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メディネットとナノキャリア、ミセル化ナノ粒子内包IL−2と樹状細胞ワクチンの併用で抗がん作用が増強することを発見

2012-11-14

ナノキャリア株式会社との共同研究成果に関するご報告



 株式会社メディネットは、ナノキャリア株式会社(千葉県柏市、代表取締役社長 中冨一郎:以下「ナノキャリア」)と、両社が各々保有する技術、知的財産、ノウハウ、研究ネットワーク等を融合し、がん治療分野での新しい医薬品や医療技術等の開発を目的として2009年10月に包括的共同研究契約を締結し、これまで共同で研究を実施してまいりました。この度、本研究において、良好な結果が得られてまいりましたので、お知らせします。
 両社は、すでに腎臓がん治療などで承認を受けている、免疫力を高める(T細胞を活性化する)作用を有する「インターロイキン−2(IL−2)」を内包する「ミセル化ナノ粒子」を創製し、免疫細胞治療のひとつである「樹状細胞ワクチン療法」(i)との併用効果についての共同研究を実施してきました。

 その結果、マウスのがんモデルに対して、ミセル化ナノ粒子内包IL−2と樹状細胞ワクチンの併用は、従来のIL−2溶液と樹状細胞ワクチン療法の併用に比べて、がんを特異的に攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)(ii)の誘導を著しく高め、それにより、抗がん作用も大幅に増強することを見出しました。

 この効果は、ミセル化ナノ粒子に内包されたIL−2が血中で長時間ゆっくり放出されること、また、ミセル化ナノ粒子内包IL−2が体内のCTLの増殖する部位であるリンパ節と腫瘍へ移行しやすいことによるものと考えられます。IL−2のリンパ節と腫瘍への移行はIL−2溶液では見られないものであり、ミセル化ナノ粒子による徐放性効果と併せ、本発見は従来の樹状細胞ワクチン療法の効果を大幅に高める可能性を示唆するものです。

 本結果に基づき、メディネットとナノキャリアは更なる共同研究を推進し、患者様のQOL向上を目指した新たな医薬品や医療技術の開発を着実に進めてまいります。
 尚、本件による今期業績への影響は軽微です。


以上


i 樹状細胞ワクチン療法
 樹状細胞は、がん細胞に由来するたんぱく質を貪食し、それをがん抗原としてTリンパ球に提示することにより、がん細胞を特異的に攻撃する細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導します。樹状細胞ワクチン療法は、この働きを利用した免疫細胞治療の一種で、患者体内でCTLを誘導し、がん細胞を特異的に攻撃させようとする治療技術。

ii 細胞傷害性T細胞(CTL)
 CTLとはCytotoxic T Lymphocyte(細胞傷害性Tリンパ球)の略。Tリンパ球の一種で宿主にとって異物になる細胞(がん細胞・ウイルス感染細胞・移植細胞など)を認識して殺傷する。


【本件に関するお問い合わせ】
 一般の方(患者・ご家族など)からのお問い合わせ:TR推進部 045−478−0084(直通)


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