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三菱電機、DC1500V架線対応のSiC適用鉄道車両用主回路システムを製品化
鉄道車両の省エネに貢献
DC1500V架線対応のSiC適用鉄道車両用主回路システムの製品化
三菱電機株式会社は、DC1500V鉄道架線に対応した、大容量SiC(※1)パワーモジュール適用の鉄道車両用インバーター装置と、高効率全閉形誘導電動機の開発を完了し、このたび鉄道車両用主回路システムとして製品化しました。
両機器とも2013年1月に東京地下鉄株式会社の車両に搭載し、各種走行試験を経て、その後、営業運転に使用する予定です。
※1:Silicon Carbide(炭化ケイ素:炭素とケイ素の化合物)
*製品画像は添付の関連資料を参照
【 新製品・システムの特長 】
1.<主回路システム>消費電力量が既存システム比 約30%減
・SiCパワーモジュール適用インバーター装置と高効率全閉形誘導電動機の採用により、主回路システムの力行性能が向上
・全速度領域での電力回生ブレーキ実現により回生電力が増加
2.<鉄道車両用インバーター装置>発生損失低減と小型・軽量化を実現
・DC1500V架線対応のSiCパワーモジュール適用により、従来製品と比較して発生損失を約30%低減(※2)
・体積は、従来製品と比較して約40%低減(※2)
・質量は、従来製品と比較して約50%低減(※2)
※2:Si(シリコン:ケイ素)を用いたパワーモジュールを採用した当社同等製品との比較において
3.<高効率全閉形誘導電動機>回生性能の向上と低損失・低騒音化を実現
・SiCインバーターと高効率誘導電動機の組合せにより、回生トルク性能向上を実現
・高周波スイッチングに対応したモーター設計により発生損失を約40%低減
・全閉自冷式により従来の電動機と比較して、約11dBの騒音低減
【 システム仕様概要 】
入力電圧 :直流1500V
主回路方式:3レベル方式電圧型PWMインバーター(電力回生ブレーキ付き)
制御方式 :225kWモーター×4台×2群
冷却方式 :走行風自冷方式
【 開発の背景 】
当社は、2011年10月にDC600V/750V架線対応として大容量SiCパワーモジュールを適用した鉄道車両用インバーター装置を世界に先駆けて製品化し、2012年2月から実施している東京地下鉄株式会社の銀座線01系の営業運転車両での実証結果において、従来の01系車両比38.6%の省エネを実証しました。
今回、DC1500V架線に対応した、従来製品と比較して低損失、小型・軽量で高性能なインバーター装置を含む主回路システムを製品化しました。
本システムの適用により、車両システム全体のさらなる省エネルギー化、低騒音化、省メンテナンス化を同時に実現します。
【 お客様からのお問い合わせ先 】
三菱電機株式会社 交通事業部
TEL 03−3218−1293 FAX 03−3218−2641