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バイエル薬品、「レゴラフェニブ」について消化管間質腫瘍への適用を米国で承認申請

2012-09-06

バイエルのレゴラフェニブ 消化管間質腫瘍(GIST)の適応を米国で承認申請



 ドイツ・ベルリン、2012年8月30日―バイエル ヘルスケア社は、経口マルチキナーゼ阻害剤レゴラフェニブについて、ほかのキナーゼ阻害剤による治療にて病勢進行が認められた転移性又は根治切除不能な消化管間質腫瘍(GIST:gastrointestinal stromal tumors)の適応で、米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)に承認申請を行いました。

 バイエル ヘルスケア社の経営委員会メンバーで、グローバル開発責任者のケマール・マリックは次のように述べています。「GIST治療のためのレゴラフェニブの承認申請は、この進行性疾患(進行したGIST)を持つ患者さんの強い医療ニーズに応えるための一歩前進といえます。われわれは患者さんのために、新しいがん治療法の開発に全力を注ぎます。特に、有効な治療法がない患者さんにとっては、新たな治療選択肢が必要です」

 この承認申請は、第III相臨床試験GRID(GIST−Regorafenib In Progressive Disease)から得られたデータに基づき行いました。本試験では、イマチニブ及びスニチニブによる前治療にて、病勢進行が認められた転移性又は根治切除不能なGIST患者さんを対象に、レゴラフェニブとベストサポーティブケア(BSC:best supportive care)の併用群と、プラセボとBSCの併用群とを比較検討しました。レゴラフェニブとBSCの併用群では、プラセボとBSCの併用群と比べ、無増悪生存期間の有意な延長が認められました。GRID試験におけるレゴラフェニブの全般的な安全性と忍容性のプロファイルは、これまでの試験から得られた結果と同様でした。本試験の結果は、2012年6月に米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)年次学術集会で発表されました。

 今年すでにバイエルは、レゴラフェニブについて、転移性大腸癌に対する承認申請を欧州医薬品庁(EMA:European Medicines Agency)とFDAへそれぞれ行っています。また、FDAは、レゴラフェニブの転移性大腸癌に対する承認申請を優先審査に指定しました。


<GRID試験について>
 GRID試験は、GISTの治療に関してレゴラフェニブを評価した多施設共同の無作為化、二重盲検、プラセボ対照の第III相臨床試験です。本試験には、イマチニブ及びスニチニブによる治療にて病勢進行が認められたGIST患者さん199人が登録されました。

 患者さんは、有効性と安全性を評価する目的で、レゴラフェニブとBSCの併用群、または、プラセボとBSCの併用群に2対1の割合で無作為割付されました。両群とも、BSCのもと、レゴラフェニブ160mg(またはプラセボ)を1日1回3週間投与した後、1週間休薬するサイクルで投与が行われました。主要評価項目は無増悪生存期間で、副次評価項目は全生存期間、無増悪期間、病勢コントロール率、奏効率、奏効期間でした。2群間の安全性と忍容性の比較評価も行われました。


<レゴラフェニブについて>
 レゴラフェニブは、腫瘍増殖と腫瘍進行にかかわる3つの重要な機序―血管新生、腫瘍形成、腫瘍微小環境―を標的とする、開発中の経口マルチキナーゼ阻害剤です。臨床試験では、レゴラフェニブは腫瘍の血管新生とリンパ管新生において重要な役割を果たす複数のVEGF受容体チロシンキナーゼを阻害します。また、KIT、RET、PDGFR、FGFRなどの腫瘍形成や腫瘍微小環境の構築、腫瘍進行に、単独または協調的にかかわるキナーゼも阻害します。現在、さまざまながんに対するレゴラフェニブ治療の可能性が、臨床試験で検討されています。

 レゴラフェニブは開発中の薬剤であり、EMAやそのほかの審査当局による製造販売承認は取得していません。

 2011年、バイエルはオニキス・ファーマシューティカル社と契約を締結しました。その契約のもとオニキス社は、オンコロジー領域におけるレゴラフェニブの全世界売上げに応じ、ロイヤリティを受け取ります。


バイエル薬品株式会社>
 2012年9月3日、大阪
 Bayer Yakuhin, Ltd./Communications(JPN−BHC−2012−0357)


<バイエル ヘルスケア社について>
 バイエルは、ヘルスケア、農薬関連、先端素材の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の一事業グループであるバイエル ヘルスケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とし、172億ユーロ(2011年)の売上高を持つヘルスケアと医薬品業界の革新的なリーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、一般用医薬品、メディカルケア(血糖自己測定器等)、医療用医薬品の分野に及びます。バイエル ヘルスケア社の目標は、人類と動物の健康を促進する製品を開発、製造、販売することです。バイエル ヘルスケア社は世界100カ国以上で55,700人(2011年12月31日現在)の従業員が働くグローバル企業です。
 http://www.bayerhealthcare.com


<将来予想に関する記述(Forward−Looking Statements)>
 このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述(Forward−Looking Statements)が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(http://www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。

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