Article Detail
サカタのタネ、トルコギキョウの新品種「ピッコローサ ニュースノー」を発売
新品種
中輪バラ咲きの定番『ピッコローサ スノー』の周年供給を可能にする画期的品種が登場
トルコギキョウの新品種『ピッコローサ ニュースノー』を発売
低温短日期でもブラスチング(※1)を起こしにくく栽培しやすい
サカタのタネは、トルコギキョウの中早生中輪バラ咲きF1品種『ピッコローサ ニュースノー』の種子と苗を、2012年11月26日から生産者向けに販売します。『ピッコローサ』は、バラと見まがう上品な花形と、栽培しやすく、花もちに大変優れることが特徴の人気シリーズです。特に「ピッコローサ スノー」は、冠婚葬祭で広く使われる純白の花色から、白色中輪バラ咲き品種の代表として知られています。「同 スノー」は本来春〜夏出荷向きです。しかし流通からの熱い要望により秋〜春出荷も行われていますが、この時期の栽培には適さないため新品種の登場が切望されていました。『ピッコローサ ニュースノー』は、シリーズ待望の中早生品種で低温短日期でもブラスチングを起こしにくく、枝吹きがよく、草丈がとれます。「同 スノー」と合わせた産地リレーにより年間を通して高品質な切り花を安定供給できます。『ピッコローサ ニュースノー』の税込み希望小売価格は、ペレットシード(※2)1袋3,000粒入り9,450円、プラントップ(R)苗(※3)406穴セルトレー7,718円(350本保証)です。『ピッコローサ ニュースノー』の初年度販売目標金額は3,000万円です。
*花の写真は添付の関連資料を参照
2000年の発売以来、中輪バラ咲きF1品種『ピッコローサ』シリーズは、花径約6〜7cmのバラと見まがう上品な花形と、栽培しやすく、花弁が厚く花もちに大変優れることから、生産者、市場関係者、小売業者など、多方面から高い評価を得ている人気のトルコギキョウです。
同シリーズは、「ピッコローサ スノー」「同 ローズピンク」「同 グリーン(ver.2)」「同 ブルー」「同 ピンクピコティー」の5品種をラインアップしています。なかでも「ピッコローサ スノー」は、現在トルコギキョウの品種別流通ランキングで第3位(※4)の定番品種です。
白色のトルコギキョウが最も使われるのは、ウエディングの装飾やブーケ、葬祭セレモニーなどの業務需要です。白色中輪バラ咲き品種は、他社品種も含めて数多く存在していますが、栽培しやすさはもちろん、微妙な花形や色の違いにいたるまでさまざまな要素が絡み合うことから、生産者にとっては品種選定が難しい状況にあります。「ピッコローサ スノー」は、くすみのない純白の花色と整った花形、それに花もちのよさから大変評価は高く、“花もちのよいトルコギキョウといえば「ピッコローサ スノー」”というイメージが深く浸透しています。同品種は本来早生のため春から夏にかけての出荷に適していますが、流通からは周年供給に対する根強い要望があります。
そのため、同品種の栽培には向かない秋から春にかけての出荷も行われていましたが、この時期に栽培すると、ブラスチングを起こしやすい、チップバーン(※5)が出やすい、枝吹きが少ない、草丈がとりづらいなど多くの障害が出ます。ブラスチングが発生すると花が少なくなるため、切り花としての出荷はできず、廃棄するか、新たに花を咲かせて出荷基準まで引き上げる必要があります。仕立て直すと、余計な手間と時間、それに暖房費や電照を行うための電気代などがかかってしまい、結果として経営を圧迫することから、ブラスチングを起こしにくい品種が常に求められてきました。このような状況のなか「ピッコローサ スノー」の花形に類似した品種も出始めてきました。これらの他社品種は、枝が吹きにくくブラスチングが出やすい、あるいは花形が美しくないなどの問題点があります。当社は『ピッコローサ』シリーズの白色品種の安定供給化を目指し、「ピッコローサ スノー」と同じ花形で、低温短日期にも栽培しやすい品種の開発に取り組んできました。
今回開発した『ピッコローサ ニュースノー』は、秋から春にかけての出荷に最適な品種です。
一般的にトルコギキョウは、茎が硬い品種を低温短日期に栽培すると、草丈はとりづらく、ブラスチングを起こしやすくなります。『ピッコローサ ニュースノー』は、従来の「同 スノー」の整った花形を維持しながらこれらの課題を解決した画期的な品種です。さらに『ピッコローサ ニュースノー』は、「同 スノー」よりもさらに純白で透明感のある花色を実現しています。
同品種は、秋から春にかけての出荷だけでなく、北海道や長野といった寒地においては夏出荷にも対応できるため、同一品種のみで長期間にわたる供給ができます。また、国内のすべての地域において春から夏出荷に好適な「ピッコローサ スノー」を併用することで、高温長日期でもより茎の硬い切り花を栽培でき、この2品種の組み合わせと産地リレーを駆使することにより、年間を通して高品質な白色中輪バラ咲きトルコギキョウを安定供給できます。
同品種を試作した生産者からは、「秋出荷の作型で従来の『同 スノー』と同時に栽培したところ、『ピッコローサ ニュースノー』はより枝数がとれ、ブラスチングも起こしにくかった」「『ピッコローサ スノー』と同様の花が冬場に栽培できるとは思わなかった」などといった高い評価をいただいています。
白色中輪バラ咲き品種の当社シェアは、出荷本数ベースで現在72%(※6)程度ですが、『ピッコローサ ニュースノー』を投入し、周年供給を可能にすることで、3年後にはこれを90%以上に引き上げる計画です。当社は、『ピッコローサ ニュースノー』を「100周年記念品種」として位置づけており、従来の「ピッコローサ スノー」とあわせて積極的に販売していきます。
*トルコギキョウ『ピッコローサ ニュースノー』の概要などリリースの詳細は添付の関連資料を参照
読者の方からのトルコギキョウ『ピッコローサ ニュースノー』に関するお問い合わせ先
株式会社 サカタのタネ 花統括部 電話045−945−8804