ＩＲジャパン、新開発のパッケージＳＭＤ０．２を採用した宇宙用パワーＭＯＳＦＥＴを受注開始

インターナショナル・レクティファイアー
新開発のパッケージＳＭＤ０．２を採用した宇宙用パワーＭＯＳＦＥＴを受注開始
〜システムの小型・軽量化に最適なパッケージ〜



　パワー・マネジメント（電源管理）技術で世界をリードするインターナショナル・レクティファイアー・ジャパン（ＩＲジャパン）株式会社（本社：東京都豊島区）は８日、耐放射線特性を強化した（ＲＡＤ−Ｈａｒｄ（ＴＭ））パワーＭＯＳＦＥＴの受注を開始しました。製品化した３品種とも耐圧１００Ｖで、新たに開発したパッケージＳＭＤ０．２に搭載しています。ＳＭＤ０．２は、ハーメチックシール（気密封止）の小型表面実装パッケージで、衛星の電源や電源系バス・システムなどの宇宙用に最適です。


※参考画像は、添付の関連資料を参照


　ＩＲ社が新たに特許を取得したハーメチックシールの小型パッケージＳＭＤ０．２は、熱伝導率を高めるために窒化アルミニウム（ＡｌＮ）のセラミックを使っています。耐放射線型ＭＯＳＦＥＴ専用に開発したもので、電源の小型・軽量化への要求が高い用途に適しています。大きさは０．３インチ×０．２インチ×０．１インチ（８ｍｍ×５ｍｍ×３ｍｍ）で、重さはわずか０．２５ｇです。従来のＳＭＤ０．５パッケージと比べて、実装面積は５０％小さく、重さは７５％軽くなっています。最大消費電力は、従来品と同じ２３Ｗ程度です。

　３品種ともＩＲ社の実績のある耐放射線型ＭＯＳＦＥＴ技術を使って製造されています。総照射線量（ＴＩＤ、＊１）が１００ｋｒａｄ（Ｓｉ）の製品だけでなく、３００ｋｒａｄ（Ｓｉ）の製品も用意しています。ＳＥＥ（＊２）は８５ＭｅＶ／（ｍｇ／ｃｍ２）です。３品種のうちＩＲＨＬＮＭ７７１１０とＩＲＨＮＭ５７１１０はｎチャネルＭＯＳＦＥＴ、ＩＲＨＮＭ５９７１１０はｐチャネルＭＯＳＦＥＴです。ＩＲＨＬＮＭ７７１１０は標準論理レベルで動作します。耐圧１００Ｖ以外の製品も用意できます。ＳＭＤ０．２パッケージは金属のふた、またはセラミックのふたのどちらかを選べます。
１００個購入時の単価はＩＲＨＮＭ５７１１０とＩＲＨＮＭ５９７１１０の３７１米ドルから、ＩＲＨＬＮＭ７７１１０の４６５米ドルの範囲となっています（米国での参考価格）。この製品は米国の輸出規制法の対象品です。データシートや画像データはＩＲジャパンのホームページ（http://www.irf-japan.com）から入手できます。


※参考表は、添付の関連資料を参照


＜用語説明＞

＊１）ＴＩＤ（ｔｏｔａｌ　ｉｏｎｉｓｉｎｇ　ｄｏｓｅ）：衛星など宇宙で使われる半導体部品は、主にシリコン半導体が使われています。シリコン半導体は放射線によって劣化します。放射線による劣化は、総照射線量（ｔｏｔａｌ　ｉｏｎｉｓｉｎｇ　ｄｏｓｅ）によって決まります。これをトータルドーズ効果と呼んでいます。

＊２）ＳＥＥ（ｓｉｎｇｌｅ　ｅｖｅｎｔ　ｅｆｆｅｃｔ）：宇宙に存在する陽子線や重粒子線などの高エネルギ粒子の放射線によって起こる現象で、１粒の高エネルギ粒子による単発現象のことです。１粒の粒子が半導体デバイスの逆バイアス接合に入射したときに１回だけパルス状の電流が発生し、ラッチアップなどの現象が起こります。これに対しトータルドーズ効果（ＴＩＤ）は徐々に劣化します。


＜インターナショナル・レクティファイアー（ＩＲ［Ｒ］）社について＞

　ＩＲ社はパワー・マネジメント（電源管理）技術のリーダーです。ＩＲ社のアナログＩＣ、デジタルＩＣ、アナログ／デジタル混在ＩＣ、最先端パワー・マネジメント製品は、コンピュータの性能向上や、企業や家庭のさまざまな電気製品の省エネに貢献しています。コンピュータ、省エネ家電、照明器具、自動車、衛星・航空・防衛用システムなどの主な製造企業は、次期製品の性能向上のためにＩＲ社のパワー・マネジメント・ソリューションに頼っています。本社は米国のカリフォルニア州エルセグンド。ホームページはhttp://www.irf.comです。


　注：ＩＲ［Ｒ］、ＲＡＤ−Ｈａｒｄ（ＴＭ）はＩｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ　Ｒｅｃｔｉｆｉｅｒ　Ｃｏｒｐｏｒａｔｉｏｎの登録商標または商標です。当資料に記載されるその他の製品名の商標はそれぞれの所有者に帰属します。