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武田薬品、短腸症候群治療剤「Revestive」の欧州での販売許可を取得

2012-09-08

短腸症候群治療剤Revestive(R)の欧州における販売許可取得について


 NPS Pharmaceuticals,Inc.(本社:米国ニュージャージー州ベッドミンスター、以下「NPS社」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、短腸症候群(SBS:Short Bowel Syndrome)治療剤「Revestive(R)」(一般名:teduglutide、米国製品名:Gattex(R))について、ナイコメッド・デンマーク ApS(所在地:デンマーク ロスキレ、武田薬品の100%子会社)が欧州委員会(EC)より販売許可を取得しましたのでお知らせします。


 今回の販売許可取得は、本年6月21日の欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)における承認推奨を受けたものであり、効能は成人における短腸症候群、投与方法は1日1回皮下注射となります。武田薬品は、欧州各国で、まずはNamed Patient Program(NPP)※を通じて本剤を提供する予定です。なお、今回の販売許可取得により販売可能となるのはEU加盟国であり、アイスランドおよびノルウェーにおいても30日以内に承認される見通しです。


 デンマーク・コペンハーゲン大学王立病院・消化器科のPalle Bekker Jeppesen教授は、「SBS患者さんは栄養欠乏や下痢に苦しんでおり、しばしば非経口栄養投与が必要となります。Revestiveは、治療法が限られているSBSに対して新規かつ非常に重要な治療オプションになるものと期待しています」と述べています。


 武田薬品のコーポレート・オフィサーで欧州・カナダ・コマーシャルオペレーション責任者であるTrevor Smithは、「本剤は、欧州でSBSの効能を取得した初めての薬剤であり、非経口栄養投与に依存するSBS患者さんに新たな治療オプションを提供することになります」と述べています。


 NPS社の社長兼CEOであるFancois Naderは、「今般の欧州における本剤の承認取得は、SBS患者さんにとって朗報です。今後も武田薬品と連携し、SBS患者さんに本剤をお届けしてまいります」と述べています。


※患者アクセスプログラムの一つ。該当する医薬品が承認されていない国、保険償還価格が決定していない国において、その使用を求める医師に対し、製造販売業者が患者を登録した上で個別に医薬品を提供するプログラムである。当プログラムの下での薬剤費は医療機関や医療保険給付者が負担するが、関連法令や倫理上の規制は各国で異なっている。


以上


<主な申請データについて>

STEP試験:

 ・試験デザイン:二重盲験、プラセボ対照
 ・患者数・投与群:非経口栄養投与を受けているSBS患者86名
      (teduglutide 0.05mg/kg/dayを1日1回皮下注射投与群:43名、プラセボ投与群:43名)
 ・投与期間:24週
 ・試験結果
 >主要評価項目である、「投与開始20週後および24週後の非経口栄養投与量を20%から100%減少させることのできた患者比率」において、teduglutide投与群は63%であり、プラセボ投与群の30%に対して有意に優れていました。(p=0.002)
 >副次評価項目である、「投与開始24週後の非経口栄養投与減少量」については、teduglutide投与群は4.4リットル/週であり、プラセボ投与群の2.3リットル/週より有意に優れていました。(p<0.001)
 >少なくとも1日以上、非経口栄養投与が不要となった患者数については、teduglutide投与群は21名(54%)に対してプラセボ投与群では9名(23%)でした。(p=0.005)
 >Tedugltite投与群の忍容性については良好でした。


<SBSについて>
 SBSは、クローン病や腸の虚血性疾患などに伴う小腸広範切除に起因し、患者さんの日常生活に大きく影響してQOLを損ない、重篤な合併症を発症しうる疾患です。小腸による栄養素・水・電解質の吸収が減少するため、SBSの患者さんには、栄養欠乏・重度の下痢・脱水・疲労・骨量減少・体重減少などの症状が現れます。通常、非経口栄養投与・点滴を含む栄養補給による治療が行われます。非経口栄養投与については、患者さん自身の栄養吸収能力の向上にはつながらないこと、感染症・血栓・肝臓への負担などリスクが伴うこと、そしてそのリスクは非経口栄養投与の期間が長くなると増加することが課題とされています。また、患者さんの睡眠を妨げること、頻尿、介護が必要となる場合があるなど、QOLにも影響します。
 現在、欧州でのSBSの患者数は人口100万人当たり約4名と稀な疾患です。


<Revestive(R)について>
 Revestiveは、消化器および内分泌系の希少疾患の開発に特化したNPS社の、腸粘膜再生に関与するグルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)の遺伝子組み換え・アナログで、SBS患者の非経口栄養への依存を軽減するための薬剤として開発されました。2本の臨床第3相試験では、本剤の安全性およびベースラインからの平均非経口栄養量の有意な減少が示されました。また、非経口栄養から離脱可能となり、そのまま非経口栄養なしで生活を続けている患者もいます。
 本剤は米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)よりSBSを効能とする希少疾患治療薬指定を受けています。
 2007年、旧Nycomed社はNPS社より、米国・カナダ・メキシコ・イスラエルを除く全世界での開発・販売権を取得しました。米国では、NPS社が2011年11月に米国食品医薬品局(FDA)に販売許可申請を行っています(製品名:Gattex)。

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