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川崎重工、航空機用一定周波数発電装置を次期固定翼哨戒機(P−1)量産機向けに納入

2010-12-02

航空機用一定周波数発電装置「T−IDG(R)」を

次期固定翼哨戒機(P−1)量産機向けに初納入


 ※参考画像は関連資料を参照


 川崎重工は防衛省の次期固定翼哨戒機(P−1)量産1号機向けに、一定周波数発電装置「T−IDG(R)(Traction Drive IDG)」(※)を、共同開発のパートナーであるシンフォニアテクノロジー株式会社に納入しました。「T−IDG(R)」は、シンフォニアテクノロジー社において制御装置と組み合わされ、発電装置として P−1量産初号機に搭載されます。

 IDG(Integrated Drive Generator)とは、航空機エンジンの回転から電力を発生する電源装置で、変動するエンジン回転数(約5,000〜10,000rpm)を定速駆動機構で調速し、常に一定速度で発電機を回すことにより、航空機に一定周波数(400Hz)の安定した電力を供給します。

 当社が新開発した「T−IDG(R)」は、従来用いられてきた油圧式無段変速機に替わり、定速駆動機構と して高速トラクションドライブ無段変速機を世界で初めて大型航空機に適用したもので、高効率、高耐久性を実現するとともに、高度な制御により良質な電源を供給することが可能であり、航空機の燃費・信頼性 向上に大きく貢献します。「T−IDG(R)」の開発において、当社はトラクションドライブ無段変速機と「T−IDG(R)」全体のとりまとめを、シンフォニアテクノロジー株式会社は発電機および発電機の制御部分を担当しました。

 「T−IDGR」に適用したトラクションドライブ式とは、油膜の粘性抵抗を利用して動力を伝達する方法で、当社は「ハーフトロイダル型」を採用しています。この「ハーフトロイダル型」とは、向かい合った富士山型 ディスクとそれらに挟まれたローラーが動力を伝達し、ローラーの角度を変えることによってエンジンの回転数が変化しても、発電機の回転数を一定に保つことが可能です。

 今回開発した「T−IDG(R)」の発電容量は90kVAですが、さらに250kVAまで大容量化が可能です。当社は、この「T−IDG(R)」を世界の航空機に適用すべく製品化を行っていきます。


「T−IDG(R)」の特長は以下のとおりです。

1)軽量化
 小型化したトラクションドライブ、セラミック軸受の適用、トラクションドライブの高速回転(15,000rpm、自動車用の2倍)を制御する技術等を確立し、高速化によりトルクを低減することで軽量化を達成しました。

2)高効率化・高信頼性化
 動力をトラクションドライブだけでなく、ギヤにも分担させる「パワー・スプリット機構」、トラクションドライブをバーチャルに制御する「センサー・レス」制御採用により、全体動力伝達効率・信頼性を大幅に向上させました。

3)耐環境性
 航空機に求められる厳しい環境条件を克服するため、マイナスG対応オイルシステム、低温流動性の高いトラクションオイル、差圧対応型シール等を開発しました。

4)高応答性
 トラクションドライブ速度制御に電気油圧サーボ機構を使用しており、高い応答性により良好な電源品質を得るとともに、他の電源装置との切替時において「無瞬断切替」を可能にしました。


 ※「T−IDG(R)」は川崎重工の登録商標です。


以 上

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