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J.D.パワー、2012年日本ブロードバンド・インターネット・プロバイダー顧客満足度調査結果を発表
接続機器、接続回線の多様化が進む
2012年日本ブロードバンド・インターネット・プロバイダー顧客満足度調査
CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関である株式会社J.D.パワー アジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:アルバート ラパーズ、略称:J.D.パワー)は、2012年日本ブロードバンド・インターネット・プロバイダー顧客満足度調査の結果を発表した。
当調査は今年で9回目の実施となり、FTTH(光ファイバー)回線およびADSL回線を利用しているインターネット・ユーザーのインターネット・プロバイダーに対する顧客満足度を調べたものである。
全国の18〜64歳の一般男女を対象に、利用しているインターネット・プロバイダーに関して、2012年9月にインターネット調査を実施し、FTTHセグメント5,000人、ADSLセグメント3,000人から回答を得た。
顧客満足の測定にあたっては、それぞれのセグメントで4つのファクター(領域)を設定し、各ファクターの詳細評価項目に関するユーザーの評価をもとに総合満足度スコアを算出した(1,000ポイント満点)。各セグメントにおけるファクターと総合満足度に対する影響度(カッコ内)は以下の通りである。
<FTTH セグメント>
「接続品質」(41%)、「各種費用」(27%)、「提供サービス(注1)」(25%)、「ユーザー・サポート」(7%)
<ADSL セグメント>
「接続品質」(37%)、「各種費用」(31%)、「提供サービス」(25%)、「ユーザー・サポート」(7%)
注1:本調査における提供サービスとは、利用実績に応じたポイントサービスや各種情報提供、インターネット接続サービス(ADSL、FTTHなどの回線種や接続スピード等)以外のプロバイダーが提供する(Webメール、ブログ作成支援サービス、セキュリティサービス、IP電話等)各種サービスが対応します。
◆モバイル回線利用拡大に伴い、固定との併用が増加◆
自宅で普段もっともよく接続しているインターネット回線の種類はFTTHが46%だった。
FTTHユーザーにおける自宅の固定ブロードバンド回線接続時に利用する機器は、パソコンが9割超を占め、利用割合がもっとも高い接続機器であることには変化がないが、それ以外の機器ではスマートフォン(16%。対前年8ポイント増)、タブレット型端末(8%。対前年5ポイント増)などの増加が顕著だった。この結果、「パソコンとパソコン以外の機器を併用し接続している」利用者の割合は増加し(36%。対前年12ポイント増)、相対的に「パソコンのみで接続している」利用者の割合が低下(64%。対前年12ポイント減)した。
FTTHユーザーにおける今後インターネット接続に利用したい機器については、パソコンでは現在の利用割合と今後の利用意向割合にほとんど差がない。一方、スマートフォン、タブレット型端末の今後の利用意向(ぜひ利用したい)はそれぞれ31%、16%となっており、それぞれの現在の利用割合を大きく上回る水準となった。今後、パソコンとパソコン以外の機器の併用を通じた「インターネット接続機器の多様化」がさらに進むものと思われる。
FTTHユーザーの回線種についてみると、FTTHユーザーの9%が自宅のFTTH回線とは別にモバイル回線サービス(注2)を利用している。また、今後の意向としてFTTHユーザー全体の2割が「固定ブロードバンド回線とモバイル回線を併用する」意向を持っていることが明らかになっており、今後、インターネット接続機器の多様化と合わせて、固定回線だけでなくモバイル回線もユーザーがとりうる選択肢として有力になっていくことが想定される。
注2:本調査におけるモバイル回線サービスとは、モバイルWi−Fiルーターやパソコン専用のデータ通信カード/USB型端末を使って自宅や自宅外でインターネットに接続するサービスをさします。ただし、公衆無線LANや、携帯電話(スマートフォンを含む)を外部モデムとして携帯電話回線等に接続するケースは本調査におけるモバイル回線サービスには含みません。
なお、FTTHユーザーが利用しているモバイル回線サービス事業者の構成をみると、ユーザーの59%はプロバイダーがMVNO(注3)として提供するサービスではなく、UQ WiMAXやイー・モバイルなどのモバイル回線事業者が提供するサービスを利用しており、モバイル回線サービスにおけるプロバイダーのプレゼンスが小さいことも明らかになった。
注3:MVNOとは、物理的な回線網を自社で持たず、実際に保有する他の事業者から借りて、自社ブランドで通信サービスを行う事業者のことをさし、@nifty WiMAX、BIGLOBE 3Gなどが対応します。
インターネット接続機器の多様化の進展と合わせ、固定・モバイル回線併用が進む今後は、モバイル回線サービスの重要性がさらに高まると予想される。モバイル回線サービスへの対応など、インターネット環境の変化に対応した戦略が重要になるだろう。
◆顧客満足度ランキングは、FTTHはBBIQ、ADSLはぷららが第1位◆
FTTH セグメントの顧客満足度ランキングは、総合満足度スコア579ポイントのBBIQが第1位となった。中でも、「各種費用」はランキング対象会社の中でトップの評価であった。第2位はeo 光(570ポイント)、第3位はコミュファ光(566ポイント)であった。
ADSL セグメントでは、総合満足度スコア552ポイントのぷららが第1位となった。全ファクターで業界平均以上の評価を得ており、中でも「接続品質」、「各種費用」、「ユーザー・サポート」の3ファクターでランキング対象会社の中でトップ評価であった。第2位は@nifty(542ポイント)、第3位はSo−net(536ポイント)であった。
*J.D.パワーが結果を発表する調査はすべてJ.D.パワーが第三者機関として自主企画により実施したものです。
<株式会社J.D.パワー アジア・パシフィックについて>
当社は米国J.D.パワー・アンド・アソシエイツの日本を含むアジア地域でのビジネスの拠点として1990年に設立された。自動車業界を始め通信、IT、金融、保険、トラベルなど様々な業界において顧客満足に関する調査やコンサルティングを実施している。尚、J.D.パワーではシンガポール、北京、上海、バンコクに拠点をもち、日本、オーストラリア、中国、インド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムで調査を実施している。会社概要や提供サービスなどの詳細は当社ウェブサイトhttp://www.japan.jdpower.comまで
<J.D.パワー・アンド・アソシエイツについて>
ザ・マグロウヒル・カンパニーズの一部門であるJ.D.パワー・アンド・アソシエイツ(本社:米国カリフォルニア州ウェストレイク・ビレッジ)は、パフォーマンス改善、ソーシャル・メディア、顧客満足に関するインサイトとソリューションを提供している国際的なマーケティング情報サービス企業である。数百万人の消費者からの回答をもとに品質や顧客満足度に関する調査を毎年行なっている。
<ザ・マグロウヒル・カンパニーズについて>
2011年9月12日にマグロウヒルは、国際的な金融市場に情報・分析サービスを提供する世界有数のビジネス情報サービス企業であるマグロウヒル・フィナンシャルと、世界規模でのデジタル教育サービスに特化した教育事業のマグロウヒル・エデュケーションの2社に分割すると発表した。マグロウヒル・フィナンシャルの主なブランドはスタンダード&プアーズ・レーティング・サービス、S&P Capital IQ、S&P Indices、プラッツ・エナジー・インフォメーション・サービス、J.D.パワー・アンド・アソシエイツである。
世界40カ国に280カ所以上の拠点、約23,000人の従業員を有し、2011年の売上高は62億ドルにのぼる。詳細はウェブサイトhttp://www.mcgraw-hill.comまで。
※参考資料は、添付の関連資料を参照