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パーソナルメディア、電子書籍とPCとの連携機能を実現する「eMedia Connection」を開発

2010-12-13

電子書籍の新たな用途を提案するPCとの連携機能


 「eMedia Connection」をパーソナルメディアが開発パーソナルメディア株式会社(代表取締役:松為彰、本社:東京都品川区、電話: 03−5759−8303、資本金1,000万円)は、電子書籍とPCとの連携機能を実現する「eMedia Connection」の開発に成功し、12月15日(水)〜17日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2011」の当社ブース(ブース番号:A−4)にて、その成果のデモンストレーションを行います。

 普及の兆しを見せる電子書籍ですが、単純に紙の本を代替するだけではなく、その端末に搭載されているコンピュータをうまく活用することによって、さらに便利な機能を提供することができます。特に、身の回りのPCや携帯情報機器、コンピュータ制御の家電製品などと電子書籍との協調動作ができると、電子書籍の活用場面が大きく拡がるため、電子書籍のコンテンツのみならず、周辺の機器も含めたビジネスの活性化につながり、市場拡大のチャンスとなります。

 パーソナルメディアでは、こういった観点から、電子書籍とPCとの連携機能や協調動作について研究開発を進めてきました。その成果が、このたび発表する「eMedia Connection」です。この技術はいろいろな用途で活用できますが、今回は当社の関わりの大きい分野として、プログラムの開発や教育、実習などの場面における利用を想定し、具体的な応用例を検討した上で以下の機能を開発しました。


(1)電子書籍化された仕様書や解説書と、プログラムの開発用PCとの連携動作

 (1−a)開発中のプログラムに関連するページの自動参照
 開発用PCにおいて、ソースプログラム中で使用しているAPI(Application Program Interface)やシステムコールをマウスで指すことにより、そのAPIやシステムコールに関する説明の書かれた電子書籍(仕様書、解説書など)の当該ページが自動的に開きます。電子書籍データベースとの連携により、多数の蔵書から、開発中のプログラムに関連する解説ページを自動的に検索して表示することも可能です。

 (1−b)電子書籍内のサンプルプログラムなどのアップロード
 電子書籍化されたプログラミングの解説書に例題やサンプルプログラムが掲載されている場合、簡単な操作でそれらのプログラム(あるいは、そのプログラムをダウンロードするURL)を開発用PCに転送し、すぐにコンパイルや実行を試すことができます。

(2)電子書籍化された教材スライドと講師用PCとの連携動作
 セミナーなどにおいて、受講者の閲覧する電子書籍端末に入れた教材用のスライドが、講師の説明するスライドに合わせて自動的に進みます。もちろん、講師のPCの画面がそのまま出るわけではなく、独立した端末として操作することも可能です。たとえば、受講者が前のスライドを読み返したい場合など、受講者自身の操作によって、一時的に講師とは別のスライドを表示することができます。


 パーソナルメディアでは、今後、「eMedia Connection」の技術を応用したソフトウェアやコンテンツの早期の製品化を進めます。また、電子書籍や電子教材の出版を検討中の出版社等に対して、「eMedia Connection」の技術を提供し、本技術の普及にも努めていきます。こういった活動により、電子書籍のメリットを活かした新しいビジネスの立ち上げにも貢献したいと考えております。


■補足資料

●図1.「eMedia Connection」の動作イメージ
 ※添付の関連資料を参照


●TRONプロジェクトと電子書籍端末
 TRONプロジェクトでは、1984年のプロジェクトの開始当初より、マイクロコンピュータの普及や高性能化をシーズとした組込み機器のインテリジェント化、および機器相互の通信による分散制御や協調動作によって、便利で快適な生活環境を実現することを目指してきました。この目的を実現するために開発された組込み制御用のリアルタイムOSが、「ITRON」や「T−Kernel」です。TRONプロジェクトの目指した分散制御や協調動作の概念は、21世紀に入るころから「ユビキタス・コンピューティング環境」と呼ばれるようになり、さらに高度化を続けています。

 このような「ユビキタス・コンピューティング環境」と人間とのインタフェースを担う端末として、これまではPCや携帯電話が用いられてきましたが、今後はここに電子書籍端末が加わります。これらの機器には、それぞれのメリットやデメリットがありますが、電子書籍端末については、PCと比べて操作が容易で幅広いユーザから利用される点、携帯電話と比べて画面が大きい点などがメリットとなります。電子書籍の普及により、「ユビキタス・コンピューティング環境」と人間とのコミュニケーションの幅が広がり、より便利で快適な環境が実現されます。

 こういった背景から、TRONプロジェクトを推進してきたパーソナルメディアは、電子書籍に対して積極的に取り組んでいるほか、電子書籍を利用したユビキタス・コンピューティング環境の実現に関しても、研究開発を進めています。その成果の1つが、今回発表する「eMedia Connection」です。

 TRONプロジェクトの最新の成果に関しては、12月15日(水)〜17日(金)に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2011」をご覧ください。
 http://www.tronshow.org/


●PCの周辺機器と電子書籍端末との差異
 電子書籍の端末をPCの周辺機器として扱うことができれば、その連携動作は自然に可能です。たとえば、iPadをPCのサブモニタとして利用するソフトを使えば、PC上のマルチウィンドウの1つをiPad上に表示することができ、Copy & Paste などのウィンドウ間の連携動作も自然に可能です。

 しかし、電子書籍のコンテンツは、PC上で閲覧可能なものばかりではありません。特に有償コンテンツの場合は、著作権保護の観点から、閲覧可能な端末の種類や個体を限定する方向になっており、PC上で閲覧できないコンテンツもあります。たとえば、App StoreからiPad用として販売されている電子書籍アプリのコンテンツの多くは、 PCに転送してPC上で閲覧することができません。

 このように、PC上で閲覧できない電子書籍のコンテンツであっても、PCとの連携機能が有用な場合は多くあります。「eMedia Connection」の技術は、このような場合でも活用できます。


●技術開発のポイント
 今回パーソナルメディアが開発した「eMedia Connection」の応用システムでは、電子書籍としてiPadを、開発用PCとの通信方法として無線LANを使用しています。ただし、「eMedia Connection」の技術自体は、これらの電子書籍端末や通信方法に依存するものではなく、他の端末などへの展開も可能です。

 電子書籍端末とPCが通信できること自体は、特に目新しい話題ではありませんが、こういった通信機能を応用したコンテンツやアプリケーション相互間の具体的な連携機能については、今後もいろいろな可能性があります。特に、有償のコンテンツとの組み合わせや、出版社やメーカーの違いを越えた連携などの運用面まで含めると、いろいろな応用やビジネスが考えられ、今後の研究の余地も少なくありません。「eMedia Connection」の発表は、こういった研究を始める契機になると考えております。


●参考資料
【関連情報】
 T−Engineフォーラム
 http://www.t-engine.org/
 TRONSHOW2011
 http://www.tronshow.org/
 パーソナルメディアのT−Engineソリューション
 http://www.t-engine4u.com/
 パーソナルメディアのウェブショップ
 http://www.personal-media.co.jp/webshop/


・TRONは”The Real−time Operating system Nucleus”の略称です。
・TRON、T−Engine、μT−Engine、T−Monitor、T−Kernelは、コンピュータの仕様に対する名称であり、特定の商品を指すものではありません。
・その他商品名等は各社の商標や登録商標です。

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