ＮＨＫ、自然エネルギーのみで動作可能なロボットカメラを開発

自然エネルギーのみで動作可能なロボットカメラを開発
〜太陽光と風力のハイブリッド発電で非常時にも電力を確保〜


　ＮＨＫは、災害現場など電源供給が途絶えた状況においても、太陽光と風力のハイブリッド発電によって、動作に必要な電力を確保することができる可搬型・全天候型の放送用ロボットカメラ（＊１）を開発しました。


　今回開発したロボットカメラの主な特長は以下の通りです。

　（１）風力発電には、従来の風車と比較して約２．５倍の発電量を得られる高効率な「レンズ付き風車」（＊２）を採用し、風車の小型・軽量化とともに１ｋＷクラス（風速１１ｍ／ｓ時）の発電量を実現しています。

　（２）電源部には大容量の蓄電池も装備し、天候の影響などで太陽光や風力による発電が困難となった場合でも約３日間の動作が可能です。

　（３）蓄電池の残量が少なくなった場合には、必要最小限の機器だけを動作させる省エネモードも備えています。省エネモードでは、ロボットカメラ映像を本体のメモリーに蓄積し、リモート制御によってメモリーから必要な部分だけを取り出して伝送可能です。

　（４）放送用の無線中継伝送装置（ＦＰＵ）や携帯電話の高速データ通信、通信衛星を利用した映像伝送装置など、複数の伝送手段に対応しており、災害現場などからでもロボットカメラ映像をより確実に伝送することができます。


　宮城県亘理町のビル屋上に本装置を設置し、８月２９日から運用を開始しました。今後１年程度をかけて、ハイブリッド発電や蓄電池の状態などのさまざまな運用データを収集・解析し、今後のロボットカメラや非常用電源装置の整備に反映していく予定です。

　ＮＨＫは信頼される公共放送として、引き続きいかなる災害時にも対応できる放送設備の強化に取り組んでいきます。

＊１）遠隔地からでもパンやズームなどのリモートコントロールができるカメラ
＊２）国立大学法人九州大学と共同で開発、製作


　※参考画像は添付の関連資料を参照