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日本SGI、HPC向けの共有メモリ型スーパーコンピュータ製品群を発売
日本SGI、新スーパーコンピュータ製品群「SGI UV 2 製品ファミリー」を発売
〜シングルシステムとして業界最大の64TBメモリをサポート、
さらなる高速処理・大容量処理が求められる先端科学研究に
最適な計算プラットフォームを提供〜
日本SGI株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:石本龍太郎)は、主に先端科学研究をはじめとするハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)向けの共有メモリ型スーパーコンピュータ製品群「SGI UV ファミリー」を刷新し、新たに「SGI UV 2 製品ファミリー」を本日より販売開始します。「SGI UV 2」は、最上位モデル「SGI UV 2000」とエントリーモデル「SGI UV 20」の2モデルで構成されます。従来製品と比較して、価格を最大40%(注1)抑えると同時に大幅に性能向上してコストパフォーマンスを高めた製品です。
「SGI UV 2000」は従来製品である「SGI UV 1000」の後継機で、メモリ容量が4倍、理論演算性能は約2倍向上しています。HPCの分野においてもビジネス・コンピューティングと同様、これまで以上のスピードで生成される大量のデータを高速に解析・処理できる計算能力が求められています。大幅な高性能化を図った「SGI UV 2000」を、HPCの代表的分野であるゲノム・バイオ、医学、環境、エネルギーなどの科学技術計算分野や自動車をはじめとする製造業のCAE分野などに向けた高速・高性能な計算プラットフォームとして提供いたします。
本製品は、SGI独自のグローバル共有メモリ技術「NUMAflexアーキテクチャ」と、同じく独自のノード間接続技術「NUMAlinkインターコネクト」の実装により、ノード(ブレード型サーバ)ごとに搭載されたメモリを単一の巨大なメモリ空間として利用できます。シングル・システム・イメージで利用できるメモリ容量は業界最大で、従来製品の4倍となる64テラバイト(TB)です。ノード間接続技術は第6世代に進化し、システム全体の帯域幅がさらに向上しました。これにより、共有メモリ型コンピュータの最大の特長である広大なメモリ空間を活用して、クラスター型システムや標準的なSMPサーバでは処理困難な、大規模で複雑なモデルやデータセットを使用する科学技術計算やエンジニアリングアプリケーションを高速に実行することができます。
CPUは、4コア、6コア、8コアのインテル(R)Xeon(R)プロセッサー E5−4600 製品ファミリーを、シングル・システム・イメージにおいて最大2,048コア搭載できます。将来的には4,096コアまで拡張予定です。
理論演算性能は、現行製品の約2倍の最大43.2テラフロップス(TFLOPS)となります(注2)。
グローバル共有メモリ型のエントリーモデル「SGI UV 20」は、小規模なHPC用途や開発機として最適なラックマウント型サーバです。
「SGI UV 2000」と同じインテルXeon(R)E5−4600を最大32コア搭載可能で、共有メモリは従来機「SGI UV 10」の1.5倍の最大1.5TBです。
「SGI UV 2000」および「SGI UV 20」は両製品とも、オペレーティングシステムとして、SUSE(R)Linux Enterprise ServerまたはRed Hat(R)Enterprise Linux(R)が選択可能です。業界標準のx86アーキテクチャとLinuxを採用することで、お客様が独自に開発したカスタムコードの実行に対応するだけではなく、市販の多種多様なx86アプリケーションを利用することができます。
本日発表した新製品の仕様など詳細情報は以下のWebサイトでご覧いただけます。
http://www.sgi.co.jp/products/altix/uv.html
※製品画像は添付の関連資料を参照
<参考価格>
「SGI UV 2000−32コア/64GBメモリ構成」:9,241,000円(税抜き)
(構成:インテル(R)Xeon(R)プロセッサー E5−4600 製品ファミリー
2.4GHz 20M 8.00GT/s、32コア、64GBメモリ、SUSE(R)Linux(R)Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Center)
「SGI UV 2000−128コア/256GBメモリ」:32,352,000円(税抜き)
(構成:インテル(R)Xeon(R)プロセッサー E5−4600 製品ファミリー
2.4GHz 20M 8.00GT/s、128コア、256GBメモリ、SUSE(R)Linux(R)Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Center、42Uラック)
「SGI UV 20」:3,568,000円(税抜き)
(構成:インテル(R)Xeon(R)プロセッサー E5−4600 製品ファミリー
2.0GHz 10M 6.40GT/s、16コア、64GBメモリ、SUSE(R)Linux(R)Enterprise Server 11、SGI Performance Suite、SGI Management Center、2U筺体)
<出荷開始時期>
「SGI UV 2000」:2012年7月出荷開始予定
「SGI UV 20」:20012年9月出荷開始予定
<本発表に関するコメント>
〔SGIのチーフ・テクノロジ・オフィサー、イングリム・ゴウ博士(Dr.Eng Lim Goh):」〕
「この次世代SGI UVプラットフォームは、キャッシュコヒーレントメモリのサイズと対応コア数において他社との差を広げることのみを考えて設計されたものではありません。これらの追加機能はすべて、システムコストの削減と並行して実現されました。実際、SGI UV 2のエントリーレベルの構成は、SGI UV 1よりも40%安い価格で提供されます。これにより研究者やアナリストのほか、中小規模の企業が新たなレベルでキャッシュコヒーレントな大規模メモリシステムにアクセスできるようになり、クラスターの代替製品として総所有コスト(TCO)が低い新たな選択肢を実現します」
〔スティーヴン・ホーキング教授(Professor Stephen Hawking):〕
「世界初の『SGI UV 2』スーパーコンピュータの登場で、プランク衛星のような先進的な宇宙観測が可能になり、優れた洞察が得られます。数学理論を検証するためには、コンピュータによるシミュレーションで細部を一致させる必要があります。新しいUV 2 COSMOS(注3)システムは柔軟性が高いだけでなく、近日中にインテルのMICテクノロジーが採用される予定です。これにより、英国の研究者は基本宇宙論および観測的宇宙論の第一線に留まることができるでしょう」
〔インテルのテクニカルコンピューティング・グループ、IAG(アーキテクチャ事業本部)バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャー、ラジ・ハズラ(Raj Hazra)氏:〕
「SGIはインテルの新しいXeonプロセッサーを活用し、高度に差別化されたSGI UV 2を設計しました。SGI UV 2は、インメモリ・データマイニングから幅広い商用アプリケーション、データ集約型のハイパフォーマンス・コンピューティングまで、さまざまなアプリケーションに強力なパフォーマンスを提供します。SGI UV 2は、商用および学術アプリケーションにおけるシングルイメージの計算システムの可能性を示しています」
(注1)従来製品のSGI UV 1000と新製品であるSGI UV 2000の最小構成時の比較。
(注2)1秒間に43.兆2,000億回の浮動小数点演算を実行可能な性能で、4ラックの2,048コア構成における値。1ラックあたりの理論演算性能は、11.0TFLOPS。
(注3)ホーキング教授が率いるCOSMOSコンソーシアムは、科学技術施設研究会議およびビジネス・イノベーション・職業技能省によって設立された、英国DiRAC HPC facilityの一部です。
<商標登録>
SGIおよびSGIのロゴは、日本SGI株式会社の登録商標です。その他の会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。インテル、Intel、Xeonは、米国およびその他の国におけるインテル コーポレーションまたはその子会社の商標または登録商標です。
■お客様からの製品に関するお問い合わせ先
日本SGI株式会社
TEL:03−5488−1811(大代表)