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情報通信総合研究所、4−6月期のICT経済概況を発表

2012-08-29

ICT経済、プラス転換ならず
−堅調な設備投資に期待−



 (株)情報通信総合研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:平田正之)は、情報通信(以下、ICT)産業が日本経済に与える影響を把握するために、九州大学篠崎彰彦教授監修(※)のもと作成した「ICT関連経済指標」を用いた分析を「InfoCom ICT経済報告」として四半期ごとに公表しております。先日内閣府より発表された2012年4−6月期の実質GDPは前期比0.3%、年率換算1.4%とプラス成長となりました。本日、ICT経済概況について2012年4−6月期がまとまりましたのでご報告いたします。
 なお9月中旬にICT経済報告を弊社Webサイト(http://www.icr.co.jp/ICT/)上で、本リリースの詳細版を公開予定です。

 ※教授名の正式表記は添付の関連資料を参照


<ICT経済概況と見通し>
 今期、ICT経済は前年同期比マイナス2.0%と6期連続のマイナスとなった上、マイナス幅も拡大した(図表1)。サービス部門が同プラス0.8%と増加を維持したものの、財部門が同マイナス8.0%と減少が継続したことが響いた。今回のマイナスは、若干の回復期を除けば、2010年7−9月期から継続しており、かつ今期の落ち込みによりリーマンショック後の最大の落ち込み期であった2009年1−3月期の水準に迫ることになった(図表2)。実質GDP成長率が、エコカー減税による自動車販売の増加による消費の増加と、復興事業の本格化による公共投資の増加でプラス成長を維持したのとは対照的である。

 〔図表1 GDPとICT経済指標の前年同期比の推移〕

  *添付の関連資料「図表1」を参照

 ICT財部門の内訳をみると、大震災からの立ち直りや自動車向け需要の増加が一部追い風となっているが、経済情勢が不安定な海外向けや不調の続くテレビ向けが相変わらず振るわなく、電子部品、民生用電子機械、半導体・フラットパネル製造装置が足を引っ張っている。
 ICTサービス部門は5期連続で増加を維持しているが、伸び率が鈍化した。eコマース等インターネット付随サービス業は増勢ペースが拡大している。法人向けの情報サービスは、先行き不透明感から全体としては回復力が弱いが、顧客のグローバル展開に伴うICT投資の高まり等を受けて一部本格回復感が出ている。
 需要面でみると、先行きを見る上で鍵となる設備投資(ICT機械受注(民需))については、通信機と電子計算機をけん引役とし増加を維持している。先行き不透明感から減少に転じた機械受注(民需)全体とは異なる様相を呈している(図表7)。ICT消費は今期も大きく落ち込んでいるが、これは夏のボーナス商戦やオリンピック商戦が例年ほど盛り上がらなかったこともあり、テレビ関連の落ち込みが継続し、加えて震災後に大きく利用が伸びた移動電話使用料の反動減が影響している。明るい面を見ると、消費活動のネット化は着実に進んでおり、それが起点となり、例えば国内のeコマース市場の発展が小売業のeコマース関連投資を活発化させ、サーバ等電子計算機の受注につながっている。加えて、スマートフォンの急激な普及を背景に、通信事業者のモバイルネットワークへの設備投資は好調を維持している。
 国内の動向に比較して懸念されるのはICT輸出の低迷である。輸出全体は今期よりプラスに転じたが、ICT輸出はマイナスが続いている。この背景には、減速状態から脱していない海外経済が背景にあり、先進国や新興国のICT需要に明確な改善の動きがみられない上に、円高、日本企業の海外移転や台湾、韓国等アジア企業との競争の激化という複数の要因が重なり回復が遅れている。今後、輸出がどこまで回復できるのか、それに伴い財部門の回復ペースが持ち直すのかが注目される。
 世界経済の回復の遅れは、ICT財部門ではアジアへの輸出向けの低迷、サービス部門では輸出関連企業を中心に情報化投資に対する慎重姿勢という形でICT経済にマイナスの影響をもたらしている。一方、国内では、eコマースやスマートフォンを中心に需要が堅調であり、関連の設備投資の底堅さをもたらしている。今後、引き続き、内需を起点とした堅調な設備投資からサービス面へのプラスの影響が持続、拡大することを期待したい。


【2012年4−6月期のポイント】
 <ICT経済総合>
  1.国内ICT経済は6期連続のマイナスとなった。

 <生産サイド>
  2.ICT財は、引き続き減少し、その減少幅は拡大した。
  3.ICTサービスは5四半期連続で増加した。その増加幅は縮小した。

 <需要サイド>
  4.ICT投資は通信機、電子計算機が牽引しプラスを維持。
  5.ICT消費は減少が継続。震災後の反動減が響く。
  6.ICT輸出は減少幅が縮小し、ICT輸入は3四半期連続で増加した。



*以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照


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