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国土地理院と東北大、津波予測支援のためのGNSSリアルタイム解析の共同研究を開始
津波予測支援に関する
国土地理院と東北大学との共同研究の開始について
<概要>
国土地理院と東北大学大学院理学研究科は、津波の予測に必要となる地震の規模や震源断層モデルを、地殻変動の観測データから即時・的確に推定する技術の実用化及び高度化を目的として、9月1日から共同研究「津波予測支援のためのGNSSリアルタイム解析に関する研究」を開始します。
1.背景と目的
国土地理院と東北大学大学院理学研究科では、平成23年東日本大震災の経験を踏まえ、津波の予測を支援するため、大津波をもたらす可能性のある海溝型巨大地震の地震規模とそのメカニズムを地殻変動から即時に推定する技術に関して研究開発を進めてきました。
これまでに、東北大学大学院理学研究科の地震、津波規模即時推定に関する研究成果に基づいて、国土地理院のGNSS連続観測システム(GEONET)のデータからリアルタイムに位置の変化を解析し、地殻変動の有無を即時に自動で検出するプロトタイプシステムを国土地理院において構築し、平成24年4月6日から試験運用を開始しました。
今後、これまでに開発した技術のさらなる高度化と、システムの実用化を進めていく上で、両者の一層の連携が必要不可欠となっています。
このため、国土地理院と東北大学大学院理学研究科は、9月1日に共同研究協定を締結し、約3年間の共同研究を開始することとしました。
2.研究内容
東北大学大学院理学研究科がこれまでに進めてきた地震、津波規模即時推定に関する研究と、国土地理院が培ってきたGEONETに関する技術、そしてリアルタイム観測データを用いて、津波の予測に必要な地震の規模や震源断層モデルを地殻変動から即時・的確に推定する技術の高度化に関する研究と、一連の研究成果を津波予測支援システムとして構築し実用化するための開発が行われる予定です。
また、これまでにプロトタイプとして試験運用を実施している部分についても、実用化レベルの達成に向けて、精度向上に向けた研究を引き続き実施することとしています。
3.研究成果
研究成果は、津波からの迅速な避難に必要となる津波予測を支援するための情報が防災関係機関に発信されることで社会に還元されるとともに、リアルタイム衛星測位技術に関する学術研究の一層の進展につながっていくものと期待されます。
資料1 国土地理院と東北大学大学院理学研究科の共同研究概要について
資料2 研究開発のスケジュール
※資料1、資料2は添付の関連資料を参照