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日清エンジニアリング、絶縁性材料を被覆したコアシェルナノ粒子の製造に成功

2012-11-20

高周波熱プラズマによる金属磁性材料のコアシェルナノ粒子の製造に成功


 日清製粉グループのプラント・機器メーカーである日清エンジニアリング株式会社(社長:山田 幸良)は、強磁性金属を核として絶縁性材料を被覆したコアシェル(Core−Shell)ナノ粒子の製造に成功しました。

 コアシェルナノ粒子は、日清エンジニアリングが従来から保有する技術である合金ナノ粒子の製造法を応用したものであり、複数の金属粉末等をプラズマ中に投入することにより、化合物、合金のナノ粒子を別の金属の薄膜で被覆するものです。高周波熱プラズマを採用することにより、コンタミネーションが無く高純度のナノ粒子が得られます。

 今までの金属磁性材料微粒子は以下のような問題がありました。
 (1)微細化すると、活性が高くなるため酸化する
 (2)磁性があるため、粒子同士が強く凝集する
 (3)導電性があるため、渦電流による磁気損失が発生する
 (4)従来の界面活性剤やカーボンによる被覆は製品製造の後工程に影響をおよぼす

 今回開発したコアシェルナノ粒子は以下の特徴を備えています。
 (1)表面が安定な酸化物で覆われているため、長期間安定する
 (2)表面が絶縁性の酸化物で覆われているため、渦電流による磁気損失を防止する
 (3)ナノサイズの金属コアを持つため、高周波でも表皮効果による磁気損失が少ない
 (4)乾粉で提供するため、分散処理工程において分散剤の種類などの選択肢が広い

 今回製造したコアシェルナノ粒子は、鉄コバルト合金を酸化アルミニウムで被覆したもので、15〜50nmの非常に小さな金属コアをもつ磁性材です。このナノ粒子の飽和磁束密度は理論値である227emu/gに対して195emu/gと非常に高い値が得られています。
 用途として、圧粉磁芯、トランス、磁気ヘッド、電波吸収体、アンテナ、磁性流体等の幅広い分野での活用が考えられます。


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酸化アルミニウム コバルト 磁性流体 プラズマ 日清製粉

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