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CTC、JOGMEC向けに大型クラスタ計算システムを構築

2012-07-24

CTC、JOGMECの高速並列計算システムを構築
海洋資源開発向けに約130台のIBMサーバを使用し、高速処理を実現



 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:菊地哲、以下:CTC)は、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(本部:東京都港区、理事長:河野博文、以下:JOGMEC)の“海洋エネルギー・鉱物資源開発の強化”のための大型クラスタ計算システムを構築しました。JOGMECは、4月から本システムを本格的に使用して、石油・天然ガス探査用のデータ解析を開始しています。

 国内の石油・天然ガス資源は最も安定的に供給可能なエネルギー源であり、その資源ポテンシャル把握や開発に関する技術的・経営的基盤を形成することはエネルギー安全保障の観点から国の重要な政策の1つと位置づけられています。
JOGMECは、国内石油・天然ガス基礎調査事業の一環として本邦周辺海域における海上物理探査事業を経済産業省(資源エネルギー庁)から受託しており、経済産業省の所有する三次元物理探査船「資源」(写真1)を使用した地下構造探査や運航管理等を行っています。
 三次元物理探査とは、海底の地下構造を立体的に映像化する技術であり、石油、天然ガス等の地下資源の広がりを予測することができます。探査手法としては、エアガンを震源として海底からの反射音を記録・解析処理する反射法地震探査が用いられております。記録された反射音に含まれる雑音を除去するため、大量の並列計算を可能にするコンピュータを使用した解析が欠かせません。
 今回CTCが構築したのは、三次元物理探査船「資源」から得られたデータを処理するための大型クラスタ計算システムです。20T FLOPS(1秒間に20兆回の浮動小数点数演算)以上の演算性能と12TBに及ぶメモリ空間を有し、これは旧来のシステムの約5倍の処理能力となります。また、本システムによる発熱量の低減を目的として、20年以上にわたるデータセンターの運営実績をベースに環境アセスメントサービスを提供しました。最適なラック配置により、従来と比べて約2割の消費電力量削減を実現しました。
 約130台のIBM社製サーバIBM System x3550 M3、データI/Oの処理を並列化するPanasas社製ストレージActiveStor 12(*1)、最大2.7エクサバイトのデータ容量を持ち、最大51ペタバイトのテープを単一のファイルシステムとして扱えるIBM社製のテープソリューション(IBM System Storage TS3500 Tape Library、IBM System Storage TS1140 Tape Drive、IBM Linear Tape File System Library Edition)を採用し、上記の演算性能を実現しています。なお、このテープソリューションの組み合わせは世界初になります。

 CTCは、資源・エネルギー、土木・建設、製造、分野に向けて構造解析および耐震解析のシミュレーションや各種コンサルティングサービスを提供しており、今後もCTCは科学・工学技術のシミュレーション計算の技術をベースに社会基盤の整備に貢献していきます。また、Hadoop(*2)、HPC(*3)、GPGPU(*4)、MPIやOpenMP(*5)等の様々な並列計算技術と、マルチベンダー環境で培った組み合わせ技術を使用して、シミュレーションを行う大規模なITシステムや、企業の経営効率向上を目的とした「ビッグデータ」システムなどを提供していきます。


 〔写真1.三次元物理探査船「資源」〕

  ※添付の関連資料「添付資料」を参照


*1 Panasas社製ストレージActiveStor 12について
 計算ノードとストレージ間を複数のデータパスで接続することにより、並列処理に最適化されたストレージシステム。CTCのグループ会社で、企業ネットワークおよびインターネットシステムに必要不可欠な製品およびソリューションを日本国内に紹介しているシーティーシー・エスピー株式会社の取り扱い製品。

*2 Hadoopについて
 Hadoopとは、Javaで開発されたオープンソースの分散処理フレームワーク。CTCでは、2月16日より、お客様のデータ処理速度の改善/向上のため、Hadoopを使用した高速大容量検証ラボ「Big Data Processing Lab」を使用して、製品の効果測定から導入までをカバーする「高速大容量アセスメントサービス」の提供を開始している。

*3 HPCについて
 High Performance Computingの略。物理シミュレーションや複雑な金融商品の価値の計算など、高速な演算処理が必要なシステムに用いられるコンピュータ技術の総称。CTCでは、ソルベンシーII対応に伴い計算能力の増強が必要とされている保険数理アプリケーション向けのHPC環境の提供を予定している。

*4 GPGPUについて
 General−purpose computing on graphics processing unitsの略。画像処理を行う演算装置(GPU)を様々な計算に用いる技術。PCレベルでもGPUを使用した並列計算により、計算時間を通常の10分の1にすることも可能。

*5 MPIおよびOpenMPついて
 MPIは、Message Passing Interfaceの略で、複数のコンピュータを使用した分散メモリ型の並列計算の手法および規格。OpenMPは、共有メモリ型の並列計算の手法および規格。



※記載されている商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。



以上


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