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化血研とアステラス製薬、ポリオなどを予防する四種混合ワクチンの製造販売承認を取得
沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン
製造販売承認取得のお知らせ
一般財団法人化学及血清療法研究所(本所:熊本県、理事長:宮本 誠二、以下「化血研」)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中 好彦、以下「アステラス製薬」)は、2012年7月27日に百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎(ポリオ)を予防する四種混合ワクチン(販売名:「クアトロバック(R)皮下注シリンジ」、以下「本剤」)の製造販売承認を取得しましたので、お知らせします。
ポリオは、ポリオウイルスの感染により引き起こされる急性ウイルス感染症であり、従来本邦では、弱毒ポリオウイルス(セービン株 1型、2型、3型)を混合した経口生ワクチン(OPV:Oral poliomyelitis vaccine)の予防接種が行われてきました。
OPVは有効性及び安全性に優れたワクチンであり、1961年にOPVが導入されて以来、本邦でのポリオ患者数は激減しました。しかし、極めて低い確率でOPVの被接種者やその周りの者にワクチン株由来のポリオ様麻痺(ワクチン関連麻痺)が発生するため、不活化ポリオワクチン(IPV:Inactivated poliomyelitis vaccine)の開発が求められてきました。
以上の経緯をふまえ、化血研はワクチン接種回数に関する利便性を考慮し、2004年に一般財団法人日本ポリオ研究所が開発製造した弱毒セービン株由来のIPV原液を含む四種混合ワクチンである本剤の開発に着手し、2007年から臨床試験を実施して有効性・安全性を確認のうえ2012年1月に製造販売承認申請を行い、今回の承認を取得するに至りました。
尚、本剤は、現在化血研が製造し、アステラス製薬が販売しているその他の「ワクチン」、「血漿分画製剤」と同様に、アステラス製薬が全国で販売・販促活動を行い、九州エリア(沖縄県含む)については、両社で共同販促活動を行います。発売時期につきましては、確定次第、改めてご案内します。
化血研ならびにアステラス製薬は、今後とも感染症の予防ならびに公衆衛生の普及向上に一層の貢献が出来るよう努めて参ります。
以上
■「クアトロバック(R)皮下注シリンジ」について
本剤は、既に承認されている化血研製の三種混合ワクチン、沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(DPTワクチン)の原液に、日本ポリオ研究所がVero細胞(アフリカミドリザル腎臓由来の株化細胞)で培養した弱毒ポリオウイルス(セービン株 1型、2型、3型)をそれぞれ精製、不活化して製造した原液を混合したものです。
臨床試験では、生後3か月以上90か月未満の小児に、現行のDPTワクチンと同様の接種スケジュールで1回当たり0.5mL皮下接種し、百日せき、ジフテリア、破傷風、ポリオの予防に有効性及び安全性を示す成績が得られました。
販売名:クアトロバック(R)皮下注シリンジ
一般名:生物学的製剤基準 沈降精製百日せきジフテリア破傷風不活化ポリオ(セービン株)混合ワクチン
成分・含量:本剤は、0.5mL(1シリンジ)中に、有効成分として百日せき菌防御抗原を4単位以上、ジフテリアトキソイドを16.7Lf以下、破傷風トキソイドを6.7Lf以下、不活化ポリオウイルス1型(Sabin株)を1.5DU、不活化ポリオウイルス2型(Sabin株)を50DU及び不活化ポリオウイルス3型(Sabin株)を50DU含有する注射剤である。
効能・効果:百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎の予防
用法・用量:初回免疫:小児に通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも3週間以上の間隔で皮下に注射する。
追加免疫:小児に通常、初回免疫後6か月以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下に注射する。
貯法:遮光して、10℃以下に凍結を避けて保存
有効期間:製造日から2年
規制区分:生物由来製品、劇薬、処方せん医薬品
製造販売元:一般財団法人化学及血清療法研究所
販売:アステラス製薬株式会社
承認日:2012年7月27日
発売予定日未定(確定次第、改めてご案内します)