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旭硝子、TFT液晶ディスプレイ用大型フォトマスク石英基板を販売
高品質・低コストの合成石英材料で、液晶用大型フォトマスク基板市場に参入
AGC(旭硝子株式会社、本社:東京、社長:石村和彦)は、TFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ用大型フォトマスク石英基板の販売を開始します。この製品は、AGCが長年培った合成石英製造・加工技術の応用により、高品質であると同時に低コストでの生産が可能です。2011年よりAGCエレクトロニクス株式会社(本社:福島)で生産を開始し、2014年に30億円の販売を目指します。
TFT液晶ディスプレイパネルの製造工程の一部であるパターニング工程では、フォトマスクと呼ばれる、電子回路等の微細なパターンを描画した合成石英ガラスの上から光を当てることで、ガラス基板に回路パターンを転写し、TFT回路やカラーフィルターを形成します。フォトマスクに使用される合成石英ガラスには、パターンを正確に投影するため、泡や歪が無く高純度であることが求められます。
AGCは、ファインガラス、ファインケミカル等の技術を基に、これまで半導体製造向けの合成石英製造・加工技術を高めてきました。特に、「泡や歪を無くすことで光の屈折の変動を抑えた」、「高純度にすることでレーザーに対する耐久性を高めた」等の特長を持つArFレーザー用合成石英レンズ材は、お客様から高い評価を頂いています。また、高い研磨技術(算術平均粗さ:Ra≦0.2nm)や洗浄技術を活かした製品等も数多く供給しています。
今回AGCは、これらの半導体製造向けに培った合成石英製造・加工技術を、より大型化が要求される液晶用に応用し、新たに大型フォトマスク石英基板を開発しました。その特長は以下の通りです。
高光学品質 :泡無し。歪無し(三方向脈理フリー)
高純度 :SiO2 純度 99.9999999%(従来品に比較して、3 桁不純物が少ない)
大型化対応 :第10 世代以上にも対応可能
低コスト :従来品より低コストでの生産が可能
AGCは、ガラス組成設計から加工に至る総合ガラス技術を活かし、ガラス基板等のディスプレイ用部材に加え、製造工程用部材の供給を通じて、今後もフラットパネルディスプレイ市場の発展に貢献していきます。
※ 参考資料は、関連資料参照