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東京商工リサーチ、「東日本大震災」関連倒産(8月31日現在)の調査結果を発表
「東日本大震災」関連倒産(8月速報値:8月31日現在)
〜8月は今年最少の29件4カ月連続で前年同月を下回る〜
8月の「東日本大震災」関連倒産(速報値)は、今年最少の29件を記録した。これで5月から4カ月連続で前年同月を下回った。震災からの累計は、880件(8月31日現在)を数える。このほか、事業停止や法的手続準備中の「実質破綻」は26件あり、震災関連の経営破綻(倒産+実質破綻)は8月31日現在で累計906件に達した。
[8月の倒産事例]
鉄骨加工・工事の(株)海老鉄工所(宮城県)は、震災による津波で本社・工場が被災し、事業休止に追い込まれ、工場の移転再開を模索したが見通しが立たず破産手続に踏み切った。
遊覧船運航の十和田湖観光汽船(株)(青森県)は、団体客の減少などで業績低迷が続いていたところに、震災で観光客の予約キャンセルが相次ぎ、売上げ減少に歯止めがかからず民事再生法の適用を申請した。地ビール製造の日光ビール(株)(栃木県)は、観光ホテルなどを販売先にしていたが、震災による観光客減少が痛手となり需要が減少。このため事業停止に追い込まれていたが、その後、自己破産を申請し、8月に破産手続き開始決定を受けた。
震災関連倒産は収束の気配を見せ始めているが、震災後に事業を停止していた企業が、ここにきて事業継続を模索しながらも断念するケースが増えつつある。このため、当面は緩やかな減少ペースで推移していくとみられる。
※以下の表・グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照
・東日本大震災関連倒産
・東日本大震災関連倒産 震災後月次推移
8月の地区別では、関東19件、東北4件、北陸2件、北海道・中部・近畿・九州が各1件だった。
このうち、東北は宮城2件、青森1件、福島1件だった。
都道府県別に「震災関連」倒産の累計880件をみると、最多は東京の249件(8月11件)だった。
次いで、北海道61件(同1件)、福岡46件(同ゼロ件)、宮城38件、神奈川35件、大阪34件、福島32件、岩手31件、石川30件、千葉と愛知が各29件、静岡28件、栃木27件と続く。直接被害を受けた東北6県の倒産件数は128件(構成比14.5%)となった。
産業別に「震災関連」倒産の累計880件をみると、最多は製造業の215件(8月7件)だった。次いで、宿泊業・飲食店などを含むサービス業他が211件(同11件)、卸売業が163件(同2件)、建設業が133件(同5件)、小売業が67件(同2件)と続く。
累計880件は、「間接型」821件(構成比93.2%)に対し、直接被災した「直接型」は59件(同6.7%)と1割弱にとどまり、「間接型」を中心に推移している。
※以下の表・グラフ資料は添付の関連資料「添付資料」を参照
・東日本大震災関連倒産 産業別倒産状況
・産業別 件数構成比
・東日本大震災関連倒産 原因別倒産状況
・原因別 件数構成比
・東日本大震災関連倒産 形態別倒産状況
・形態別 件数構成比
・「東日本大震災」関連破綻状況
・東日本大震災関連倒産 地区別倒産状況
・地区別 件数構成比
・東日本大震災 都道府県別倒産状況