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帝人フロンティア、ウール素材を模倣した紡毛調ポリエステル素材「フルフラン」を開発
ウールの素材感とイージーケア性を両立
紡毛調ポリエステル素材「フルフラン(R)」の開発と販売について
帝人フロンティア株式会社(http://www2.teijin-frontier.com/)(本社:大阪市中央区、社長:竹中 哲嗣)は、このたび、ウール素材を模倣した紡毛調ポリエステル素材「フルフラン」を開発しました。
「フルフラン」は、ウールの紡毛素材(*1)の代表的な織物である「ウールツイード」の外観、風合い、嵩高感と、優れたイージーケア性とを兼ね備えた素材で、「ウールツイード」では難しかった家庭での洗濯も可能となりました。
帝人フロンティアでは、秋冬向け素材として「フルフラン」の販売を開始し、期待の大型素材として、ファッション用途、ユニフォーム用途を中心に幅広い用途に向けて展開していきます。
*1 紡毛素材:短い羊毛繊維を主体に紡績した紡毛糸を織った毛織物の総称。柔らかく、起毛しやすい。ジャケットやコートなどに使用される。
※参考画像は添付の関連資料を参照
1.開発の背景
(1)ポリエステル繊維による天然素材へのアプローチは、従来よりいろいろと行われていますが、ウール素材の模倣としては、梳毛と紡毛の2種類の糸があるうち、梳毛素材(*2)に焦点を当てた開発が中心で、紡毛素材の開発はあまり行われていませんでした。
(2)こうした中、帝人フロンティアでは紡毛素材に焦点を置いた開発に着手し、このたび、紡毛素材の代表的な織物である「ウールツイード」と同様の感性を持ちながら、イージーケア性に優れた紡毛調ポリエステル素材「フルフラン」の開発に成功しました。
*2 梳毛素材:毛足の長い羊毛を引き揃えて紡績した梳毛糸を織った毛織物の総称。滑らかで光沢感があり、スーツなどに使用される。
2.素材の特徴
・高次嵩高混繊技術で紡毛素材の外観や風合いを実現
ポリエステル長繊維と、伸度が高く柔らかいPTT繊維「ソロテックス」(*3)を高次嵩高混繊技術により混ぜ合わせ、糸の鞘側に「ソロテックス」、芯部に繊維全体の強度を維持するポリエステル長繊維を配置することで、紡毛素材の風合いや杢外観・起毛外観を実現しました。また、熱可塑性であることから、プリーツなど熱加工部分の形態維持性にも優れています。
*3 「ソロテックス」:ポリトリメチレンテレフタレート繊維。ソフトな新触感と快適なストレッチ性があり、形態回復性・耐久性にも優れている。
・気軽に洗うことができ、防虫剤が不要
ウールの紡毛素材の場合、洗濯による毛羽立ちや縮み、保管中の虫食いなどの心配があり、手入れが大変ですが、「フルフラン」は、家庭洗濯機だけでなく、工業用の洗濯にも対応が可能で、さらに虫食いの心配がなく、防虫剤が不要なため、簡単なお手入れで清潔に保つことができます。
・軽さや保温性に優れています
高次嵩高混繊技術による糸を使用した嵩高な生地であるため、一般的なウールの紡毛素材に比べ、軽さや保温性に優れています。
3.展開計画
秋冬向けの快適ファッション素材として販売を開始し、一般ファッション用途、サービス業を中心としたユニフォーム用途に向けて展開していきます。また、帝人フロンティアは「グローバル最適生産体制」の構築に取り組んでおり、「フルフラン」についても、国内生産を先行させた後、テキスタイルの基幹生産拠点であるタイのグループ会社 THAI NAMSIRI INTERTEX CO.,LTDにおいて生産技術を確立し、製販両面においてグローバル展開を図っていきます。
(1)販売計画:
2012年度 50,000m/年
2013年度 250,000m/年
2014年度 500,000m/年
(2)展開アイテム:
ファッション用途(ジャケット、アウター、パンツなど)
ユニフォーム用途(ジャケット、アウター、パンツなど)
(3)販売価格:
1,200〜1,500円/m