ＩＤＣ　Ｊａｐａｎ、国内製品サポートサービス市場の製品セグメント別予測を発表

国内製品サポートサービス市場
製品セグメント別予測を発表



・国内ハードウェアサポート市場は全ての製品セグメントにおいて縮小し、２０１１年〜２０１６年の年間平均成長率はマイナス４．８％

・国内ソフトウェアサポート市場は全ての製品セグメントにおいて拡大傾向にあり、２０１１年〜２０１６年の年間平均成長率は１．８％

・クラウド事業者の発展、スマートフォンの普及、ユーザー企業のグローバル展開などの環境変化に対応し、オンサイトサポートを中心としたサービスモデルを変化させていくことが必要


　ＩＴ専門調査会社　ＩＤＣ　Ｊａｐａｎ株式会社（所在地：東京都千代田区九段北１‐１３‐５、代表取締役：竹内正人、Ｔｅｌ代表：０３−３５５６−４７６０）は、国内製品サポートサービス市場　製品セグメント別予測を発表しました。これによるとクラウドサービスの利用拡大により、サポートサービス市場の中心となる製品セグメントが大きく変化していくことがわかりました。現在、大手ベンダーの製品サポートビジネスの中心となっているメインフレームやＲＩＳＣ／ＩＡサーバーのサポート市場が大きく縮小する一方で、ソフトウェアのサポート市場が拡大します。また、縮小傾向にあるハードウェアサポート市場の中でも、ｘ８６サーバーやストレージ、ネットワーク機器、ＰＣ、携帯電話やスマートフォンが含まれるその他のハードウェアのサポート市場は比較的、緩やかな縮小にとどまります。

　２０１１年の国内製品サポートサービス市場は、ハードウェアのサポート市場が４，１３７億円、ソフトウェアのサポート市場が４，４４５億円となりました。ハードウェアサポート市場がマイナス成長となった一方で、ソフトウェアサポート市場は横ばいにとどまりました。これにより、ソフトウェアのサポート市場規模がハードウェアのサポート市場を上回りました。国内ハードウェアサポート市場は今後も縮小傾向を継続し、２０１６年には３，２６４億円になると予測します。同市場の２０１１年〜２０１６年の年間平均成長率（ＣＡＧＲ：Ｃｏｍｐｏｕｎｄ　Ａｎｎｕａｌ　Ｇｒｏｗｔｈ　Ｒａｔｅ）はマイナス４．８％になります。一方で、企業のＩＴ投資の再開に伴い２０１２年にプラス成長を回復するソフトウェアサポート市場は、その後も緩やかな拡大を継続します。同市場は２０１１年〜２０１６年にＣＡＧＲ１．８％で推移し、２０１６年には４，８５１億円に達すると予測します。

　縮小傾向にあるハードウェアサポート市場の中でも、メインフレームサーバー／その他のサーバーやＲＩＳＣ／ＩＡ６４サーバーのサポート市場は２０１１年〜２０１６年にＣＡＧＲマイナス１０％台で大幅に縮小します。ユーザー企業におけるクラウドサービスの利用が拡大し、サポートサービス支出の対象となる製品の台数が大きく減少することが主な要因です。一方でｘ８６サーバーやストレージ、ネットワーク機器、ＰＣ、携帯電話／スマートフォンが含まれるその他のハードウェアのサポート市場規模の縮小はＣＡＧＲマイナス０〜３％台にとどまります。これらの製品もクラウドサービスの影響を受け、求められるサポートのレベルが低下し、サービス価格が下落します。しかし製品台数は大きくは減少しない、もしくは増加するとみられることが、これらの製品のサポート市場の縮小率を抑えています。これにより、２０１１年にはＰＣのサポート市場規模がメインフレームサーバー／その他のサーバーのサポート市場を、また、携帯電話／スマートフォンが含まれるその他のハードウェアのサポート市場規模がＲＩＳＣ／ＩＡ６４サーバーのサポート市場をそれぞれ上回るといった市場の構造変化が見られました。

　一方で、ソフトウェアサポート市場は、ハードウェアサポート市場と同様、クラウドサービスの利用拡大による影響を受けるものの、全ての製品セグメントで拡大の傾向にあります。クラウドサービスの影響が最も大きい製品セグメントはＥＲＰやＣＲＭが含まれるアプリケーションで、２０１１年〜２０１６年のアプリケーションサポート市場のＣＡＧＲは１．４％にとどまります。一方で、ＯＳや仮想化ソフトウェアが含まれるシステムインフラストラクチャや、ミドルウェアが含まれるアプリケーション開発／デプロイメントのサポート市場は、仮想化やＯＳＳのサポート需要がクラウドサービス利用拡大によるライセンス減少の影響を上回ることから、２０１１年〜２０１６年のＣＡＧＲはそれぞれ、１．９％、２．１％になると予測します。

　クラウドサービスの利用拡大により、サポートサービスの対象となる製品の利用者としてデータセンターやクラウド事業者の存在感が増しています。一方で、ユーザー企業においてはスマートフォンの普及や、ビジネスのグローバル展開が進んでいます。これらの動きはサポートサービスに求められる要素を大きく変化させています。ＩＤＣ　Ｊａｐａｎ　ＩＴサービス　マーケットアナリストの武井　晶子は「ベンダーは今までのオンサイトでのサービス提供を中心としたモデルからビジネスを変化させていく必要がある。オンサイトサービスを伴わない安価なサポートメニューや、ユーザーの海外拠点に対するリモートでのサービス提供などを検討すべきである」と述べています。

　今回の発表はＩＤＣが発行したレポート「国内サポート市場　製品セグメント別　２０１１年の実績と２０１２年〜２０１６年の予測」（Ｊ１２２６０１０８）にその詳細が報告されています。本レポートでは、国内サポート市場の概況や動向を分析し、サポートサービスの対象となる製品別に市場規模予測をまとめています。


【レポートの詳細についてはＩＤＣ　Ｊａｐａｎへお問い合わせ下さい】


＜参考資料＞
　国内ハードウェアサポート市場　製品セグメント別構成比：２０１０年と２０１６年の比較

　※参考資料は添付の関連資料を参照


＜ＩＤＣ社　概要＞
　Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｄａｔａ　Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ（ＩＤＣ）は、ＩＴおよび通信分野に関する調査・分析、アドバイザリーサービス、イベントを提供するグローバル企業です。４８年にわたり、ＩＤＣは、世界中の企業経営者、ＩＴ専門家、機関投資家に、テクノロジー導入や経営戦略策定などの意思決定を行う上で不可欠な、客観的な情報やコンサルティングを提供してきました。
　現在、１１０か国以上を対象として、１，０００人を超えるアナリストが、世界規模、地域別、国別での市場動向の調査・分析および市場予測を行っています。
　ＩＤＣは世界をリードするテクノロジーメディア（出版）、調査会社、イベントを擁するＩＤＧ（インターナショナル・データ・グループ）の系列会社です。

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