東京商工リサーチ、２０１１年度全国信用保証協会実績状況を発表

２０１１年度全国信用保証協会実績状況
〜　代位弁済件数・金額ともに２年連続減少　〜



　２０１１年度の全国５２信用保証協会（以下、保証協会）の代位弁済は、件数が７万７，５８６件（前年度比１１．０％減）、金額が８，６０７億８，６００万円（同８．７％減）と、２年連続で件数・金額ともに前年を下回った。中小企業金融円滑化法（以下、金融円滑化法）が２０１３年３月末まで再度延長され、前向きに返済猶予に応じる同法に準じた対応が行われたためとみられる。
　保証承諾は、中小企業への新規融資が伸び悩み、件数が８６万９，９７２件（同１３．４％減）、金額が１１兆５，５３２億９，６００万円（同１８．６％減）と、引き続き減少した。保証債務残高は３４兆４，４６３億６，２００万円（同１．８％減）と、中小企業向けの新規貸出が伸び悩み、金融円滑化法による返済猶予もあって債務残高は減少した。

　※本調査は、全国５２保証協会の２０１１年度（２０１１年４月〜２０１２年３月）の決算資料から、保証承諾、保証債務残高、代位弁済状況の３項目を抽出、分析した。


＜全国９地区代位弁済件数・金額そろって減少＞
　２０１１年度の代位弁済件数は７万７，５８６件（前年度比１１．０％減）、弁済額は８，６０７億８，６００万円（同８．７％減）と、２年連続で件数、金額ともに減少した。景気対応緊急保証制度（以下、緊急保証）や金融円滑化法などの政策支援で倒産が抑制され、弁済額はここ数年で最少となった。
　地区別では、件数は関東が２万９，１９５件（構成比３７．６％）と最も多く、最少は四国の１，７３２件（構成比２．２％）だった。
　代位弁済額では、最も大きかったのは関東の３，３０８億９，０００万円（構成比３８．４％）、最も小さかったのは四国の１６３億６，２００万円（同１．９％）だった。
　１件当たりの代位弁済額は、近畿が１，２００万円で最大。次いで、北陸１，１７５万円、関東１，１３３万円、中部１，１１２万円、東北１，０００万円と続く。最小は中国の７００万円だった。
　代位弁済件数が前年度より増えた保証協会は、沖縄県（前年比２１．４％増）、熊本県（同２１．１％増）、新潟県（同１４．２％増）、宮崎県（同１１．１％増）、鳥取県（同７．１％増）、福井県（同４．４％増）、静岡県（同２．４％増）、兵庫県（同１．５％増）の８保証協会で、前年度より３保証協会増えた。
　代位弁済額が増えたのは沖縄県（前年比２９．７％増）、高知県（同１３．１％増）、新潟県（同１０．２％増）、福井県（同９．５％増）、徳島県（同８．２％増）、静岡県（同７．２％増）、熊本県（同６．８％増）、佐賀県（同５．２％増）、長野県（同４．８％増）、宮崎県（同３．６％増）、和歌山県（同３．２％増）、香川県（同１．５％増）、兵庫県（同１．３％増）、千葉県（同０．９％増）の１４保証協会で、前年度より１１保証協会増えた。
　代位弁済件数や金額が増加した保証協会は西日本に多い。代位弁済件数・金額ともに増加した信用保証協会は、新潟県、静岡県、福井県、兵庫県、熊本県、沖縄県の６保証協会で、新潟を除く５保証協会が西日本だった。

　〔保証状況〕

　　※表資料は添付の関連資料を参照



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