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古河電工、大容量光通信対応のマルチコアファイバ用光増幅器を開発

2012-09-25

大容量光通信に対応するマルチコアファイバ用光増幅器を開発
〜7コアの光ファイバに一括励起で増幅し、大幅な省電力化を実現〜



 当社は7つの光信号を同時に入力可能な光ファイバ(MCF)(注1)用のマルチコアエルビウム添加光ファイバ増幅器(MC−EDFA)(注2)を開発しました。さらに、当社の光ファイバの接続機構及び増幅技術によって、一括励起型のMC−EDFAを開発し、大幅な光増幅器の省電力化を実現しました。

 この研究の一部は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の高度通信・放送研究開発委託研究、「革新的光ファイバ技術の研究開発」(H22−H24)および「革新的光通信インフラの研究開発」(H23−H27)の一環として行っています。また、マルチコアファイバの研究開発は東北大学(中沢研究室)と、MC−EDFAの研究開発は東北大学(中沢研究室)及び東北学院大学(松浦研究室)と、MC−EDFA内に使用されたマルチコアファイバ接続技術は千葉工業大学(長瀬研究室)と共同で行っています。


<背景>
 世界的にスマートフォンの利用等で通信量が増加し続けており、このままでは中継局での装置数や消費電力量の増大が懸念されています。当社ではその大容量光通信を可能にするためのアイテムとして、1本のファイバの中に7つの通路(コア)を持つことで、多重伝送が可能な新型の光ファイバ(注1)を開発しています。この光ファイバを用いて長距離伝送を実現するためには、光増幅器の開発が不可欠でした。


<今回の成果>
 当社は光ファイバ、増幅の2つの技術を用いて、制御性のよいコア個別励起の7コアEDFAと一括励起型MC−EDFAの2タイプの増幅器を開発しました。特に、一括励起型MC−EDFAは従来の増幅器のようにコアの数だけの励起レーザを必要とせず、大幅な省電力化がはかれます。

 7コア個別励起型はファイババンドルファンアウト(FBF)(注3)を介してMC−EDFに信号光と励起光を入力しています。このMC−EDFAの動作は、株式会社KDDI研究所(以下KDDI研)、日本電気株式会社(以下NEC)と共同で行った、6160kmのMCF伝送路に128Gbps×40波で構成した伝送実験において実証され、通信容量と伝送距離の積で表される伝送能力指数の世界最高記録177ペタビット/秒・kmを達成しています。

 一括励起型は空間結合系を用いてMC−EDFAに信号光と励起光を入力しています。現在、2コア増幅まで実証済みです。コア数が増大しても消費電力の増大がほとんどなく、コア数が増大するほど電力使用効率が上がることを確認しています。


<開発品の構成図例>

 ※添付の関連資料「添付資料」を参照


<今後の展望>
 低消費電力化、コア数の増加などの基礎研究、ならびに実用化への取り組みを進め、通信量の逼迫が見込まれる2020年以降の商品化を目指します。

 本内容のうち、2種のMC−EDFAはオランダ・アムステルダムで9月16〜20日に開催されるECOC(European Conference on Optical Communication)にて報告します。 さらに、KDDI研、NECとともに実施した伝送実験の結果はECOCのポストデッドラインペーパセッション内にて報告します。


<補足>

 ※添付の関連資料を参照


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