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三菱ガス化学と日揮、ドイツで共同ライセンス供与によるDME製造プラントが完成
ドイツで共同ライセンス供与によるDME製造プラントが完成
三菱ガス化学株式会社(代表取締役社長 酒井和夫、本社 東京都千代田区丸の内2−5−2、以下「三菱ガス化学」)と日揮株式会社(代表取締役会長 竹内敬介、横浜本社 横浜市西区みなとみらい2−3−1、以下「日揮」)は、2010年5月にドイツの化学メーカー、グリロ社(Grillo A.G.)に対し、ジメチルエーテル(以下「DME」)製造プロセスライセンスを供与いたしておりましたが、本年10月11日17時(ドイツ時間)に、フランクフルトの工業地帯内に本プロセスを用いたDME製造プラントが性能保証運転を経て成功裏に完成し、商業運転を開始しましたのでお知らせいたします。これにより、本プロセスの技術的信頼性がより確かなものになったと認識しております。
DMEは、現在、化粧品や塗料等のスプレー噴射剤用途として主に使用されていますが、その物性が液化石油ガス(以下「LPガス」)に類似しており、輸送や貯蔵が容易なことから、海外を中心に、LPガス代替/補完燃料、ディーゼル代替燃料としてボイラーおよび自動車燃料としての利用が進んでいます。排気ガス中に硫黄酸化物(SOx)やスス(PM)を全く発生させない点、さらに天然ガスや石炭などからメタノールを経由し容易に製造できる点などから、発電用途も視野に入れたクリーンエネルギーとして、将来活用されることが期待されています。
本プロセスのベースとなるDME製造技術は、三菱ガス化学により1965年に開発されました。同社は単独でDME製造プラントの建設および運転を行うとともに、海外企業2社へライセンスを供与するなど、事業展開を図ってまいりました。
2001年からは、DMEの燃料用途を目的としてプロセスの大型化(年産150万トン程度)を目指し、三菱ガス化学と日揮共同による大型化に適したプロセスの開発および最適化を開始しました。2008年には燃料DME製造株式会社(本社 新潟市)にライセンス供与しております。
本プロセスは、三菱ガス化学によって開発された高性能触媒の採用と、プロセス構成の最適化により、不純物の少ない高純度のDME製造を可能にしています。さらに、将来的に、年産100万トンを超える規模のプロセスを確立することで、燃料用途の代替エネルギーとしてのDMEの用途拡大に貢献することが可能となります。
三菱ガス化学と日揮は、海外企業向けのライセンス供与に積極的に取り組むとともに、DMEの普及促進にも注力してまいります。
[グリロ社の概要]
名称 :Grillo−Werke AG
本社所在地 :ドイツ デュイスブルグ
代表者 :会長 Ulrich Grillo
従業員 :1,621名(2011年9月30日時点)
[DME製造プラントの概要]
建設地 :ドイツ フランクフルト Industriepark Hochest内
生産能力 :スプレー噴射剤用グレードDME:年産20,000トン
※参考画像は添付の関連資料を参照