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富士フイルム、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届ける「マイクロニードルアレイ」を開発

2012-11-20

皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届ける新しいドラッグデリバリー手段
「マイクロニードルアレイ」開発
突起部分の長さや形状も自由に設計でき、大量生産も可能



 富士フイルム株式会社(社長:中嶋 成博)は、新しいドラッグデリバリー手段として注目されている、皮膚に貼るだけで薬剤を体内に届けることができる「マイクロニードルアレイ」を開発しました。

 「マイクロニードルアレイ」は、100〜2000 ミクロンの長さの微細な突起をシート上に配した薬剤送達部材で、皮膚表面に貼ることで、突起部分から薬剤を皮膚に浸透させ、体内に届けることができるものです。「マイクロニードルアレイ」の突起部分は、皮膚に貼っても注射のような痛みを感じることはありません。また、患部に薬剤を効率よく届けることもでき、「マイクロニードルアレイ」は、薬剤投与の新しい手段と期待されています。

 今回開発した「マイクロニードルアレイ」は、突起部分に注射剤成分として使用実績のある多糖類などを使用しており、突起そのものが数分以内に皮膚下で溶解し、突起中に充填された薬剤を体内に届けることができる自己溶解タイプです。突起部分が体内で溶解しないタイプ(※1)には、突起部分が折れて体内に残る危険性があるのに対し、当社の「マイクロニードルアレイ」は、突起そのものが消失するため、高い安全性を実現しています。
 当社のマイクロニードルアレイは、写真フイルムの製造で培った精密加工技術などを応用しており、突起の長さや形状を自由に設計することができるとともに、大量生産も可能です。

 現在、富士フイルムは、ワクチンやホルモンを充填した「マイクロニードルアレイ」の動物実験を実施しています。
 既にワクチン投与の実験では、注射と比べて同等量以上の抗体が生成されることを確認しています(※2)。今後、ヒトでの臨床研究の実施に向けて準備を進めていきます。また、来年後半の稼働を目指して、GMP(※3)準拠の治験薬製造設備も整備していきます。

 富士フイルムは、価値ある薬剤を包有する「マイクロニードルアレイ」を自社で商品化していくとともに、他の製薬メーカーなどとの協業を通じて「マイクロニードルアレイ」の用途開拓も進めていきます。


※1 現在開発されているマイクロニードルアレイには、自己溶解タイプ以外に薬剤を突起部分に塗る「コーティング型」などがある。
※2 マウスを使い、「マイクロニードルアレイ」と注射によるワクチン投与の動物実験を実施。その結果、「マイクロニードル」による投与では、注射と比べて同等量以上の抗体が生成されることを確認。
※3 Good Manufacturing Practiceの略。品質の良い医薬品、医療用具などを供給するための製造管理および品質管理を定めたもの。



*以下の資料は添付の関連資料「図1・2」を参照
 【図1】当社の「マイクロニードルアレイ」の例
 【図2】薬剤の代わりに色素を入れた「マイクロニードルアレイ」


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