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エーザイ、抗がん剤「HALAVEN」が韓国で承認取得

2012-09-06

抗がん剤「HALAVEN(R)」が韓国で承認取得



 エーザイ株式会社(本社:東京都、社長:内藤晴夫)は、このたび、韓国の販売子会社「エーザイ・コリア・インク」(以下「エーザイ韓国」)が、抗がん剤「HALAVEN(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について、「アントラサイクリン系及びタキサン系抗がん剤を含む少なくとも2種のがん化学療法による前治療歴のある局所進行性・転移性乳がん」に係る効能・効果で韓国食品医薬品安全庁の承認を取得したと、発表しました。

 本剤は、当社が自社創製・開発した新規抗がん剤であり、前治療歴のある進行又は再発乳がんを対象とした臨床第III相試験(EMBRACE試験)において、単剤で統計学的に有意に全生存期間を延長した、世界で初めてのがん化学療法剤です。現在、今回の韓国での承認を含めて世界38カ国で承認が取得されています。

 乳がんは世界中で2番目に多く診断されるがんであり、韓国では毎年約1万5千人が新たに乳がんと診断されていると報告されています。今回の承認によって韓国においても、アンメット・メディカル・ニーズの高い後期転移性乳がんの患者様がこの革新的な治療薬を使用することが可能となります。

 韓国はアジアで日本、中国に次ぐ市場規模を有し、世界で12位の医薬品市場です。エーザイ韓国は、2011年10月に慢性リンパ性白血病および多発性骨髄腫を適応とする抗がん剤「Symbenda(R)」(一般名:ベンダムスチン塩酸塩)を発売し、がん関連疾患領域の市場に参入しています。今後、「HALAVEN(R)」が新たにがん関連疾患領域の製品に加わり、本領域における取り組みをさらに強化し、がん患者様とそのご家族の多様なニーズの充足とベネフィット向上により一層貢献してまいります。


以上


<参考資料>
 1.「HALAVEN(R)」(一般名:エリブリンメシル酸塩)について
  「HALAVEN(R)」は、新規の作用機序を有する非タキサン系微小管ダイナミクス阻害剤です。海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)から抽出されたハリコンドリン類の全合成類縁化合物であり、微小管の短縮(脱重合)には影響を与えずに伸長(重合)のみを阻害し、さらにチューブリン単量体を微小管形成に関与しない凝集体に変化させる作用を有しています。
  本剤は、乳がんについて2010年11月に最初の承認を米国で取得し、これまでに欧州、日本、シンガポール、スイス等、38カ国で承認を取得しています。また、前治療歴の少ない乳がん、軟部肉腫、非小細胞肺がんについても単剤での後期臨床試験が進行中です。さらに、より効率的にがん細胞に薬剤を分布させることをめざしたリポソーム製剤も臨床試験の準備中です。

 2.グローバル第III相試験(EMBRACE試験)
  EMBRACE試験は、多施設、無作為、非盲検、並行2群間比較試験で、HALAVEN投与群と治験医師選択療法施行群との間で全生存期間を比較するようにデザインされました。本試験では、2種類から5種類のがん化学療法剤(アントラサイクリン系およびタキサン系抗がん剤を含む)による前治療歴のある、局所再発性あるいは転移性乳がんの患者様762名が対象となり、HALAVEN投与群と治験医師選択療法施行群に2:1の比率で割り付けられました。治験医師選択療法施行群は、がん治療が認可された単剤化学療法、ホルモン療法、生物学的薬剤治療、または苦痛緩和治療、放射線治療と定義され、大多数(97%)の患者様は単剤化学療法を受けました。本試験解析の結果、HALAVEN投与群は主治医選択治療群と比較し全生存期間を2.5カ月間延長しました(全生存期間:13.1カ月 対 10.6カ月、ハザード比:0.81、p値:0.041)。
  また、当社は欧州と米国の審査当局からの依頼によりプロトコールの規定に加えてEMBRACE試験の結果をアップデートしました。その最新の解析データは、HALAVEN投与群では主治医選択治療群に比べて2.7カ月間の全生存期間の延長が認められました(全生存期間:13.2カ月 対 10.5カ月、ハザード比:0.81、p値:0.014)。
  HALAVEN投与群で高頻度(頻度25%以上)に認められた有害事象は、無気力(疲労感)、好中球減少、貧血、脱毛症、末梢神経障害(無感覚、手足等のしびれ)、吐き気、便秘でした。この中で、特に重篤な有害事象として報告されたのは好中球減少(発熱を伴う症例が4%、発熱を伴わない症例が2%)であります。またHALAVEN投与中止に至った主な有害事象は末梢神経障害(5%)でした。

 3.乳がんについて
  乳がんは、女性のがん疾患の中でも罹患数が多く、特に北米および欧州などの先進国で発生率が高いと言われていますが、日本や韓国においても、乳がん罹患率は増加傾向にあります。乳がんはその罹患率が30歳代から増加を始め、50歳前後にピークをむかえるという点で切実な問題となっています。
  近年、検診や早期発見の普及により、乳がんの患者様数は増加しており、毎年世界で約100万人が新たに乳がんと診断されると考えられています。なかでも早期乳がんと診断された患者様の約40%が局所進行性または転移性乳がんへと進行するといわれています。転移性乳がんの5年生存率は約20%というデータがあります。米国では、毎年約20万人が新たに進行性乳がんと診断され、約4万人の患者様が乳がんでなくなられています。また欧州では、人口10万人あたり毎年110人が罹患し、そのうち38人の患者様が、また日本でも人口10万人あたり毎年33人が罹患し、そのうち8人の患者様が、それぞれなくなられています。そして、患者様数は年々増加傾向にあると言われており、未だアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患であると言えます。


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