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アステラス製薬、「イプラグリフロジン」が他の血糖降下剤併用での有効・安全性を確認
アステラス製薬 SGLT2阻害剤 イプラグリフロジン(ASP1941)、
他の血糖降下剤との併用での有効性と安全性を確認
2型糖尿病患者を対象とした国内第III相臨床試験結果を欧州糖尿病学会で発表
アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、欧州糖尿病学会(European Association for the Study of Diabetes、以下「EASD」)の第48回年次総会(開催場所:ベルリン)において、現在開発中のSGLT2阻害剤 イプラグリフロジン(開発コード:ASP1941)の日本での第III相臨床試験(他の血糖降下剤との併用試験 2試験)の結果を現地時間 2012年10月2日に発表しましたのでお知らせします。
ポスターの演題(演題番号:739)は「Ipragliflozin Reduced HbA1c and Body Weight in Japanese Type 2 Diabetes Mellitus Patients Who Have Inadequate Glycaemic Control on Sulfonylurea or Pioglitazone Alone」で、滋賀医科大学医学部附属病院の柏木厚典 病院長より、日本人2型糖尿病患者を対象としたスルホニルウレア剤またはピオグリタゾン併用二重盲検並行群間比較試験(以下それぞれ「SU試験」、「PIO試験」)の結果が発表されました。それぞれスルホニルウレア剤またはピオグリタゾンの単独療法にて血糖管理不十分な2型糖尿病患者 242人、151人を対象とし、イプラグリフロジン 50 mgまたはプラセボを1日1回、24週間、各血糖降下剤と併用投与した際の有効性及び安全性を評価しました。
24週間投与後、イプラグリフロジンは主要評価項目であるヘモグロビンA1c(HbA1c)を統計的な有意差をもって低下させ、プラセボ群と比較したベースラインからのHbA1c低下量の差はSU試験で1.14%、PIO試験で0.88%でした(ともにp<0.001)。さらに、イプラグリフロジンの投与により統計的に有意な体重減少作用も認められ、体重減少量のプラセボ群との差はSU試験で1.32kg、PIO試験で2.79kgでした(ともにp<0.001)。なお、SU試験、PIO試験ともに、イプラグリフロジンの安全性と良好な忍容性が確認されました。
<EASDで紹介されるポスターについて>
演題番号 :739
表 題 :Ipragliflozin Reduced HbA1c and Body Weight in Japanese Type 2 Diabetes Mellitus Patients Who Have Inadequate Glycaemic Control on Sulfonylurea or Pioglitazone Alone
日時(現地時間):10月2日13時45分−14時45分
アステラス製薬は、イプラグリフロジンの開発を進めることで、2型糖尿病患者さんに新たな治療選択肢を提供できることを期待しています。
<SGLT2阻害剤とイプラグリフロジンについて>
SGLT(Sodium−Glucose Co−transporters)は細胞表面に存在する膜タンパク質で、ブドウ糖の細胞内への輸送をつかさどっています。SGLT2はSodium−Glucose Co−transporterのサブタイプの1つであり、腎臓近位尿細管でのブドウ糖再取り込みにおける重要な役割を担っています。イプラグリフロジンはこのSGLT2を選択的に阻害することで、ブドウ糖の再取り込みを抑制し、血糖値を下げる薬剤です。
イプラグリフロジンは2型糖尿病の適応症取得を目指して寿製薬株式会社と共同開発しています。
<2型糖尿病について>
糖尿病は、体内の血糖値の調整が困難になる疾患であり、1型糖尿病と2型糖尿病の2つのタイプに分けられます。このうち2型糖尿病は以前「インスリン非依存型糖尿病」、または「成人発症型糖尿病」と呼ばれており、体内において血漿中の糖を体内に吸収する役割を担うインスリンが効きづらくなることとインスリンの相対的な欠乏から血糖値が高くなる状態をいいます。糖尿病の治療はまず運動療法と食事療法が行われますが、症状が進行するにつれて薬物療法が必要となります。
以上