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日本無線、日清紡HD徳島事業所でエネルギーマネジメントシステムの実証実験設備を稼働
スマート化社会に向けた
スマートコミュニティ事業の取り組みについて
日本無線株式会社(本社:東京都杉並区、代表取締役社長:土田隆平 以下、JRC 日本無線)は「環境カンパニー」を標榜する日清紡グループの一員として環境・エネルギー分野に参入し、新たな成長分野として取り組んでまいります。このたび、日清紡ホールディングス徳島事業所内に完成したスマートファクトリーにおいて、JRC 日本無線製のEMS(エネルギーマネジメントシステム)の実証実験設備が稼働を開始しました。今後はこの実証実験を通じて、スマートコミュニティ構築への取り組みを進めてまいります。
今回完成したスマートファクトリーは、太陽電池・燃料電池などのクリーンエネルギーによる発電システム、電気二重層キャパシタを使った蓄電システム、そして電力ロスとなる直流/交流変換をなくす高電圧直流給電システムと電力を監視・制御するEMSなどを組み込んだ「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」技術のつまったシステムです。
JRC 日本無線は、このスマートファクトリーでのEMSの実証実験を通じて、ICTを活用した人と環境との新たなコミュニケーションの世界「スマートコミュニティ」づくりの取り組みを進めていきます。
※参考画像は添付の関連資料を参照
■稼働を開始したEMS(Energy Management System エネルギーマネジメントシステム)について
太陽光や風力を利用した再生可能エネルギー発電システムは気象に依存した不安定な発電です。負荷の消費電力を超えた発電電力を一時的に蓄えて発電のないときに利用するための蓄電池や、電力不足発生に備えて発電制御が可能な燃料電池や商用電源なども利用されることがあります。EMSはこれらの設備と負荷消費の電力を一体的に管理して効率的運用を行います。
※参考資料1は添付の関連資料を参照
■特長
・気象予測を取り込んだ運転計画立案
24時間先までの気象情報から今後24時間の発電量を予測し、過去の実績を踏まえた消費電力見込みと比較して電力の不足を予見し、燃料電池の起動を計画します。
・余剰電力を有効利用
消費電力を超える発電電力は蓄電池に充電し、太陽光や風力による発電が無いときに利用します。
・運転計画を随時修正
発電や消費などの現在の状況を監視し、30分毎に以降の運転計画を修正します。
・発電状況に合わせた負荷制御
運転計画の修正後でも電力の不足が予見される場合は負荷を制御して節電します。現状では照明の減光・部分消灯等の組み合わせを実施しています。
・高電圧直流により効率向上
受配電系を高電圧直流とすることで電流損失を低減するとともに、負荷の直流化により交流変換に伴う変換損失を排除。交流で必要な周波数同期設備も不要としました。
・電力系は自律動作
電力の流通を自律的に行っているため、万が一のEMS停止時でも電力系は運転を継続します。
※イメージ図は添付の関連資料を参照
■スマートコミュニティ事業の取り組み
JRC 日本無線は無線通信・情報処理・太陽光発電システム・電気二重層キャパシタ・燃料電池など日清紡グ
ループの技術を活用し、「防災」「交通」「船舶」の3分野でスマート化社会に貢献してまいります。
※参考資料2は添付の関連資料を参照
(1)「防災」のスマート化
長年培った防災関連技術と運用ノウハウを活用し、災害に強い安全・安心なまちづくりに貢献していきます。
無線ネットワークソリューション、防災情報処理、高電圧直流給電などの技術と再生可能エネルギー、EMS
(エネルギーマネジメントシステム)の技術を融合して新しい防災システムを提供します。
(2)「交通」のスマート化
これまでITS(高度道路交通システム)技術を駆使して、道路交通の円滑化や運転の快適性向上に貢献してきました。
次世代光ビーコン、車車間・路車間車載通信機器、準ミリ波レーダなどの周辺監視技術により車の情報通信機能を強化し、渋滞・事故の少ない安全・安心かつ省エネルギーな自動車交通の実現に貢献していきます。
(3)「船舶」のスマート化
海運業界においては、2013年以降、国際海運からのCO2排出削減規制が実施されます。
船上における動揺計測、波浪計測などのセンサー技術、次世代の船陸間高速ブロードバンドとして期待される船舶用通信端末技術、更に、海洋版地理情報システムにより安全・安心、省エネ運航に貢献していきます。
JRC 日本無線は、スマートコミュニティ事業で地域社会への貢献、海外への展開を目指します。