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STマイクロ、マイクロステッピング・モータのアプリケーション設計を簡略化するモータ制御用SoCを発表
STマイクロエレクトロニクス、マイクロステッピング・モータのアプリケーション設計を簡略化する
革新的な1チップ・モータ・コントローラを発表
デジタル / アナログ / パワーをモノリシックに集積できる独自の先進的製造プロセスにより、小型・低コストの設計を業界トップクラスの性能で実現
高性能パワーICの世界的リーダーであるSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、監視カメラ、現金自動預け払い機、券売機、舞台照明、プリンタ、自動販売機等に使用される高性能モータを、より短期間、より低コストで実現することができるモータ制御用システム・オン・チップ(SoC)を発表しました。
STの先進的なBCDプロセスで製造されるdSPIN(TM)(digital SPIN)は、ステッパ・モータの制御に必要な全てのデジタル制御、アナログ計測、およびパワー・エレクトロニクス回路を集積した製品です。
STのモノリシック・モータ制御ICファミリの中でdSPINは、特別なハードウェアおよびソフトウェアの設計作業が不要で、部品点数と基板面積を低減し、最終製品の開発期間を短縮することができる初の製品です。また、モータ制御のためのデジタル演算機能がハードウェアに実装されているため、アプリケーションのマイコンは、加速、減速、速度および目標位置の命令だけを送信するだけで十分です。これにより、マイコンのソフトウェア設計が簡略化されると共に、余剰リソースを他の機能に使用することができます。
dSPINは、競合ソリューションを上回る高い集積度に加え、革新的な電圧モード制御アルゴリズムを使用することにより、非常にスムーズなモータ動作を保証します。電圧モード方式により、正確な正弦波の波形をモータに供給し、128マイクロステップの位置分解能を実現する、完全なデジタル制御が可能になります。その他の優位性として、共振、機械ノイズおよび低速時の振動を低減でき、また低速時における速度とトルクのリップルも減少できます。
STのグループ・バイス・プレジデント 兼 インダストリアル&パワー・コンバージョン製品事業部 ジェネラル・マネージャであるPietro Mennitiは、次の様にコメントしています。「デジタル制御コアを集積したdSPINは、STのPowerSPIN(TM)プラットフォームを拡充し、より優れた性能と価値をシステム・レベルで実現します。近年のモータ制御アプリケーションでは、分解能、動作のスムーズさ、さらにシステムの堅牢性という点で、非常に高い性能が要求されます。高いステップ分解能、デジタルによる動作管理、充実した保護機能、モータ位相に直結されるデュアルHブリッジ・パワー・スイッチ・アレイを備えたdSPINは、最大100Wまでの出力のモータを1個または複数個必要とするアプリケーションにおいて優位性を発揮します。」
STは、アナログ回路を集積できる先進的なBCDプロセスを生かして、充実した保護回路をチップ上に形成しました。これには、過熱保護、低電圧ロックアウト、電力消費ゼロの過電流保護およびモータ停止検出が含まれており、今日の最も要求の厳しいアプリケーションに対応した保護回路完備のソリューション設計を簡略化します。
dSPINの主な特徴
・モータ制御ソリューションPowerSPINファミリを拡充
・2チャネル、低いオン抵抗(0.28Ω)のDMOSフル・ブリッジ
・SPI制御インタフェース内蔵
・出力電流ピーク値:7A(3Arms)
・動作電圧範囲:8V〜45V
・速度プロファイルと位置決めのプログラムが可能
・電力消費ゼロの電流制御回路内蔵
・低消費電流(静止時および待機時)
dSPIN(品名:L6470)は、放熱特性を強化したHTSSOPパッケージに実装されたL6470Hが量産中で、単価は1000個購入時に約4.50ドルです。
また、PowerSO36パッケージ製品を、2011年前半から提供開始の予定です。
大量購入時の単価については、別途お問い合わせください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2009年の売上は85.1億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):http://www.st.com
お問い合わせ先
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