イマコト

最新の記事から注目のキーワードをピックアップ!

Article Detail

富士経済、LEVと電動トラック・バスの世界市場予測を発表

2012-08-18

拡大続く中国の電動バス、山東省のLEV市場に注目
LEV(低速電気自動車)と電動トラック・バスの世界市場を予測


― 2020年予測 ―
 ●LEVは11年比2.6倍、880億円 2010年以降、中国山東省山間地で市場を拡大
 ●電動トラック・バスは同4.2倍、1,900億円 日・欧・米市場から新興国へ市場拡大



 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 阿部 界)は、今年2月〜5月にかけて世界のLEV(低速電気自動車)と電動トラック・バスの現状を調査し、その将来を予測した。

 国土交通省は、今年6月4日に「超小型モビリティ導入に向けたガイドライン」を公表した。日本は、少子高齢化や、エネルギー需給の逼迫、二酸化炭素排出削減など多くの課題を抱え、都市は中心市街地の衰退、公共交通機関の衰退、高齢化に伴う移動制約の問題などが顕在化している。その対策のひとつとして国交省は、環境対応車と街づくりの提案・ガイドラインを取りまとめた。
 11年の日本の新車販売421万台(日本自動車販売協会連合会調べ)に占めるHVの比率は49.8万台と10%を超えた。10年12月発売の日産自動車のEV「LEAF」の発売後1年間の販売累計は、トヨタ自動車のHV「Prius(初代)」の2倍となった。さらにPHV「Prius PHV」が12年1月に発売された。HVはより身近になり、PHVやEVは環境性、静粛性、スムーズな加速感など新たな自動車の価値観を携えておおむね順調な滑り出しとなった。しかし価格が高く、普及のペースは鈍い。
 一方で、「エコカー」を取り巻く環境も変化して来た。日本では「第3のエコカー」と呼ばれる、低燃費のガソリンやディーゼルエンジン車が注目され、いっそう電動自動車との競合が激しくなる見込みである。海外においては、各地域性により、欧州・インド市場などではディーゼル車、ブラジルではバイオエタノール車が主流を占めており、自動車メーカー各社も先進国・新興国・各種規制を把握した地域戦略が求められる。近い将来、電動自動車市場(HV、PHV、EV、FCV)は単一市場向け戦略ではなく、自動車メーカーの先進国/新興国戦略、さらに電動自動車を利用した派生ビジネスなど新たな観点が必要となる。
 今や、電動自動車は単なる「乗り物」の位置付けから、路車間通信、V2H/V2Gなど「つながる車」としての新たな価値を創造しつつある。
 また今後、エネルギーの効率的利用を考慮した超小型モビリティの導入や公共交通の利用促進など環境対応車を活用したあたらしい街づくりの検討が期待される。


<注目される市場>
 1.LEV(低速電気自動車)
   11年   337億円
   10年比  191.5%

   12年見込 540億円
   11年比  160.2%

   15年予測 750億円

   20年予測 880億円
   11年比  261.1%

   最高速度が時速90km以下のEVを対象とする。
   1〜2人乗り、短距離利用が中心の小型EVは車体を軽くし電池の搭載量を減らせるので価格を下げ易い。大都市圏で頻発する渋滞や、駐車場不足なども緩和や解決が可能である。一般道への乗り入れを規制すれば交通事故の増加への不安も解決すると期待される。中国では、11年に前年2倍の60,000台が生産された。20年には11年比3.3倍の200,000台に市場が拡大すると予測する。
   中国では、山東省が低速電動車の普及モデル地域に指定されており、同省の「低速電気自動車適用技術条件」によれば、低速電気自動車は、最高速度70km以下、走行距離は1充電当り100km以上。中国の低速電気自動車は、1級都市(北京、上海、広州、深センなど)を除く2・3級都市以下を中心に普及が進んでいる。
   現在はローカルメーカーやベンチャー・中小企業が中心ながら、大手完成車メーカーの本格参入も進んでいる。短期的には、山間部でLEVが普及していることやEVの本格普及にはまだ少し時間がかかることなどから、特に中国山東省では急拡大しており、生産・販売共に急成長が続いている。各地域共にEVが本格普及すればEVへのシフトが進むと考えられるため、15年以降の成長は鈍化すると予測する。
   日本でも山間部を中心にLEVの導入が見られる。しかし、11年に三菱自動車EV「MINICAB−MiEV」が発売されたこともあり、あまり大きな市場拡大は期待できない。
   韓国でもLEVはEV普及へのつなぎとして期待され、10年3月からは一部の一般道路走行も許可されたが、予想よりも早くEVの導入態勢が整ったことなどから、期待されていたほどには市場は拡大していない。
   一方、欧州では都市部を中心にLEVの導入が見られる。

   ●世界のLEVメーカー
    中国ではローカルメーカーを中心に市場形成されており、特に山東省のメーカーが全体の8割以上を占めている。トップシェアの時風集団、山東唐駿欧鈴汽車製造、山東勁馳電動機車、山東宝雅新能源汽車、山東比徳文電動車など計17社がある。
    時風集団は4人乗りLEV「時風電動車」を展開しており、11年実績は前年比約2倍の30,000台で、BYD AUTO(中国)にOEM供給する他、輸出も行っている。山東省17社の生産台数は、09年の17,000台から、11年には64,200台と右肩上がりに増加している。LEVは速度は遅いが操作性が良いこと、価格が安くランニングコストも低いこと、外観のデザインも比較的良いことなどから、生産台数が増加している。製品の安定性も高まっており、既に輸出も行われている。
    インドでは、EV専業メーカーMahindra Reva Electric Vehicleが2人乗りの小型LEVを毎月30台程度販売している。EV技術のライセンス化や製造拠点のフランチャイズ化を進めるなどパソコンや家電などに近い新しいビジネスモデルが注目を集めている。その他、Gordon Murray Design(英国)、Elbil Norge(ノルウェー)、Start Lab(イタリア)、Buddy Electric(ノルウェー)などが挙げられる。



※以下、リリースの詳細は添付の関連資料を参照


Related Contents

関連書籍

  • 死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    死ぬまでに行きたい! 世界の絶景

    詩歩2013-07-31

    Amazon Kindle版
  • 星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    星空風景 (SKYSCAPE PHOTOBOOK)

    前田 徳彦2014-09-02

    Amazon Kindle版
  • ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    ロンドン写真集 (撮影数100):ヨーロッパシリーズ1

    大久保 明2014-08-12

    Amazon Kindle版
  • BLUE MOMENT

    BLUE MOMENT

    吉村 和敏2007-12-13

    Amazon Kindle版