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富士経済、菓子・スープ・育児用食品など57品目の加工食品に関する調査結果を発表
菓子、スープなど57品目を分析
−2012年の加工食品市場調査(1)−
−2012年見込−
◆ライス系スナック 31億円(前年比63.2%増)米粉活用で新規参入・新商品投入相次ぐ
◆即席みそ汁 526億円(前年比 4.6%増)フリーズドライ商品拡大続く
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界 03−3664−5811)は、2012年7月から28カテゴリー401品目の加工食品について、6回に分けて国内市場を調査している。その第1回目の調査結果を報告書「2013年 食品マーケティング便覧 No.1」にまとめた。
この報告書では、菓子33品目、スナック菓子9品目、スープ類12品目、育児用食品3品目の4カテゴリー57品目の国内市場動向を収載した。なお、24カテゴリー344品目の調査結果については、順次報告する。
<注目市場>
1.ライス系スナック
2011年 前年比 2012年見込 前年比
19億円 111.8% 31億円 163.2%
【米粉活用で新規参入・新商品投入相次ぎ拡大】
2004年の江崎グリコ「五穀コメッコ」発売以降目立ったヒット商品もなく、2010年までは縮小が続いていたが、2011年に亀田製菓の新商品「お米のスナック」発売や、三幸製菓、アサヒフードアンドヘルスケアの新規参入により7年ぶりに市場が拡大に転じた。2012年も亀田製菓の新商品投入やおやつカンパニーの新規参入などが見られ、市場は前年比63.2%増の31億円と2年連続拡大が見込まれる。
例年、新商品発売で拡大した翌年は需要が落ち着き縮小に転じることが多いが、近年は国内の食料自給率向上を目指し米粉の活用を推進する米粉倶楽部の会員企業を中心に新商品投入が続いており、今後も市場拡大が続くと予測される。
2.その他スナック
2011年 前年比 2012年見込 前年比
134億円 107.2% 152億円 113.4%
【野菜原料「ベジップス」、大豆粉原料「ソイカラ」のヒットで市場拡大】
豆やさつまいもなど、じゃがいもやとうもろこし以外の野菜やでんぷんを主原料としたスナックを対象とする。えんどう豆やさつまいもを主原料にした商品が多いが、近年ではそれ以外の野菜や大豆など、主原料の多様化が進んでいる。
2011年は、前年より近畿地区限定で発売を開始したカルビー「ベジップス」の販売エリア拡大により、市場が拡大した。2012年は「ベジップス」の全国展開と大塚製薬「ソイカラ」のヒットにより、前年比13.4%増の152億円と2年連続で市場拡大が見込まれる。
スナック菓子の原料はじゃがいもが多い。生じゃがいもは植物防疫法により輸入が制限されていることから、大半を国内産に頼っているが、天候により生産量が左右されるため、リスク分散対策としてじゃがいも以外を原料とするスナック菓子に注力する企業が増加している。
3.ナッツ類(テーブルナッツ)
2011年 前年比 2012年見込 前年比
243億円 107.0% 257億円 105.8%
【テレビ番組で健康効果に注目、女性の取り込みが進む】
2012年にNHKのテレビ番組で健康によい食品として取り上げられ、数か月に亘り需要が急激に高まった。備蓄需要を獲得した2011年に続いて、2012年も市場拡大が見込まれる。
購買層の中心は男性であり、売場もおつまみコーナーでの展開が多いが、健康・美容効果が注目されたことから女性層の取り込みが進み、今後の売場作りが課題となっている。なお、ナッツ類の原料は輸入に頼っているが、インドや中国などの新興国での需要拡大により、将来的には価格高騰が懸念される。
4.即席みそ汁
2011年 前年比 2012年見込 前年比
503億円 103.3% 526億円 104.6%
【機能性訴求みそ汁、永谷園「脂っぽい料理に黒豆のちからみそ汁」発売】
ロングセラー商品や低価格商品に需要が流れがちであるが、2009年の永谷園「1杯でしじみ70個分のちからみそ汁」発売以降、機能性を訴求する商品に注目が集まった。
2011年は震災により簡便性の高い即席みそ汁の需要が高まり、特に手作りを基本としていた主婦層の需要を新たに獲得したことから市場が拡大した。2012年は永谷園が機能性を訴求した「脂っぽい料理に黒豆のちからみそ汁」を発売したほか、新たにフリーズドライ商品や特用タイプの投入などを進めており、競争の激化が進みながらも市場の活性化が期待され、前年比4.6%増の526億円が見込まれる。
<調査結果の概要>
※添付の関連資料を参照
◆菓子
米菓、ビスケット・クッキー、チョコレートなど腹持ちの良い商品やエネルギー源となる商品は、震災以降買い置き需要が高まり、菓子全体市場としても2011年は0.5%増の1兆2,086億円となった。
米菓は、原料となる米のトレーサビリティ法が施行され、原料米の産地情報記入が義務化された。企業への問い合わせは増加したものの懸念された市場への影響はほとんどなかったと見られる。
ビスケット・クッキーは、備蓄用の缶入り商品が需要をつかんだ。しかし、保存期間が長いため購入機会が少なく、新たな需要開拓と今後予定される更新需要の確保が必要となる。
チョコレートは、大袋、中袋サイズの需要が増えたほか、手でつまんでも溶けない焼きチョコレートが人気となっている。
◆スナック菓子
市場は2006年以降拡大を続けていたが、2010年産じゃがいもの不作や震災による工場被災によりポテトチップス市場が縮小し、スナック菓子全体としても2011年は0.1%減の2,864億円となった。
2012年はカルビーや湖池屋の積極的な販促と価格政策によりポテトチップスの市場回復が見込まれる。また、定番ブランドが強く新ブランドが育ちにくい市場であったが、カルビー「ベジップス」、大塚製薬「ソイカラ」など新素材の商品が台頭しており、スナック菓子市場は再び拡大に転じると見込まれる。
◆スープ類
震災を機に保存性や簡便性の高さから需要が拡大した。またトライアルユーザーがリピーターとなり購入が続いたことや、インスタントスープでのエースコック「スープはるさめ」のパッケージリニューアルと大々的なTVCMの展開、即席みそ汁での永谷園の新商品投入などにより、2012年も市場拡大が見込まれる。
<調査対象>
※添付の関連資料を参照
<調査方法>
富士経済専門調査員による対象企業及び関連企業・団体等への直接面接取材と文献調査
<調査期間>
2012年7月〜9月
以上
資料タイトル:「2013年 食品マーケティング便覧 No.1」
体 裁 :A4判 237頁
価 格 :95,000円 (税込み99,750円)
調査・編集 :富士経済 東京マーケティング本部 第一統括部 第一部
TEL:03−3664−5821 FAX:03−3661−9514
発 行 所 :株式会社 富士経済
〒103−0001東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 F・Kビル
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