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アルバックなど、自動車用樹脂ガラス部品の量産用プラズマ成膜装置を発表

2012-10-16

SABICとULVAC、自動車PC樹脂ガラス量産用新プラズマ成膜装置:ULGLAZEシステムを発表



 熱可塑性エンジニアリングプラスチックおよび先端素材ソリューションの世界的リーダーであるSABICイノベーティブプラスチックスと真空技術のリーダーである量産装置メーカーの株式会社アルバック(以下アルバック)は、10月11日、自動車用樹脂ガラス(ポリカーボネート/PC)部品の量産用プラズマ成膜装置「ULGLAZEシステム」を発表いたしました。ULGLAZEは、アルバック茅ヶ崎本社工場にて製造され、SABICとアルバックの2年間に渡る共同作業の一環として開発された成果です。

 SABICのLEXAN(TM)樹脂製品とEXATEC(TM)プラズマ成膜用に最適化されたこのユニークな成膜装置は、自動車のOEMや部品メーカーが軽量で、且つ耐久性があり、空力特性を向上する樹脂ガラス部品(リアクォーターおよびサイドウインドー、リアウインドー、リアスポイラー、サンルーフ等)の製造を可能にし、自動車の耐用年数を通して優れた物理的性能と美しい外観を提供します。

 この技術の発表は、燃料効率改善の為の車体軽量化を実現するために、自動車メーカーがPC樹脂ガラス技術を最大限に活かすことを可能にする画期的な出来事です。また、この功績は、各分野で高い技術力を持つ2社が自動車業界で積極的に共同作業を実施した成果を実証するものです。これにより自動車業界は、費用対効果の高いPC樹脂ガラス技術を様々なアプリケーションに導入することが可能となりました。

 「EXATECプラズマ成膜技術を研究した結果、処理時間および性能に対する大きな利点があるということが分かりました」と、アルバックの代表取締役執行役員社長の小日向 久治氏は語ります。「その上、PC樹脂ガラス製造に使用される他のプラズマ成膜技術と比べてEXATECプラズマ成膜技術には最低30倍の処理速度があることが分かりました。また、プロセスおよびプラズマ成膜技術はULGLAZE装置の開発設計を通して検証されました。SABICの成膜技術に様々な自動車用部品製造装置に関するアルバックが持つ幅広い経験を組み合わせることで、高い生産性と信頼性を提供するシステム開発が実現しました。」

 SABIC、オートモティブPCグレージングユニット、リードエグゼクティブのアマンダ・ローブルは、「この量産成膜技術の発表により、PC樹脂ガラスは自動車デザインにおいてさらに大きな役割を果たすことができるようになり、燃料効率の向上、排気ガス放出の削減、および走行距離の拡大に対してさらに大きく貢献します。この装置により、自動車メーカーはPC樹脂ガラス技術を最大限に活かす事により、他のパーツと部品統合することが可能となります。この勢いを加速するために、SABICとアルバックは共同作業を継続してプラズマ成膜されたLEXAN樹脂製自動車樹脂ガラス部品を作るために研究開発に投資を行い、この装置とプロセスをさらに改善する予定です」。とコメントしました。


■効率的な大規模生産

 この新しい大量生産技術は、次の3つの先進的技術に基づいています:
  (1)高速低温成膜、連続成膜プロセス、様々なサイズおよび形状の部品を成膜する能力
  (2)LEXAN樹脂の優れた耐衝撃性
  (3)EXATECプラズマ成膜技術の優れた耐候性および耐摩耗性
 こうした両社の技術がひとつとなって高品質な製品を一貫して生産することが可能となり、スループットも最適化されました。特に、高速低温成膜および高い生産性が可能になる事により、お客様は費用対効果を最大限に活かす事が出来ます。

 アルバックには、自動車部品製造装置の設計、製作、およびそれらを供給してきた長い歴史があります。アルバックは、ULGLAZEと同様に信頼性および生産性の高い、大型部品の成膜能力をもった連続成膜装置をこれまでに1,000台以上販売しています。

 自動車部品の樹脂ガラス製造に加え、ULGLAZEは、家電製品用ディスプレイ(タッチパネル、モニターガラス等)および電子部品、半導体および太陽電池部材への応用にも適しています。


 ※製品画像は添付の関連資料を参照


<編集者注>
 ・(TM)が付されたブランドはSABIC社の商標です。
 ・SABICはSABIC ホールディングヨーロッパ BVの商標です。


<アルバックについて>

 アルバックは、真空技術のパイオニアとして1952年に日本で設立されました。アルバックは、真空技術の進化と共に成長してきました。現在、LCD、PDP、OLED等のディスプレイ、様々な種類の電子部品および半導体、自動車部品、医薬品等、真空技術をベースにした製造装置およびサービスを供給する唯一の会社です。2012年のアルバックグループの売上高は1,970億円であり、従業員数は6,981人です。アルバックは、装置、機器、部品だけでなく、材料、ファウンドリーサービス、メンテナンス、CIP等を供給するソリューションパッケージを提供し、顧客満足度を強化しています。アルバックは、真空技術以外の新しい分野においても製品開発を推進しており、業界の発展に貢献を続けています。


<SABICについて>

 SABIC(Saudi Basic Industries Corporation)は世界トップの石油化学企業の1つで、ポリエチレン、ポリプロピレン、および他の高機能樹脂、グリコール、メタノール、ならびに肥料のメーカーとして世界のマーケットをリードする企業の1つです。

 2011年のSABICの純利益はSR292.4億(78億米ドル)を記録し、同年総売上高はSR1,899億(506.4億米ドル)、2011年末時点の総資産はSR3,327億(887.4億米ドル)です。

 SABICは、基礎化学品、ポリマー、高機能化学品、肥料、金属、イノベーティブプラスチックス事業を展開し、研究施設としてサウジアラビア、米国、オランダ、スペイン、インド、および韓国に17の充実した専門のテクノロジー&イノベーションセンターを配置しています。SABICは世界40か国以上で展開、全世界でおよそ4万人の従業員を雇用しています。

 SABICはサウジアラビア、アメリカ大陸、ヨーロッパおよびアジア太平洋地区を拠点に生産活動を行っています。

 リヤドに本拠地を置くSABICは、1976年にサウジアラビア政府が石油産出に伴って発生する炭化水素ガスを化学物質、ポリマー、肥料生産の主要原料にすることを決定した際に設立されました。サウジアラビア政府はSABIC株の70%を所有し、残りの30%はサウジアラビアの個人投資家および他の湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council)諸国が保有しています。


<SABICのイノベーティブプラスチックス事業について>

 SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、80年の操業実績を持つエンジニアリングプラスチックの大手グローバルサプライヤーで、お客様の緊急な課題を解決する画期的なソリューションを提供しています。現在、同社の売上は数十億ドルに上り、世界35か国で約9,000人の従業員を雇用しています。SABICのイノベーティブプラスチックス事業は、お客様とのコラボレーションや新しいポリマー技術、グローバルアプリケーション開発、加工技術、および環境に配慮したソリューションへの継続的な投資により、自動車、エレクトロニクス、建築/建設、輸送、医療などの幅広い市場をターゲットに、今後もプラスチック業界のリーダーであり続けます。同社の幅広い製品ポートフォリオには、熱可塑性樹脂、コーティング、特殊コンパウンド、フィルム、シートなどがある。SABICのイノベーティブプラスチックス事業(http://www.sabic-ip.com)は、Saudi Basic Industries Corporation(SABIC)の完全子会社です。

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