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ニコン、色収差低減と長作動距離化を実現した工業用顕微鏡を発売

2012-09-25

ニコン独自の光学技術から生まれた「位相フレネルレンズ」を採用
工業用顕微鏡「CFI60−2 対物レンズシリーズ」を発売



 株式会社ニコン(社長:木村 眞琴、東京都千代田区)は、工業用顕微鏡CFI60 対物レンズシリーズのさらなる色収差低減と長作動距離化(*1)を実現した「CFI60−2 対物レンズシリーズ」を開発し、2012年10月1日より順次発売を開始します。

 ※商品画像は添付の関連資料を参照


*1 作動距離:
 観察対象物に焦点を合わせたとき、対物レンズの先端から観察対象物までの距離を「作動距離」(WD:Working Distance)と呼びます。
 作動距離が長いと、対物レンズ切替時に観察対象物と対物レンズの接触を回避できるなど、さまざまな長所があります。


●発売概要

 商品名   工業用顕微鏡 CFI60−2 対物レンズシリーズ

  「位相フレネルレンズ(*2)」 採用の対物レンズ
   ・長作動距離対物レンズ TU Plan EPI/BD ELWD(明視野・明暗視野タイプ)
   ・超長作動距離対物レンズ T Plan EPI SLWD(明視野タイプ)
   ・長作動距離高級対物レンズ TU Plan Apo EPI/BD(明視野・明暗視野タイプ)

  「標準タイプ」対物レンズ
   ・TU Plan Fluor EPI/BD(明視野・明暗視野タイプ)
   ・極低倍率対物レンズ T Plan EPI(明視野タイプ)
   ・偏光用対物レンズ TU Plan Fluor EPI P(偏光用)

 価格     42,000円〜352,800円(税抜、仕様により異なります)

 発売予定日 2012年10月1日より順次発売


●開発の背景

 工業用顕微鏡は、半導体フラットパネルディスプレイ・電子部品・素材/材料分野の観察/検査、研究・解析用途など多くの分野で活用されています。
 これらの分野では、多種多様なサンプルがさまざまな観察方法の下で用いられており、高い光学性能と使いやすさが求められています。
 ニコンは、これらの要求に応え、現行製品CFI60 対物レンズシリーズで、これまで高い評価をいただいている「光学性能」と「長作動距離化」による使いやすさを、ニコン独自の光学技術から生まれた「位相フレネルレンズ」を採用することで、さらに進化させた「CFI60−2 対物レンズシリーズ」を開発しました。


●主な特長

 1.ニコン独自の「位相フレネルレンズ(*2)」の採用
  ニコン独自の光学技術から生まれた「位相フレネルレンズ」を工業用顕微鏡対物レンズに採用することで、コントラストを低下させる色収差を、各クラスで高度に補正し、鮮明でクリアな像を実現。さらに長作動距離化により操作性の向上を実現しました。

  ・長作動距離対物レンズ TU Plan ELWDシリーズ
    (作動距離:20Xで従来品より約1.5倍拡大)
  ・超長作動距離対物レンズ T Plan SLWDシリーズ
    (作動距離:100Xで従来品より約1.5倍拡大)
  ・長作動距離高級対物レンズ TU Plan Apoシリーズ
    (作動距離:100Xで従来品の5倍の作動距離2mm(150Xは1.5mm))

 2.標準タイプ対物レンズシリーズの基本性能の向上
  標準タイプの対物レンズ TU Plan Fluorシリーズ(明視野・明暗視野・微分干渉・偏光・蛍光用)については、10X、20Xの中倍率域の色収差性能を改良し、シリーズ全体の基本性能を向上しました。これにより従来シリーズの「高NA」と「長作動距離」を維持しつつ、さらに鮮明でクリアな像を実現しました。

 3.軽量化
  50X・100X・150Xの高倍率対物レンズを、従来より30%前後軽量化しました。
これにより、他の倍率の対物レンズとの重量差を低減し、対物レンズ切替を容易にします。

 4.極低倍率対物レンズのコントラストを向上
  極低倍率・広視野マクロ観察用T Plan EPI 1X、2.5X対物レンズは、対物レンズに円偏光板及びデポラライザーを組み込み、極低倍率対物レンズ特有の低反射率サンプル時のフレアーを抑え、鮮明でクリアな像が観察できます。これにより、本対物レンズを装置へ組み込む際にコントラストの低下を招くといった従来の潜在的問題を解消します。


*2 位相フレネルレンズ
 回折光学素子(Diffractive Optical Element)の1種です。
 多くのレンズは、光の屈折現象を利用して、観察面や撮像面などに像を結んでいます。
 光は、色(波長)の違いによって屈折する強さが異なり、レンズに近い方から青(B)・緑(G)・赤(R)の順で結像します。この色ズレは「色収差」と呼ばれ、色のにじみとなり、観察像や撮像した画像の劣化につながります。
 この色収差の発生を抑えるために、凸レンズや凹レンズを組み合わせたり、レンズのガラス素材で色収差の発生の少ないものを採用するなど、さまざまな方法がとられてきました。

 ニコンが開発した「位相フレネルレンズ」は、光の回折現象を利用しています。
 従来の屈折現象と異なり、レンズに近い方から赤(R)・緑(G)・青(B)の順で結像します。
 この「位相フレネルレンズ」を従来の屈折レンズと組合わせることにより、色ズレを相殺することが可能となり、強力な色収差の補正を実現することができます。

 回折現象:光は波としての性質を持っています。波は、障害物に出会ったときに、その陰の部分に回り込む性質をもっており、これを回折と呼んでいます。
 回折は、屈折とは逆順に色分散を発生する特徴があります。

 ※参考画像は添付の関連資料を参照


<CFI60−2 対物レンズの主な仕様>

 ※主な仕様は添付の関連資料を参照


【この件に関する問い合わせ先】
 ●お客様の問い合わせ先:
  株式会社ニコンインステック 産業機器営業本部
  セールスサポート&トレーニングセンター 若森
  100−8331 東京都千代田区有楽町1−12−1(新有楽町ビル) 03−3216−9171

 ニコン・ホームページ http://www.nikon.co.jp/
 ニコンインストルメンツカンパニー・ホームページ http://www.nikon-instruments.jp/


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