影響した「間接型」が928件(構成比92.8%)に対し、施設・設備等の直接損壊や人的被害を受けた「直接型」が72件(構成比7.2%)にとどまった。「直接型」が少ないのは、未曾有の災害で休業や事業停止のまま、今後の方針が定まらない企業が相当数あることも影響しているとみられる。

 ※グラフ資料は、添付の関連資料を参照


<産業別では製造業が最多>
 産業別では、製造業が248件(構成比24.8%)で最も多かった。次に宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が238件、卸売業186件、建設業146件、小売業77件、運輸業40件と続く。
 さらに細かな業種別では、最多が総合工事業の62件だった。次に、宿泊業が59件、職別工事業49件、食料品製造業48件、機械器具卸売43件、飲食店43件、飲食料品卸売42件の順だった。
 「阪神・淡路大震災」では、発生から1年9カ月目までに産業別で最も多かったのは、卸売業の78件。次に製造業77件、建設業23件、サービス業他が18件の順だった。特に兵庫県内の地場産業であるケミカルシューズ(合成皮革を用いた靴)業者の多くが被災したことで、靴関連業の倒産が目立つなど業種にも特色がみられた。これに対し「東日本大震災」では、広範囲の業種に影響が飛び火している。


<都道府県別44都道府県で倒産発生>
 都道府県別では、最多は東京の286件。次いで、北海道68件、宮城52件、福岡46件、神奈川41件、大阪と千葉が各36件、福島35件、石川34件、岩手33件と続く。
 「阪神・淡路大震災」では、発生から1年9カ月目までに22都府県で関連倒産が発生した。このうち近畿が192件(構成比84.9%)で突出し、震源地の兵庫だけで145件(同64.1%)と全体の6割を占め、被災地中心に地域的に偏りがみられた。これに対して、「東日本大震災」では、44都道府県で関連倒産が発生した。地震や津波の被害が東北沿岸部および茨城、千葉などの太平洋側の広範囲に及んだことで、被害の甚大さも相まって影響が全国規模で拡大した。


<月次状況2012年11月は38件発生>
 11月の「東日本大震災」関連倒産(速報値)は38件となった。直接被害を受けた企業では、事業再開したものの経営が軌道に乗らなかったケースがみられた。11月の地区別では、関東23件、東北8件、中部3件、北陸2件、近畿と四国が各1件だった。このうち、東北は宮城3件、青森と秋田が各2件、岩手1件だった。
 11月の産業別では、製造業とサービス業他(宿泊業・飲食店などを含む)が各10件で最も多かった。次いで小売業6件、建設業5件、卸売業4件と続く。被害型では、「間接型」の36件(構成比94.7%)に対し「直接型」が2件(同5.2%)だった。


<11月の倒産事例>
 (株)ドリームゲートウェイ(TSR企業コード:142290688、宮城県)は、ネット上のショッピングモールに「わくわく本舗」の店名で出店。生活雑貨や家電製品等を取り扱っていたが、津波で事務所が流失する被害を受けた。さらにショッピングモール運営会社が震災後の約2週間、東北地区の店舗を閉鎖したことなどが響き、営業再開後も売上は低調に推移し、多額の赤字累積から破産を申請した。飲食店経営の(資)LocoDining(TSR企業コード:322458633、千葉県)は、液状化の被害に見舞われ水道が使用不能となり休業を余儀なくされた。事業再開後も来店客が戻らず、業績悪化から破産を申請した。
 友鶴技研(株)(TSR企業コード:340202408、山梨県)は、弱電部品や自動車部品用の金型設計製作と、電子部品などの金属プレスを請け負っていた。リーマン・ショック後は厳しい経営が続き、震災発生で東北地区からの受注を失ったことで先行きが見通し難となり破産を申請した。

 震災関連倒産は、今年中頃までは一旦収束の気配を見せていたが再び増勢してきた。これは震災後に事業停止していた企業が、ここにきて事業継続を模索しながらも断念するケースが増えていることも影響した。1995年の「阪神・淡路大震災」では、震災発生から1年を経過してからは月次件数が10件前後で推移し沈静化がみられた。これに対し「東日本大震災」は、2012年は月次平均が41件で推移し、当面は急激に減少する気配がない。
 このように関連倒産が高止まりで推移している背景には、業績回復ができず息切れする中小企業が多さが挙げられる。このため、今後も震災関連倒産は月間40件前後の推移が見込まれる。


※以下、リリース詳細は添付の関連資料を参照

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