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花王、炭酸入浴とストレッチングの継続が柔軟性を促進することを確認

2012-11-27

炭酸入浴が筋肉をやわらかくする効果を検証
〜ストレッチング(前屈運動)との併用を継続すると効果が促進されることを検証〜



 花王株式会社(社長・澤田道隆)ヒューマンヘルスケア研究センター・パーソナルヘルスケア研究所は、日本赤十字北海道看護大学・山本憲志准教授と共同で、炭酸入浴の筋肉に及ぼす影響を調べました。その結果、炭酸入浴とストレッチングの継続は、同様のさら湯入浴よりもからだの柔軟性(伸びやすさ)を促進することを確認しました。

 脚の筋肉の柔軟性は加齢や運動不足等により、低下することが知られています。さらにこの脚の筋肉の柔軟性の低下は「歩く」などの日常生活に支障をきたす場合や、腰痛などの不調に結びつく可能性が考えられます。今後、本研究の知見をもとに、これらの不調を予防・緩和するため、炭酸入浴などの健康なからだへの取り組みを提案していきます。

 研究では、成人男性12名(炭酸入浴7名、さら湯入浴5名)を対象として、1回の入浴(40℃、10分間)および5週間の毎日の入浴とストレッチング(前屈運動)を実施し、筋肉の柔軟性を測定し、以下の結果を得ました。


<研究結果>

1.炭酸入浴は、運動で硬くなった脚の筋肉をやわらかくすることを検証。脚の筋肉疲労の緩和効果を有すると考えられる。

 炭酸入浴による筋肉の柔軟性に及ぼす影響を筋硬度(*1)の測定により検証しました。
 レジスタンストレーニング(*2)により硬くなった下腿三頭筋(ふくらはぎ)に及ぼす入浴(炭酸入浴、さら湯入浴)の影響について、筋硬度を測定した結果、両群とも浴後に筋硬度は有意に低下しましたが、炭酸入浴の方が、レジスタンストレーニングにより硬くなった筋肉をやわらかくする効果を有することが明らかになりました(図1)。

 このことから、炭酸入浴は筋肉疲労に対する緩和効果が高いことが考えられます。

 *1 市販のデジタル筋硬度計を用いて、測定部である金属棒先端を下腿三頭筋(ふくらはぎ)に押し当て、その金属棒が受ける圧力で測定を行なった。

 *2 筋肉に一定の負荷をかける運動であり、この場合はカーフレイズと呼ばれる下腿三頭筋の力で体を持ち上げる動き(つま先立ち運動)をすること。この動きにより、実験的にふくらはぎの筋肉を硬くする。

 ※図1は、添付の関連資料を参照


2.毎日の炭酸入浴と30秒ストレッチング(前屈運動)は脚の筋肉をさらにやわらかくすることを検証。脚の筋肉の疲労回復を早める、腰痛になりにくいなどの効果につながると考えられる。
 毎日の炭酸入浴と30秒ストレッチング(図2 前屈10秒×3回)による、筋肉の柔軟性(筋硬度と学術的にも一般的な方法である関節可動域(*3)で測定)に及ぼす影響を検証しました。
 炭酸入浴と30秒ストレッチングにより、運動後の硬くなった筋肉の硬度は有意に低下することが示されました(図3)。また、炭酸入浴は、関節可動域の増加量の有意な増加、すなわち足首がより曲げやすくなる現象が認められました(図4)。

 ※図2は、添付の関連資料を参照

 この結果から、炭酸入浴と30秒ストレッチングの継続により、脚の筋肉や足首がやわらかくなるといった変化が確認され、筋肉の疲労回復を早める効果や脚の筋肉の柔軟性が関係する腰痛などになりにくくなるなどの効果にもつながると考えられます。

 なお、本結果を含む研究成果は、第51回日本生気象学会(2012年11月9、10日・松本市)において発表しています。
 今後、筋肉が硬くなるメカニズム、炭酸入浴とストレッチングとの関係やからだの柔軟性に及ぼす作用などについて、より詳細に研究していく予定です。

 *3 関節可動域は図4に示すような足関節の背屈角度(足首の曲げやすさ)を測定した。0週の角度をゼロとして2週、5週目の角度の変化量を調べた。

 ※図3・4は、添付の関連資料を参照


<研究背景>
 高齢化社会が急速に進んでおり、加齢やそれに伴う生理機能の減退によって運動不足に陥りやすく、その結果、中高齢者は身体活動能力や日常生活動作能力が低下する傾向にあります。その中で、生活習慣病をはじめとする運動器症候群の予防・改善などにより、健康寿命の延長やQOL(Quality of Life:生活の質)の向上が注目されつつあります。

 こうした背景のもと、花王では、これらに対応する健康ソルーションの研究を続けており、その一つとして、炭酸入浴などの健康への取り組みを提案していきます。脚の筋肉の柔軟性(伸びやすさ)の低下は、日常生活に影響を及ぼし、「歩く」などの支障、腰痛などの不調に結びつく可能性が考えられます。

 そこで、本研究では、炭酸入浴の筋肉に及ぼす影響を調べ、また、毎日の入浴とストレッチングの継続が、からだの柔軟性にどのように影響するかを検証しました。


<試験方法>
 成人男性12名(炭酸入浴7名、さら湯入浴5名)を対象として、1回の入浴(40℃、10分間の全身浴)および5週間の毎日の入浴と浴後の前屈ストレッチング(長座位前屈 10秒×3回)を行ないました。試験浴水としては、さら湯(水道水)、炭酸が入った湯(浴水中炭酸ガス濃度 約140ppm)を使用しました。

 毎日の入浴開始前に実験室にてレジスタンストレーニング(カーフレイズ上昇4秒および下降4秒×100回)を行ない、2週にわたり毎日入浴した際、5週にわたり毎日入浴した際に、トレーニング前後および入浴後(ストレッチングも行なった後)に、筋肉機能(筋硬度、学術的にも一般な方法である足関節可動域)の測定をしました。

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