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京セラなど、低消費電流・小型サイズの32kHz・ATカット型水晶発振器を開発
世界初(※1)の低消費電流80μAで小型2520サイズを実現
32kHz、ATカット型水晶発振器「KC2520M(32kHz)」を開発
高信頼性と省エネが求められる電気自動車やスマートメーター向けに対応
京セラ株式会社(社長:久芳 徹夫)の100%子会社で水晶デバイスの開発製造会社である京セラクリスタルデバイス株式会社(社長:木里 重亮)は、主に電気自動車やスマートメーター向けの水晶デバイスとして、出力周波数32kHz、ATカット型水晶発振器で、世界初の(※1)低消費電流80マイクロアンペア(μA)で、かつ、これまで一般的に使用されている3225サイズ品に比べ実装面積約40%減の小型化を実現する水晶発振器「KC2520M(32kHz)」の開発に成功しましたのでお知らせいたします。
本年9月よりサンプル対応を開始し、販売は京セラがおこないます。
※1:2012年8月28日現在、京セラクリスタルデバイス調べ
※製品画像は、添付の関連資料を参照
名称:AT カット型水晶発振器
「KC2520M(32kHz)」
用途:電気自動車、スマートメーター、その他一般電子機器
外形寸法:2.5×2.0mm(横×縦)製品高さ0.7mm
サンプル対応:2012年9月より
出力周波数:32kHz
消費電流:80μA
■開発の背景
32kHzの水晶デバイスは、時計機能として多くの一般電子機器に搭載される電子部品で、近年では、自動車やスマートメーターなどへの利用範囲が広がってきています。
特に車載用途では高信頼性が求められるため、高強度で、広い温度範囲下でも安定して使用できる高精度デバイスであるATカット型の水晶発振器が使われてきました。
従来製品の一般的な消費電流は数ミリアンペア(1mA=1,000μA)ですが、車載用の中でも昨今特に需要が高まるEV/HEV車向け製品は、小型化、高強度、高精度に加え、バッテリー消費を抑えるために、さらなる低消費電流化への要求が高まっています。
京セラクリスタルデバイスでは、これらのニーズを踏まえ、32kHz・ATカット型水晶発振器の開発に着手し、このたび世界で初めて80μAの低消費電流と2520の小型サイズを実現した、水晶発振器「KC2520M(32kHz)」を製品化しました。
本製品を提案することで、今後ますます拡大する車載用途や環境エネルギー製品の発展に貢献してまいります。
本製品は、本年10月2日(火)〜6日(土)千葉幕張メッセにて開催される「CEATEC JAPAN 2012」に出品いたします。
■「KC2520(32kHz)」の主な特長
1.IC技術により、出力周波数32kHz、ATカット型の水晶発振器で世界初の低消費電流を実現
ICメーカーとの協業により、小型でありながらも32kHz、ATカット型の水晶発振器としては世界で初めて80μAの低消費電流を実現しました。これにより、バッテリー消費の抑制が求められるEV/HEV車への用途が拡大し、電子機器等の高性能化に貢献します。
2.温度特性に優れたATカット振動子を使用
「KC2520M(32kHz)」は、携帯電話やCPUの基準周波数源に使用されているATカット水晶振動子を使用しているため、音叉型水晶振動子に比べ温度特性に優れ、高い周波数精度の実現が可能です。そのため、広い温度範囲において電子機器に組み込まれた時計機能の正確さが要求される車載用途やスマートメーターなどにおいても、高い精度を確保することができます。また、水晶とICを一体化した形状により、耐衝撃性においても音叉型に比べ高強度を有します。
3.小型化を実現
京セラクリスタルデバイスは、携帯電話やパソコン向けの製品開発でこれまで培った小型ブランク加工技術、IC実装技術を駆使することで、これまで32kHz、ATカット型水晶発振器で一般的に使用されている3225サイズに比べ、実装面積約40%削減となる2520サイズの製品化に成功しました。
■水晶発振器「KC2520M(32kHz)」の仕様
外形寸法:2.5x2.0x0.7mm typ
出力周波数:32.768kHz
動作温度範囲:−40〜125℃
周波数温度特性:±80x10−6
周波数偏差vs負荷:±4x10−6
周波数偏差vs電源電圧:±0.5x10−6(Vcc±10%)
動作電源電圧:1.6〜5.5V
出力電圧:MIN 90%Vcc
消費電流:typ 80μA