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図研エルミック、TOEのIPコア「YAMAME TOE Lite」を受注開始
図研エルミックがTOEのIPコアをリリース
〜ミドルウェアとの共用で柔軟、高速、低コストのTCP/IPを構築〜
図研エルミック株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:朝倉尉、以下 図研エルミック)は、インターネットの通信プロトコルTCP/IPの一部機能ブロックをIP化した「YAMAME TOE Lite」を12月1日から受注開始します。図研エルミックのTCP/IPのプロトコルミドルウェア「KASAGO IPv4」、「KASAGO IPv6(Dual)」との組み合わせで、ソフトウェアとハードウェアのバランスの良い処理による、高速かつシステム全体の負荷が少ないTCP/IP通信を実現し、システム全体の機能性を向上させます。
【「KASAGO」の進化形】
図研エルミックは、TCP/IPのプロトコルミドルウェア「KASAGO IPv4」を1998年に、「KASAGO IPv6(Dual)」を2002年リリースして以来、機能拡張や周辺オプション機能の拡充を続け、300を超える企業に採用されています。「YAMAME TOE Lite」は、「KASAGO」の使いやすさと機能性を共に追求する上での一つの進化形として位置付けています。
TCP/IPはCPUの負荷が大きく、システムの高速化のボトルネックになっています。解決策として、TCP/IPをハードウェアで処理するTOE(TCP/IP Offload Engine)という技術がありますが、TOEでは高速処理を実現する一方、全てをハードウェア化してしまうことによりソフトウェアが持つ設計の柔軟性が失われまたCPUの負荷が減る一方でハードウェアのリソースに大きな負担がかかってしまいます。図研エルミックでは、TCP/IPの内、特にCPUへの負荷が大きい一部の機能に絞ってハードウェア化し(「YAMAME TOE Lite」)、残りの機能をミドルウェア(「KASAGO IPv4」、「KASAGO IPv6」)で処理することを提案します。この手法は、(1)システム全体の処理速度が上がる。(2)CPUの負荷を減らしつつハードウェアの負担増も僅かである。(3)ソフトウェアの設計柔軟性が保てる。というメリットがあります。(図)
将来は、セキュリティ暗号化機能IPとTOE Liteのパッケージ化も予定しており、FAのラインコントロールやMFPなど、通信の秘匿性と高速性が重要な機器への展開を計画しています。
【機能/特長】
・DMAC機能搭載
・通信機能Check Sum機能搭載
・AXI バスインターフェースを提供
・ゲート規模:TSMC 40nm ライブラリで約50K Gate
・FPGAでの動作検証済み
・TCP/IP プロトコルミドルウェア「KASAGO」との優れた整合性
・セキュリティ暗号化機能IP「YAMAME RSA」「YAMAME AES」「YAMAME SHA−1/SHA−2」とのワンチップ化も可能
※参考画像は添付の関連資料を参照
◆図研エルミックについて
図研エルミックは、東京証券取引所マザース市場に上場し、資本金は12億2百万円。
TCP/IPとOS技術の企業としてスタートし、TCP/IPプロトコルミドルウェア「KASAGO」シリーズは高速化と省フットプリント化、オプションの拡充を並行して進め、スマート家電やスマートアグリなどの新分野へのIPv6 技術の活用も積極的に進めています。
・本文中の団体名および製品名は各社の商標または登録商標です。