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日立、中国でコージェネレーション発電設備に採用されたH−25ガスタービンが稼動

2010-12-13

中国で初めてH−25ガスタービンが稼動開始
H−25を採用したコージェネレーション発電設備がエネルギーの有効活用に貢献


 株式会社日立製作所(執行役社長:中西宏明/以下、日立)のH−25ガスタービン(30MW級/以下、H−25)が、山西省梗陽実業集団有限公司(*1)(以下、梗陽実業集団(Gengyang Industry Group))の子会社である清徐県景源熱電(Jingyuang Redian)有限公司のコージェネレーション発電設備(*2)に採用され、このたび、中華人民共和国(以下、中国)において初めて稼動を開始しました。同設備は、梗陽実業集団のコークス(*3)生産プラントへ電力と蒸気を同時に供給するものであり、燃料として、通常使用する天然ガス等ではなく、同プラントのコークス生産に伴い発生するガス(Cokes Oven Gas/以下、COG)を活用します。また、本件は、同時に、COGを燃料としてH−25を初めて稼動させる案件です。

 中国山西省コークス産業が盛んで生産プラントが集中しています。山西省は、コークス生産プラントの合併、構造改革、技術向上を通じてエネルギーの効率的な利用や環境負荷低減を推進しており、今後、大規模なコークス生産プラントが建設される見込みです。こうした市場環境の中で、ガスタービンを使用したコージェネレーション発電設備は大きな注目を集めています。

 梗陽実業集団はこれまで、COGの一部を8基のボイラーで燃焼させ、コークス生産プラントに蒸気を供給していましたが、ボイラーをコージェネレーション発電設備と置き換え、コークス生産プラントへ電力および蒸気の併給を開始しました。設備の導入は2期に分けて実施される予定で、今回稼動した設備は第1期となります。

 今回稼動を開始したコージェネレーション発電設備は、梗陽実業集団が所有する年間200万トンのコークスを生産する山西省太原市清徐県のプラント敷地内に設置されています。ガスタービンにはH−25が採用され、同プラントから排出されるCOGを燃料とする自家発電設備として電力を供給すると同時に、H−25の排熱は、排熱回収ボイラーでの蒸気生成に利用され、蒸気は同プラントへ供給されます。コージェネレーション発電設備全体の熱効率は80%以上で、同プラントで使用する電力および蒸気を全て賄うことができます。また、余剰電力は売電され、余剰蒸気は近隣企業へ供給されます。本設備のCOG(*4)利用量は17,000Nm3/h、発電出力は25,100kW、蒸気供給量60t/hとなります。

 今後も日立は、中国のCOGや天然ガスを利用した分散電源市場において、H−25の積極的な営業活動を推進していきます。

*1:梗陽実業集団有限公司:コークスの生産や輸出用マグネシウムなどの生産を手がける化学メーカー。
*2:コージェネレーション発電設備:電力と熱を同時に供給する設備。
*3:コークス:石炭を乾留した燃料で、燃焼時の発熱量が大きいことから、鉄鋼業等の産業用に用いられることが多い。
*4:COG:今回使用するCOGは、発熱量3,700Kcal/Nm3で、主要成分CH4:15%、H2:65%〜68%


以 上

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